
「ワニ革」と聞くと、私が子どもの頃、叔母がしていた時計の黒いベルトを鮮明に思い出します。とてもきれいな模様で光沢があり、他のものとはあきらかに違う高級感がありました。
以来、ずっと憧れだった「ワニ革」。それが宮内庁御用達の靴職人高橋道直氏の手により最高級「スリッパ」(ルームシューズ)になりました。
成功者の証でもあるワニ革。「『靴』を履くのは気が引ける…」という方も、隠れたおしゃれ、スリッパいかがでしょうか。ひそかなステータスに酔いしれることができますよ。
宮内庁御用達の職人がつくる!最高級スリッパの魅力
宮内庁御用達の靴職人 髙橋道直氏
1939年(昭和14年)生まれ、20歳で靴業界に入り40歳で独立、工房を構えます。世界一流ブランドの靴を手がける靴職人として長きにわたり技術を研鑽。
高品質な作品は愛用者も多く、皇室御用達として天皇家にも納めています。静電気の防止について造詣も深く、日々機能美を追求したモノづくりを究めています。
80歳を超えているにも関わらず、スリッパへの探究心は衰えることを知らず、新商品の開発にも積極的なところもいつも驚きます。
参考記事:宮内庁御用達の最高級スリッパをつくる職人「髙橋直道」
髙橋氏がつくる究極のスリッパ「mocoスリッパ」とは
半世紀近くを靴づくりについやしてきた、熟練の靴職人、高橋道直氏による高級スリッパです。元々は、「静電気の不快感を軽減したい」という医師からの要望で生まれた「ドクタースリッパ」です。
履くだけで静電気を体から逃がす画期的なスリッパは、多くのアスリートたちの記録向上にも貢献、体内静電気除去の技術は1997年に特許を取得しています。
静電気を放電し身体に溜めないことで、血流を正常にし足元を軽くします。またこだわりの設計で、疲れにくく、身体のゆがみを整え自然な歩き方ができます。
「mocoスリッパ」の作り方
- オリジナルの木型制作
- 革選び
- 縫製
- 立体的に加工
「moco」は、オーダーを受けてから一つひとつ手作業でつくられているため、製作日数がかかります。
人間工学に基づいて設計したオリジナルの木型を用い、スリッパの外側、内側、底部分の3種類の革を厳選。中は馬の革で熱やこもった湿気をうまく逃がしています。
縫製はタイニング製法(袋縫い)で、縫い目が外側から見えないよう、ていねいに縫い合わせていきます。縫い合わせた後、蒸気で革を柔らかくし木型になじませます。熱を加えて表面のシワを伸ばしていきます。
革を休ませながらこの工程を繰り返すため、製作日数はかかりますが、格別のフィット感を生みます。
「mocoスリッパ」の最上位モデル「クロコダイルレザー」の魅力
黒い宝石クロコダイルレザーとは
そんな、最高級スリッパmocoの中でも最高峰に位置しているのが「クロコダイルレザースリッパ」です。ワニ革の中の宝石と呼ばれる「クロコダイルレザー」を贅沢に使用して作られます。
ワニ革は丈夫で、昔から盾や甲冑に貼られるなど、人間の暮らしに使われてきました。
近年は乱獲により生存数が激減。全種類がワシントン条約にリストアップされています。
「クロコダイルレザー」は、ワニ革の一種で、ワニ革は以下3つに分類されます。
- クロコダイル
- アリゲーター
- カイマンワニ
クロコダイルレザーは「革の宝石」と呼ばれ、ワニ革の中でも最高級な素材です。
昭和の昔から、クロコダイルレザーのバッグは女性の憧れの的でしたし、ハイブランドもクロコダイルレザーを扱い、エルメスのバーキンなど、一千万程の値段が付けられたものもあります。
クロコダイルレザーは立体感のあるウロコ模様が特徴的です。四角が並んだ「竹腑」と丸が連なる「丸腑」があります。どちらもとても美しく、高級感があります。
ワニ革模様に似せた「型押し」は、牛革など別の革に模様を型押ししたものなので、「本物」と「型押し」と区別することが必要です。
ワニ革の耐久性は牛革と比べ10倍以上とたいへん丈夫な素材です。水濡れには弱いので、日常のお手入れが大切になってきます。大事に使えば、長年愛用することができます。
最上位モデルのクロコダイルレザースリッパ
- 価格:¥180,000(税抜)
- サイズ:22.0~27.5cm
- 重量:300g
- 原産国:日本
- 素材:表革:本クロコダイルレザー革(認定バッチ付き) 中革:馬革 裏革:豚革
宮内庁御用達靴職人の高橋道直氏が、ハンドメイドで作り上げた究極のスリッパ「moco」の中でも、クロコダイルレザーの革を使った最高級モデルです。
JRAタグ付き。(ワシントン条約にのっとり、正式に輸入された皮革を使用し、日本で製造された日本製品であることの証)
体内静電気除去のほか、防臭防菌の効果もあり、実用面でも優れたスリッパです。一生モノのアイテムとして、手に入れてみませんか。
クロコダイルレザーのお手入れと注意点
クロコダイルレザーのお手入れ方法
水に弱い性質を持つので、日々のメンテナンスが必要です。水分がついた場合は、やわらかい布でふき取ってから十分な日陰干し、汚れがついた場合はやわらかい布で乾拭きするとよいでしょう。
クロコダイルレザーは「エイジング」を楽しめる革です。一日使用したら、やわらかい布で拭くなど手入れし、風通しのよいところに保管します。
型崩れが気になる場合は、無地の不織布などをつま先に詰めて休ませてもよいでしょう。
毎日愛情を持って手入れすることで、自分だけのつややかな「クロコダイルレザースリッパ」になります。
クロコダイルレザーを扱う注意点
- 直射日光に当てないようにする
- ドライヤーやヒーターなど温風に直接当てない
- 水分に気をつける
- クリーナーなどは基本使わず、使う場合は「専用」のものにする
直射日光、ドライヤー・ヒーターなどの温風を直接当てると、革に大きなダメージを与えてしまいます。また、汗などの水分をそのまま放置すると、カビなどの原因になり、せっかくの美しい革が台無しになってしまいます。
クリーナーについては、牛革に使っているものをつけるのはNGです。クロコダイルレザー専用のクリームがありますので、そちらをおすすめします。
まとめ
今回は、mocoスリッパの中でも最上位モデルの「クロコダイルレザー」を紹介いたしました。
型押しのクロコダイルスリッパもmocoのモデルの中であるのですが、はやり独特の光沢感や、立体感が全く異なりますので、ぜひこの珠玉の一足を手に入れていただきたいと思います。
間違いなく一生モノのスリッパになること間違いなしです。