皆さんは普段どんな財布を使っていますか?近年キャッシュレス化が進んだことで、コンパクト財布が注目されているんです。スマートになりたい方は必見ですよ!
コンパクト財布に求める機能が「ほぼ全部」叶う?!
コンパクト財布に欲しい機能って、いったい何でしょう?
・コンパクトさ
ポケットに入れたり、気軽に持ち出せたりするサイズ感がいいですよね。
・使いやすさ
アイテムが一目見てわかるデザインや出しやすさなど、毎日使うものだからこそこだわりたい部分ですよね。
・容量
コンパクトといえども、ある程度の容量は欲しいですよね!カードや小銭、お札はもちろん、鍵も入れられたら、全てが収まりなおスマートになれますよね。
その全て欲しい!を叶えた、コンパクト財布が実はあるんです。
「一度体験すると、もう元には戻れない」。
そんなキャッチフレーズのもと、財布でもない、キーケースでもない新定番SMART MOVE!を作成された洛景工房の苧阪友作(おさかゆうさく)さんに、目からうろこのコンパクト財布の魅力や製作秘話をうかがいました。
すみからすみまで新感覚!SMART MOVE!の機能と特徴
デニムポケットにも入るコンパクト感
まずはこのサイズ感!お金、カード、鍵の全てが入っているとは、とても思えません!
SMART MOVE!はスマートキーが2つ・アナログキーが3つ・お金・カード類が7枚ほど入ります。
この大きさでかなりの大容量ですね!これならポケットにもすっぽり入りますよね。
そうですね。デニムポケットに入るサイズにしたくて、10cm角にこだわりました。
とにかく必要な機能だけを残し、引き算をして完成しましたね。そうすることで厚みも2.5cmに抑えられました。
使いやすさは残しつつ、ギリギリまで削ったSMART MOVE!。まさに引き算の美学ですね。
「ほぼ全部」を叶えた、常識破りの「X字構造」
SMART MOVE!といえば、X字構造なのかと思います。この機能により、財布の概念が覆されました!
X字構造は、中央一箇所縫うことでポケットを4つにした機能です。試作は30個を超え、やっとのことで「ほぼ全部入る」理想の財布ができましたね。
X字構造の発想は、まるで発明品だと思いました!機能の特徴を教えてください。
X字構造があることで、本来使い物にならないマチの両端部分にスマートキー、真ん中のマチに紙幣やカード類、駐車券も余裕で収納できます。
ぴったり、隙間なく入れることができますね!
X字構造については、出願後1年で特許取得ができました。今までになかった発想ということが、証明されたと思います。
スマートキーをすっきり収納・取り外しも簡単な「スマート・スナップ」
スマート・スナップはどのような機能なのでしょうか。
X字構造によりできた中央の仕切りに穴を開けて通した、スナップボタン付きの革ひものことです。
スマート・スナップの革ひもが適切な長さですので、スマートキーがぴったり入ります。
全てのアイテムがベストポジションになるんですね!スマート・スナップで工夫されたポイントはどこでしょうか?
革ひもは縫い付けられておらず、スライドするため自由度があり、出し入れ・止め外ししやすいことですかね。
取り外しに手間もかからず、こちらもスムーズになっているんですね。
アナログキーが3本も入る!?職人技が生み出した美しい収納、「フラップ・ポケット」
外側に設けられたフラップ・ポケットには、アナログキーが収納できます。
アナログキーも収納できるんですね!3本入っても厚みが気にならないなんて、すごいですね!でき上がるまでにかなり苦労されたのでしょうか?
そうですね。鍵がぴったり入るための金具選定には苦労しましたね。しかし最終的には先人の知恵である一般的な金具のおかげで、フラット・ポケットはでき上がりました。
小さな金具ひとつにも、たくさんの試行錯誤があったのですね!
でき上がったフラット・ポケットは鍵を美しく格納できるよう、ぴったり入るのはもちろん表面が凸凹しないように工夫しました。
お話をうかがって、このコンパクトな財布の隅から隅まで「洛景工房」さんのこだわりが詰まっているのがわかりました!
数えきれないほどの試行錯誤があってこそ、ほかに類を見ない使いやすさと美しさが実現されたのですね!
SMART MOVE!が実現させた「3つのスマート」
SMART MOVE!が完成したからこそ実現できた「3つのスマート」を教えちゃいます!
・物量がスマート
財布とキーケースがひとつになったことにより、持ち歩きがスマートに。
・時間がスマート
お出かけ前の探し物・忘れ物が格段に減ることで、ロスタイムが減り、時間がスマートに。
・所作がスマート
機能に無駄がなくなることで、動きに迷いがなくなり、所作がスマートに。
SMART MOVE!というアイテムひとつで生活も変化していくなんて、素敵ですよね!
世界初の「ほぼ全部」入るコンパクト財布は、どのようにしてできたのか?
苧阪友作(おさかゆうさく)さんプロフィール
京都市左京区吉田出身。
先祖や親族に画家や陶芸家、書家がいたことから、幼い頃より京都の工芸や美術に親しんでいた。大学卒業後は、ミュージアムなどの文化施設開発に従事。25年の間、国内外の多くの施設を担当し、多くのつくり手・アーティストたちと交流。彼らにも大いに刺激を受け、「生まれ故郷に戻り、自分自身の手で何かを生み出すことがしたい」というモノづくりへの想いから、2014年に洛景工房を設立。
SMART MOVE!をつくったきっかけを教えてください!
日常生活での持ち物を減らしたかった!?
ちょっと出かけるときの持ち物の多さに煩わしさを感じていたんです。免許証、鍵、小銭…。自宅がスマートキーだったこともあり、かなり困っていました。
私もお出かけするとき、つい忘れたり探したりしちゃいます(笑)。
持ち物がひとつになることで、手間もなくなります。SMART MOVE!には、お出かけ必需品を手軽にしたいという想いが込められています。
「こんなキーケースを探してた!」って方が、たくさんいそうですよね!
苧阪さんのこだわり、思いがそのまま形になった
もうひとつの理由としては、「自分の手でモノづくりをしたい」という想いがずっとあり、関心や興味を探求し尽くしました。自分の想いがそのまま形になったのがSMART MOVE!です。
苧阪さんの想いが細部にまで宿ってでき上がったんですね。
そうですね。考え方や進め方の無駄を省いたことで、余計なことを考えず制作できたのも良かったかもしれません。
機能や使い勝手に驚くほど無駄がないのは、制作の段階からの構想が重要なポイントだったのかもしれませんね。
品質・コストにもこだわるSMART MOVE!
革選びのこだわり
SMART MOVE!の革は手にしっとり馴染みますね。どんな素材を使っているのでしょうか。
メイン素材は姫路産のシュリンクレザーというものです。革好きならわかる素材となっています。ポイントは手にしっとり馴染み、柔軟でふわふわとした触感が心地よいところですね。
素材となる革は、本当に柔らかそうですね!
そこから丁寧に仕立てることで、無駄なくアイテムが入ったSMART MOVE!では、美しくしっかりしたフォルムと、柔らかな手触りが楽しめるんです。
完成図を考慮した上で素材も選んでいるんですね。経年美化も楽しめそう!
「品質は良く、コストは抑える」
SMART MOVE!では、機能やデザインにこだわりつつ、コストパフォーマンスも重視しています。
品質は変えずに、コストを削減するとはどういうことなのでしょうか?
例えばX字構造はたったひと縫いで、4つのポケットを生み出しています。機能やデザインの品質は上げつつも、縫う箇所・長さや量を引き算しギリギリまでコストを削ることを意識しました。
機能・デザイン・コスト、すべてを徹底的に考え抜かれてつくられているのですね!本当にすごいです!
京都を色で表現する洛景工房
洛景工房株式会社
「京都の情景」をテーマに、京都が世代を超えて受け継いできた「技」と「心」を活かしつつ現代の暮らしに馴染む、京都初の新たなプロダクトを開発している。2016年には洛景工房のモノづくり価値を発信する場として、京都・烏丸丸太町、京都御所を望む通沿いに、直営店「タイム堂」をオープン。
京都の色の情景を表現
洛景工房にとっての「色」は単なるカラーバリエーションではなく「色の物語」があります。
なぜ京都を色で表現するようになったのでしょうか?
色には興味があり、京都を色で表現しようと思ったのが始まりですね。京都は自然・寺社仏閣・お菓子・お祭り・ 食事と色が多い街だと思い、そこからこの情景や産物を色で伝えられないかと考えました。
色で情景を表現するなんて素敵です!京都は歴史も古いですから、伝統的な色や古風な色を使って伝えているんでしょうね!
そうとは限りません。私は日本の伝統色にもない、現代の日本の色・現在の京都を色で表現しました。
今の京都を色に込めて伝えているんですね!ちなみに現時点で何色ぐらいあるのでしょうか?
発表してないのも含めると72色あります。
そんなにあるんですか!それらの色すべてに、名前や情景も考えているのですか?
そうですね。順番としては情景や名前を考えてから色を決めていきます。
色の物語から考えていくんですね!どこから発想が生まれるのですか?
古典の和歌の場合もあるし、京都で日々繰り広げられる風景をもとにしている場合もあります。それぞれの名の背景や由来も説明しているので、色彩だけでなく、「色の名」「色の物語」にも注目していただきたいですね!
色で表現する上で大切にしているのは「心の色」
京都を色で表現するということは、見ている景色をそのまま色にしている、ということなのでしょうか?
物理的な景色を色で表現するのはもちろんですが、私はその日感じた「心の色」をお届けしたいと思っています。
例えば「宵の明星」の景色ひとつとっても、人の感じ方や思い出は違うと思うんです。京都だと鴨川の河原からよく眺めることができますが、同じ景色でも見る場所や見る人にとって見え方は変わってきますよね。
同じ風景でも今と昔で見え方が変わることもありますもんね。その思い出の情景を色に映しとっているなんて素敵ですね!
色には思い出をよみがえらせる力もあると思います。そんな色の楽しみ方を、作品に込めてお届けしたいですね。
同じ色を選んでも、人によって感じるものが違うなんて、奥が深いです!
財布でもない、キーケースでもない新定番!
ほぼ全てが入ってコンパクト!SMART MOVE!
SMART MOVE!で物量も時間も手間もスマートに!京都の情景を映しとった「色」も魅力的。全10色展開。
RAKUKEI
【本革ケース】SMART MOVE! 薄暮の慕ふ
故郷・京都で新しいモノ作りに挑戦し続ける
京都でモノ作りを行う理由
若い頃からの夢であった京都でのモノづくりを始めた苧阪さん。最後に、故郷・京都で行うモノづくりへの想いを聞いてみました。
苧阪さんが、京都でのモノづくりにこだわられた理由は何ですか?
理由はふたつあります。ひとつは京都から日本のモノづくりを世界に発信できるという可能性を感じているからです。日本の中心は東京ですが、世界からみた日本=京都なんですよ。ですから京都からモノづくりを世界の人へ発信するのは意味があると思います。
もうひとつは京都はモノづくりの環境があることです。昔から素材、原料の調達から制作、販売まで、すべて京都府内で行えたんです。今でもモノづくりをされている方が多く、クリエイティブに新しいことを展開されている方も多くいます。私は京都でモノづくりに日々挑戦されている方たちといっしょに、新しいモノづくりをしていきたいですね。
京都だからこそ、新しいモノづくりに挑戦できるのかもしれないですね!
まとめ
「こんなコンパクト財布を探していた!」という想いがまさに形になったSMART MOVE!。京都という街で新しいモノづくりをされている洛景工房さんだからこそ、つくることができたのかもしれません。次はどんな「世界初」を見せてくれるのか、今後のご活躍から目が離せませんね!