本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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日本語を身にまとう新感覚のアクセサリーブランド「Hiragana」。“うつくしい”“ゆめ”など、ひらがなのしなやかな美しさを表現した作品の数々は日本のみならず、海外からも注目を集めます。
今回は、デザイナーの國廣沙織さんに作品へかける思いや、ブランド立ち上げの経緯などについて話を聞きました。
ピアスやブレスレット、 指輪など「書」の伝統美をさりげなく身に着ける、世界でたった一つのアクセサリーブランド。「ありがとう」といった心に留めておきたい言葉をモチーフにひらがなの美しさを表現。メッセージ性が高く、贈り物としても人気。
「Hiragana」のブランド立ち上げにあたっては、書家として活動されたことがはじまりと聞きます。まず、書家になるまでの大まかなストーリーを教えてください。
書道を始めたのは6歳の時です。友達が通っていたからという軽い気持ちで教室に通い始めたのですが、思いのほか楽しく、気づけば12年も続けていました。ですが新卒では一般企業に就職し、書道とは異なる仕事をしていました。ですが26歳の頃から自分の得意なことを仕事にしたいと思い、書家を目指すべく、まず英国に語学留学したんです。現地で日本文化を発信したいと考え、書道教室に再び通いながら留学の準備をしました。
ロンドンでは現地の方々と交流できたのでしょうか?
文化交流イベントに参加し、その中で参加者の名前を漢字やひらがなで書くというワークショップを行いました。想像以上に喜んでいただき、“書”の魅力を再確認することができたんです。本格的に活動するため、帰国後は活動の拠点を生まれ育った広島から東京に移しました。
書家の道を歩むと決めてからは、どのような活動をされたのですか?
ロゴの制作や書籍の題字、映画内文字の提供などを行なっていました。自分にしかできないことを模索しながら、色々挑戦していたという感じです。私より字が綺麗な人はたくさんいるので、みんなと同じことをしていては個性を発揮できないと思っていましたね。
その後、「Hiragana」を創作するに至ったきっかけをお聞かせください。
出光美術館の展示会で見た藤原行成の「升色紙」という仮名の書がインスピレーションのもとになっています。とても目を惹く美しさだったのですが、ガラス張りのショーケースの中に飾られていたため、見る人から“距離”があると感じたんです。文字の魅力をどうしたら身近に楽しめるのかと色々考えた中、アクセサリーにするというアイデアが浮かびました。
掛け軸の中の書がインスピレーションのもとだったのですね
そうですね。ショーケースの中の文字も魅力的ですが、どうしても美術館という場所に限定されてしまいます。アクセサリーならば、誰でもその美しさを気軽に楽しめると感じました。
それまでアクセサリーを創作したことはあったのですか?
いえ、全くありませんでした。むしろ私自身、アクセサリーを身につける機会がほとんどなかったので、全てが手探り状態でしたね。まずはイラストレーターや3Dプリンターを駆使しながら、簡単なものから作り始めました。試作品をSNSで紹介したところ、思いもよらない反響をいただけて。「同じものが欲しい」というお声を多くいただいたことで商品化に踏み切りました。
アクセサリーのモチーフとなる言葉はどのように選ばれているのですか?
多くの方が親しめるように、普遍性が高い言葉を選んでいます。また曲線が美しいひらがなであることも重視する点です。
デザインのこだわりをお聞かせください。
“読もうと思えば読めるぐらい”の文字デザインにしていることです。また全体のバランス感を重視し、文字と文字の一部を重ねています。
「Hiragana」のおすすめの選び方を教えてください。
お好きなものを選んでいただくのが1番ですが、自分の目に入る指輪やブレスレットは自分へ向けたメッセージのものを、他の人から見られるネックレスやピアスは相手に伝えたいメッセージを選ぶのが良いかもしれません。
SAORI KUNIHIRO
【指輪】こころ シルバー (925) | ひらがなアクセサリー | SAORI KUNIHIRO
2019年に活動の拠点を京都に移されていますが、何かきっかけがあったのでしょうか?
アート作品の制作を軸にしたいと思ったためです。とはいえそれまで京都へは仕事で数回行った程度。ロンドンへの語学留学と同じく、心機一転で引っ越したという感じです。
実際、京都に住んでみていかがでしたか?
東京にいた時よりも、ゆったりとした気持ちで創作に向き合えるようになりました。東京は大都会で便利な一方、たくさんの情報に溢れているので、頭の中がいつもパンパン状態でした。京都は時間がゆっくり流れているので、その中で創作できるのは理想的だと感じています。
創作に適した環境なのですね。ちなみにどんなところで、京都の時間の流れがゆっくりしていると感じるのでしょうか?
多くの人が季節感を大切にしているのがその一つですね。たとえば、四季折々に咲く花を愛でたり、水無月など旬の和菓子を食べたりと、みんなが毎日を丁寧に生きているという印象です。また京都は山も川も近いので、東京より夜がだいぶ暗いというのも思いがけない発見でしたね。
そんな京都の自然は創作に生かされていますか?
多くの場所からインスピレーションを受けています。特に神社の中にある小さな川をよく眺めています。水が流れている様子を見ると清々しい気持ちになるんです。
最後に、國廣さんのこれからの目標をお聞かせください。
Hiraganaの制作はもちろんのこと、アート作品についても注力していきたいと考えています。最終的には海外の美術館に所蔵されるレベルの作品を創ることが目標です。
思いきって挑戦した海外留学をきっかけに書道家という道を歩み始めた國廣さん。さらに活動の幅を広げるために京都へ移住するなど、その行動力には脱帽です。新しい環境に飛び込むという大切さを実感できました。
また「Hiragana」のアクセサリーを通じ、改めてひらがなの美しさを再認識できたことも大きな学びです。今後、國廣さんがどのような作品を生み出していくのか、その活躍に目が離せません。
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