本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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今や、情報収集にTwitterやInstagramなどSNSは欠かせない存在になりましたね!
岡山県・津山市の小さな町工場から、最高級品質のネクタイブランド「SHAKUNONE(笏の音)」を立ち上げ、全国に商品展開をしている株式会社笏本(しゃくもと)縫製。
その商品の魅力もさながら、SNSを活用した積極的なブランド発信にも注目が集まっています。
今回は代表取締役の笏本達宏さんに、自社の魅力を伝えるためのSNSの上手な利用方法についてお伺いします。
1968年、岡山県津山市で創業。当初はネクタイに限らず縫製全般を行っていたが、2006年、高級ネクタイを主とした縫製工場へと舵を切る。2015年にオリジナルの高級ファクトリーブランドとして「SHAKUNONE(笏の音)」を立ち上げ、最高級の素材と技術でユーザーの生の声を活かしたネクタイを仕立てる。そのクオリティが認められ、現在では様々なブランドや全国展開の百貨店、有名セレクトショップなどにも製品を展開している。
高校卒業後、美容師として働き国家資格を取得。その後、母親の体調不良を契機に家業である縫製業へ。高い技術と細部までこだわり丁寧に仕上げる心意気に触れ、 祖母から母へと引き継がれた会社の跡を継ぐ決心をする。受託生産で作り手にユーザーの生の声が聞こえない状況を打破するため、2015年に自社ブランド「SHAKUNONE(笏の音)」を立ち上げる。ブランドの知名度を上げるためにSNSによる発信を開始し、Twitterは一日も休まず毎日更新。現在Twitterのフォロワーは約3万人で、他のSNSも合わせると合計約4万人のフォロワーを抱える。投稿内容はメディアにも注目され、テレビや新聞などに数多く取り上げられる。
SNSでの発信を始めたのはいつ頃からですか?
2015年9月5日に「SHAKUNONE」ブランドを立ち上げた時です。そこから約8年間、一日も休んだことがありません。最初はmixiから始まって、今はFacebook、Instagram、Twitterなどのプラットフォームを利用しています。
「SHAKUNONE」を立ち上げる前から、個人として仕事やプライベートについて書いていましたが、今はブランドとして、各プラットフォームを使い分けて書いています。
SNSでの発信を始められたきっかけは?
「とにかくSNSはやらなきゃ」と思っていました。良い製品を作っている自信はありましたし、歴史や信用を積み重ねてはいましたが、いかんせん無名だったので、「とにかく発信をしなければ」と。
発信をする時に、やはり一番真実味を持って伝わるのは作っている本人の声だと思ったので、「必ず自分の文章でつづること」また、「毎日休まず続けること」を心に決めました。
8年間、毎日はすごいですね!続けられてきて、どのような感触がありますか?
「SNSでの発信によって会社の状況が上向きになる可能性は十分にある」ということを実感しています。でも、ちゃんとした情報を提供できるようになるまでには時間がかかるので、SNSでの発信を始めようかと考えているなら、「ちょっとでも早く始めた方がいいですよ」とアドヴァイスしたいです。
時間がかかるとは、どういうことですか?
安定して皆さんから「情報として有益だ」ということでリアクションをいただけるまでは、時間がかかるんです。今日書いた記事が、明日からYahooでトップで検索されることはまずありません。一定数の認知と評価をいただくまでに、大企業とは違い、小さい会社の小さいブランドの場合は時間がものすごくかかります。
今この記事を見られた方で、SNSを始めようか悩んでいらっしゃる方がいたら、本当に「今」始められた方がいいと思います。
SNSで発信する前、ブランド立ち上げの際の課題かもしれませんが、「自社ブランドをどういうイメージで見せるか」を整理することは大切ですよね?
実は僕の場合、「SHAKUNONE」を立ち上げた際にブランドイメージというのを考えていなかったんです。「良いものを作ったら売れる」と信じていたので、商品企画もコンセプトも全然ない状態でした。でも当然、そんな甘いことはなかったです。
そこで、「どうしたらお客様に自社の製品の良さをきちんと届けることができるか」ということを真剣に考えました。ブランドの個性を出すためには、「奇抜なものを作る」というのが一番簡単なのですが、どちらかというと「もう少し王道路線で行きたい」という気持ちがありました。それで、「もう一回、シンプルに考えてみよう」と思い、「自分たちが当たり前と思うところはどこにあったか」というところを掘り返していきました。そうやって見えてきたものを、少しずつ形にしていっているのが今のスタイルです。
それを、SNSでも発信していらっしゃるのですね。
「職人には当たり前だけれど、一般の人が知らない」という部分を伝えたいと思っています。例えばバイアスと言って「斜めに裁断することによって生地が伸びる」こととか、「ネクタイは一本の糸で縫われているので、ステッチの糸は切ってしまうとバラバラになってしまう」こととか。
職人さんには当たり前でも、一般の人には全く認知されていないこと、というのはよくありますよね。
奇抜なニュースなどを出していった場合、感性に触れるところは人によって違うので、「それは違うよ」となるかもしれません。でも、単純に事実ベースのところを取り上げて、職人ならではの言葉で説明したなら、納得せざるを得ない。それでいいんじゃないかな、と思ってやっています。
【ネクタイ】SHAKUNONE オリジナルロゴ 豊かな金茶 | 国産シルク
SNSで発信する前に、ターゲットを絞ることは必要ですか?
僕は基本的にはノンターゲットでやっていて、単純に「広く知ってほしい」というのが一番です。ネクタイのブランドとして、うちの会社を知らなければ選びようがないでしょう?だから、「知られていないのは存在しないのといっしょ」と考えてやっています。父の日など季節のイベントの直近などは「誰に」のターゲットを絞ることもありますが、基本的にはできるだけ多くの方に知っていただくきっかけと思ってやっています。
逆に言えば、色々な人に読んでもらいやすい記事なのですね。
一定の人に伝わりそうな経験談は生きていれば何かあるので、毎日それを丁寧に観察して文字化して、それプラス専門知識を間に入れるようにしています。
笏本さんは、Twitter、Instagram、Facebookの3か所で記事を掲載されていますね。
この3つは冷静に分析して、明確に使い分けるようにしています。Twitterは、知らない人に僕を知ってもらうためのツールだと思ってやっています。Instagramは会社のカタログだと思っています。そして、Facebookは完全なプライベートで、知っている人達に届けたいものを掲載しています。
毎日文章を一つ書いて、まずTwitterの更新を?
はい。Twitterは土日関係なく、完全に毎日書いています。Instagramは週に3回。Facebookはお知らせがあればする、という感じです。Twitterで書いた文章を、他の媒体に転用することがほとんどです。
Twitterの特徴は?
Twitterはよく「つぶやく」と言われますが、短文なのが特徴です。Twitterは良くも悪くも拡散するので、危うい部分もありますが、即効性とインパクトは高く、メディアに一番取り上げられやすい媒体だと思います。僕の場合も2021年から2023年までの間にメディア取材を120件ほど受けていて、テレビ媒体が3社、新聞も20社くらいありました。
ネクタイを使ったコーデの例を載せているのは、Instagramだけですか?
はい。それぞれのプラットフォームの性質や、そこにいる人達の好みを考えて使い分けるようにしています。Instagramの方は、素敵な画像を探しに来る人が多く、アートの観点が強い。逆にTwitterは、文学のような観点が強く、宣伝を嫌う傾向が強いです。
先ほど「ノンターゲット」で書かれている、とおっしゃいましたが、ターゲットを絞るというより、プラットフォームの性質を知りそれに合わせるということですね。ちなみに、購読者数、フォロワー数はどのくらいですか?
Twitterが3万ちょっとくらいで、Instagramが8,000くらいです。
まず最初に使うには、どのプラットフォームがいいと思いますか?
顔を出して良ければ、今一番伸びるのはTikTokなのではと思います。けれど好き嫌いがあるし、TikTokはアルゴリズムが独特なのでどんな投稿が伸びるのかやってみないと分からない部分も多いと思います。
Instagramも独特なアルゴリズムなので、癖を掴まないといけないように思います。反対にTwitterは、フォロワーが1人でも、驚くほどバズって伸びることがあります。そういう意味では、誰にでもチャンスがあるものとして、Twitterがおすすめかもしれませんね。
笏本さんの文章は、読む人の心にすごく響いてきますね。「伝わる」文章を書くコツは何ですか?
僕は、文章からはその人の人間性がにじみ出てくるものだと思っています。誰でも多少の見栄を張って生きている部分はあると思うけれど、できるだけ素直に、その時々の自分の感情を文字にのせるように努力しています。
それから、芸能人が「お腹が減ったとか」とか、「今東京駅に着いたよ」などと書いたら「いいね」が付くかもしれませんが、一般人が「お腹空いた」とか書いても、誰も興味がないわけですよ。だから、読んでいただけるだけでありがたいと思い、読んでくださっている方々の心に響くものを届けられるように、丁寧に時間をかけて書くように心がけています。
その他に、文章を書く上で気を付けられていることは?
句点の位置やカッコの位置、ひらがなと漢字のバランスなどに気を遣って書いています。Twitterは比較的短文なので、句点一つにしても減らそう、とか。ひらがなが続くと呪文みたいに見えてしまうし、漢字が多いと密度が高くて読みにくくなりますし。
ツィッターの文などはとても短いので、視覚的なものが大切でしょうね。
漢字とひらがなのバランスは、だいたい30%ぐらいが漢字になるようにしています。帰宅中の電車の中で「疲れたなあ」と思いながら読む、というようなシチュエーションが多いと思うので、ぱっと目につくような感じに仕上がるように心がけています。
口調についてはどのように?
全体は「ます・です」で書いて、強調したい時には体現止め、など状況に応じて変えています。基本的に一回書いたものは声に出して読み、違和感がなければ公開します。
一記事を書くのにどのくらいの時間がかかりますか?
着想から書き出しまで1分、書き終わりまで5分あればいけますね。そこから、例えば「お客さんに褒められて嬉しかった」という気持ちを最大限に伝えるためにどう構成を変えるか、などの書き換えには2時間くらいかけることもあります。
画像はどうされていますか?
ブランディング動画に関しては、プロに手伝ってもらい、自分たち以外の視点を入れるようにして作りました。反対にSNSで出す動画や画像は、全部自分たちで撮影編集を行っています。全部iPhoneで撮っているので、作業中でも、いつでもすぐ撮影できます。
また、自分たちには当たり前のことでも、見てくださる方は専門知識がないので、その方達にも伝わるように工夫して画像を出すようにしています。例えば、「この写真を見ていただければわかりますように」と説明する場合は、該当箇所に〇をつけるとか、矢印を入れるとか、少しでもわかりやすいように工夫しています。
Instagramで提案されているコーデの写真は、プロの方が?
いえ、全部素人です。ものづくりをしていると、悲しきかな、B級品が出てしまいます。品質に問題がなくても、小さな傷があったりとか。お客様から1円ももらえないものだから、泣くじゃないですか、商品が。だから、知り合いのスーツ好きに提供して、撮影したものを提供してもらえればその商品も役割を全うできるのでは、と考えました。
ではそれぞれの方が、自由にコーデされて撮影されたものなんですね。
あれだけたくさんのコーデを撮ろうと思うと、スーツが何百着あっても足りないので、とんでもない経費がかかります。また、有名インフルエンサーさんと契約するのも月何十万円、何百万円とかかってしまいます。だったらB級品をスーツ好きの方に提供して使っていただければSDGsにもなりますし、うちの商品でリアルなコーディネートができる、という仕組みです。経費を最小限に抑えながら伝える一つの技ですね。
その他に、書くときに意識されていることはありますか?
今はテレビ離れの時代とは言われていますが、テレビの影響力というのはやはり大きいので、より多くの人に知っていただくには、テレビや新聞などのメディアに取り上げられるのが一番だと思っています。なので、そういったところにどうやったら取り上げられるか、ということを考えながら書いています。
例えば、どういう風にされるのですか?
自分の書いた文章や発信が、「どういうタイトルでテレビや新聞に載るか」は常に考えています。例えば先日、不妊治療7年目で子供を授かったという記事を書いたのですが、それを伝えるときに、「子供ができました」だけなら、確かにおめでたい話ではあるけれど、ごく普通の話題ですよね。それを、「声も出せず、小さくうなずくのが精いっぱいのおばあちゃんに妊娠を報告したら、手が動いた」というタイトルをイメージして書いたんです。そしたらYahooニュースやテレビで取り上げられました。
その他の記事でも、これが再現ドラマになったらこういうイメージになるのかな、とか、タイトルは「崖っぷち工場が起こした奇跡」などとなるかな、とか想像しながら、全部事実ベースでそれをどう表現するかを考えた結果、見事に同じタイトルで放送されたことがあります。
「タイトル」を想像することで、客観的な視点が得られそうですね、それにしても、何度もメディアに取り上げられるのは、すごいですね!
SNSがどれだけバズろうとも、届いている層はとても狭いので、それをより多くの人に知っていただくためには、メディアに取り上げられる必要があると思っています。そのための入り口だと思って僕はSNSを続けています。
SNS発信によるメリットは何ですか?
お客様と物理的距離がある場合、SNSを通すことによって距離が短くなるのは100%間違いないと思います。ただ、あくまでも手段なので、そことリアルがマッチングしていないといけない、と思っています。
地方の小さな町から発信していることは、プラスになっていると思いますか?
結論から言うと「良かった」と思います。確かに東京や大阪、名古屋など大都市の方が、色々な人に会えますし、ビジネスのリスポンス的にも田舎よりはるかに良いと思います。でも、ブランディングをする上では、田舎の方がストーリーが作りやすいというのも確かです。「ここだからできるんだ」と。
弊社のある場所は桑村といって、桑がたくさんあり、昔は蚕もたくさん飼われていたそうです。織物で有名だったようで、「倭文(しず)織」という伝説の織物があるらしく、卑弥呼も身に着けたと言われています。
そんな中でうちがシルク製品であるネクタイを作るようになったのも、何かご縁があったんじゃないか、とか、「都に献上するものを作っていた」と近所のおじさんが言っていた、という風に書くこともできます。
地方だと、それぞれの地域で色がありますよね。
地方をデメリットと捉えてしまっている方々が多いと思うのですけれど、捉え方次第でメリットにしていくことはできると思います。だから、ないもの探しをするのではなく、田舎だからこそできることを探すべきだと思います。
地元では子育てしながら働ける環境が少なかったので、うちで働きながら子育てをしたお母さん達もたくさんいて、またそういう方々を雇用してで成り立ってきた会社である、ということを母からも聞いています。
子育て中のお母さんが働きやすいようにされているのですか?
うちの会社は8時からなのですが、8時10分、20分、40分と来る時間は皆ばらばらで、帰る時間も、「今日は11時で帰ります」などという感じです。小学生が帰ってくる15時になったら、ほぼ人はいなくなります。
フレキシブルですね!お子さんがいるお母さんには働きやすいですね!
そういう所が「田舎ならではの働き方なのかなあ」と思います。あとは大雪の時に、車で来る人が危ないから休み、などもそうですね。他の会社の3時間くらい前に僕が「休みにします」と発表したら、これもニュースになりました。本当は、その前日、社員さんが帰る前に「明日休みにしようや」と言ってくれたからなんですけどね。僕がカッコつけてますけど(笑)。
「社長というのは、自分の家族や社員、社員の家族やお取引先なども含めて多くの人々の生活を背負っているもの」 「会社のファンを一人でも増やす努力をするのは社長の責務だと考えているので、これからも発信し続けます」と語る笏本さん。
お祖母様、お母様の志を受け継ぎ、関係する人達を大切にしながら未来に向けて挑戦される笏本さんだからこそ、人の心を動かすSNSのメッセージが綴れるのだと思いました。 笏本さんの魅力的な発信が、「SHAKUNONE」ファンを増やしていることは間違いないと思います。毎日更新、これからも頑張ってください!
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