本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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伝統工芸品の後継者問題に関して職人72人にアンケートを伝統工芸品メディアBECOS Journalが実施。伝統工芸品の後継者はいるのか、後継者の確保はどのように行われているのかなど、伝統工芸品の魅力を発信していくメディアとして深掘りしてみました。
現代まで脈々と受け継がれている伝統工芸品や、従来の伝統工芸品にインスパイアーを受けて派生しているものなど、日本には数多くの伝統工芸品があります。後継者の有無はその伝統工芸品がこの先の将来に残るかどうかに大きく関わります。職人さんたちは後継者に関してどのように感じているのでしょうか。
情報:伝統工芸の後継者に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2022年10月29日〜2022年12月26日
人数(男性・女性):20代〜70代の男女72人(男性58人、女性14人)
今回アンケートに回答してくれた職人さんは大半が40~60代、そして大部分が男性でした。自分を抜いた従業員数は0~3人程度が多く、職人さん1人の他の制作に携わる人の人数がそもそも少ない状況。
回答してくれた職人さんが携わる伝統工芸品の業種を見てみるとほぼ製造業(最終製品)。製造したらそのまま商品として販売するものです。原材料や中間工程は染料や絵付を指します。
この通り、伝統工芸品は職人さんの経験とスキルが求められるのがわかります。そのため、「ハードルが高い」「習得までに時間がかかりそう」と感じてしまうかもと思いました。
グラフの通り、過半数が後継者がいない状態です。また、その後継者もほとんどが親族という結果でした。
親族内で「家業」の「後継ぎ」として伝統工芸品の後継者となるケースが多いようです。では職人さんが単身の場合や、親族の中に候補者がいない場合はどのように後継者を募ったのでしょうか。
一番多いのが「本人からの申し出」です。伝統工芸品に魅力を感じて未来に繋げたいという人物が現れて弟子入りをしたということ。そのほかには人からの紹介や求人情報誌、企業マッチングブースの利用、ハローワークなども使われているようです。
後継者の獲得はやはり苦労しているようです。そもそも親族や近親者に候補者がいない場合は「従業員」として求人に募集をかけるなど、一般的な製造業の求人と同じ手法をとるようですね
「後継者がいない」と答えた職人さんのなかで、「後継者の採用をしている」と答えた職人さんが18.4%なのに対して「後継者を採用していない」と答えている職人さんは81.6%とかなり高い状態。
では、後継者の募集をしていない職人さんは「後継者が欲しくない」と「後継者が欲しい」のどちらなのでしょうか。
上記、「後継者採用をしたい」と考えている職人さんの口コミを見てみると、伝統工芸の継続と職人さんの高齢化が深刻のようです。また、一方では収益が見込めるという意見もありました。
では、一方の「後継者採用しなくてもいい」と考えている職人さんの口コミを見てみましょう。
「後継者採用をしなくてもいい」という職人さんの口コミは上記の通り。習得には並々ならぬ努力が必要というスキルの問題、先の見通しが立たないという経済的な問題に関しての口コミが多いです。また、伝統技術自体が変容し、職人として引き継ぐのではなくマニュアルがあり従業員を雇うという形態に転化しているという声がありました。
今回のアンケートでは「5年後も伝統工芸品の製造を続けていると思いますか?」についても聞いてみました。
「続けていると思う」が95.8%、「続けてはいないと思う」が4.2%という結果になりました。実際の口コミは下記。
自分自身の方に伝統工芸の技術の存続がかかっているという責任感が伝わってきます。また、世の中の変化に合わせて伝統工芸の枠組みを超えた変化を受け入れているという声や、技術を拡張させ、伝統工芸に限らず他の製品の製造に携わっているという声もありました。
後継者や事業を継承していくシステムや仕組みがあれば利用したいと答えた職人さんが多い結果になりました。その思いは以下になります。
ここまでは肯定的な意見。以下では後継者や事業を継承するシステムに対して疑問視する意見についてみていきましょう。
上記のように懐疑的な意見もありました。自然に人の縁で繋がって継承されていくべきだという意見が多い印象。また、実際に求人情報やマッチングブースを使ってみてもいい結果を得られなかった職人さんの意見もありました。
いかがでしたでしょうか。今回は伝統工芸品の後継者問題に関して、後継者の有無や後継者を募集する取り組みをしているか否か、今後の見通しに関しても伺えました。その一方で、伝統工芸品の後継者問題に関しての課題も見えてきました。自然な継承や時流による淘汰を受け入れる声もあれば、技術を残していきたいという職人さんもいました。
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