風鈴の特徴・部品の名前・産地別の種類を徹底解説|日本の夏を彩る伝統工芸品

本記事の制作体制

熊田 貴行

BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。

目次
傘 梅雨

風鈴とは——3つの部品と音が鳴る仕組み

風鈴は、風を受けて音を鳴らすシンプルな構造の小型鐘鈴です。「外見(そとみ)」「舌(ぜつ)」「短冊」という3つの部品で成り立っており、それぞれが連動して音を生み出します。

  • 外見(そとみ):風鈴の本体にあたるお椀状のパーツ。ガラス・鉄・陶器・真鍮・砂張など素材はさまざまで、形も丸いものから釣鐘型まで産地によって異なります。
  • 舌(ぜつ):外見の内側に紐で吊り下げられた振り子状のパーツ。「振り管(くだ)」とも呼ばれます。外見の口に見立てた本体の中心で音を出す部品を「舌」と名づけたとされており、人体の口の中にある舌と同じ字を使います。
  • 短冊:舌の先端に取り付けられた細長い紙または板。風を効率よく受け止める役割を果たし、短冊が揺れることで舌が外見の縁に当たり音が生まれます。

音が鳴るまでの流れは「短冊が風を受ける→舌が揺れる→舌が外見の縁に当たる→音が鳴る」という順序です。このシンプルな仕掛けでありながら、素材の組み合わせや外見の形・厚みによって音色がまったく変わるのが、風鈴が奥深い理由です。

風鈴の歴史——占いの道具から夏の風物詩へ

今では夏の涼を告げる音として親しまれる風鈴ですが、その起源をたどると中国の占いに行き着きます。

風鈴の歴史を示すイメージ
中国・唐時代 竹林の東西南北に青銅製の「風鐸(ふうたく)」を吊るし、風の向きや音の鳴り方で吉凶を占う「占風鐸(せんふうたく)」として使用。政治判断にも用いられたとされる。
日本・奈良時代 遣唐使によって仏教文化とともに風鐸が伝来。主に寺院の軒下で魔除けとして設置される。
日本・平安〜鎌倉時代 貴族も魔除けとして風鐸を軒先に吊るすようになる。このころから「風鈴」という呼び名が使われ始める。
日本・江戸時代 伝わるところでは、享保年間(1716〜36年)に長崎のガラス職人が大坂・京・江戸を巡業し「ビードロ風鈴」作りを披露したとされる(江戸時代の風俗を記した『嬉遊笑覧』にも当時の風鈴の流行が記されている)。ガラス製の風鈴が登場したが、当初は庶民には到底手の届かない高級品だった。
江戸後期〜現代 ガラス製品の価格が下がり庶民に普及。鈴虫の鳴き声を楽しむ文化と結びつき、「風鈴の音が夏らしくて粋」という感性が根づく。魔除けから涼感を楽しむ夏の風物詩へと変化した。

量産技術の発達によって高価だったガラス風鈴が手の届く日用品になり、夏の音風景として定着していきました。

記事で紹介した逸品をBECOSで

作り手の技が光る本物を、実物写真と送料込みでご覧いただけます。気になる品はそのまま購入できます。

風鈴の種類:吊るし型と置き型の違い

風鈴の各部位の名称図解

軒先や窓際に飾る「吊るし型」

外見・舌・短冊の3部品で構成される最もスタンダードな形。ガラス製・金属製・陶器製など素材が豊富で、音の好みや産地で選ぶ楽しさがあります。

吊るし型風鈴

集合住宅でも使える「置き型」

台座と一体になったスタンド型の風鈴は、室内に置くだけで使えるため、マンションや近隣への音の配慮が気になる場合にも向いています。風のないときでも棚に置くだけで夏の情景が生まれ、季節を問わず飾れるのも実用的な点です。

置き型風鈴

産地と素材で変わる、風鈴の音と顔

日本の風鈴は産地によって素材・製法・音色が大きく異なります。「どんな音が好きか」を軸に産地を選ぶと、自分に合う一本にたどり着きやすくなります。

【東京都】江戸風鈴——宙吹きで作られる、世界に一つの音

ガラス製の風鈴の中でも特別な位置づけにあるのが江戸風鈴です。東京・江戸川区にある「篠原江戸風鈴本舗」と「篠原まるよし風鈴」の2店だけが「江戸風鈴」の名を名乗ることができます。

最大の特徴は、型を使わない「宙吹き」という製法。ガラス職人が息の力だけで形を整えるため、同じ形や音色のものは二つとして存在しません。縁をあえてギザギザに仕上げることで生まれる、ガラスが軽くこすれるような「チリチリ」とした音も江戸風鈴ならでは。内側に絵付けを施しているため色柄が褪せにくいのも実用上の強みです。

【岩手県】南部風鈴——「残したい日本の音風景100選」の澄んだ余韻

岩手県で作られる南部鉄器の技術を受け継ぐ鉄製の風鈴です。良質な砂鉄を用いた密度の高い鋳物が素材で、「リーン」と高く澄んだ音が長く空間に残ります。その音色は環境省「残したい日本の音風景100選」に「南部鉄器の音(岩手県水沢)」として選ばれており、水沢駅では夏になると多数の南部風鈴が軒を彩ります。

金属製でありながら重厚すぎず、余韻が長く尾を引く点が、ガラス製と最も異なる部分です。

【富山県】高岡風鈴——真鍮の澄んだ余韻

富山県高岡市で作られる真鍮(銅と亜鉛の合金)製の風鈴です。「チリリーン」と長く余韻が続く音が特徴で、素材の質感を活かしたすっきりとしたデザインのものが多く、和洋どちらの空間にも違和感なく溶け込みます。

【神奈川県】小田原風鈴——砂張が奏でる、鳴りあがる音

小田原市で製造される砂張(さはり)製の風鈴です。砂張は銅と錫の合金で、加工・鋳造・色上げが難しく、製造できる技術者が限られるため希少性が高い素材です。「真鍮は年ごとに音が悪くなるが、砂張は『鳴りあがる』といって年月とともに音が良くなる」と伝わるほど、音の深まり方が独特です。鐘のように鳴る澄んだ音は、使い込むほど変化していきます。

【兵庫県】明珍火箸風鈴——平安の技が生んだウィンドチャイム

姫路市で作られる伝統工芸品「明珍火箸」を用いた風鈴です。吊り下げられた4本の火箸が中央の振り子と当たり合って音を鳴らす構造で、外見・舌・短冊という通常の風鈴とは仕組みが異なり、海外のウィンドチャイムに近い印象です。余韻の長い澄んだ音は高く評価されており、マイクの音質検査にも使用されるとも伝えられています。また、その音色に魅了された黒澤明監督が映画『赤ひげ』の重要なシーンに登場させたとされています。

【大分県】別府竹風鈴——目でも楽しむ竹細工の清涼感

南部風鈴を大分県別府市産の良質なマダケで編んだ竹籠で包み込んだ風鈴です。竹の繊細な格子越しに鉄の音が響くため、南部風鈴単体とはまた異なる音の表情があります。涼やかな竹細工の佇まいは室内に飾っても絵になり、和の空間はもちろん、シンプルなインテリアの差し色としても映えます。

陶器製の風鈴——有田焼・九谷焼・常滑焼など

佐賀県の有田焼や石川県の九谷焼など、陶磁器の産地からも風鈴が生まれています。高くて小気味よい音色と洗練された絵付けが特徴で、常滑焼は有田焼と比べてやや柔らかな音になるなど、同じ「やきもの」でも産地ごとに音の個性があります。

素材別・音色の比較

素材 代表産地 音色の特徴 こんな人向き
ガラス 江戸風鈴(東京) チリチリ・軽やか 視覚的な絵付けも一緒に楽しみたい人
鉄(南部鉄器) 南部風鈴(岩手) リーン・高く澄んだ余韻 長く響く余韻を好む人
真鍮 高岡風鈴(富山) チリリーン・透明感ある余韻 モダンなインテリアに合わせたい人
砂張(さはり) 小田原風鈴(神奈川) 鐘のように澄んだ音・鳴りあがる 経年変化を楽しみたい人
陶磁器 有田焼・九谷焼ほか 高く小気味よい音 絵付けの美しさを重視する人
竹 別府竹風鈴(大分) 鉄の音を竹越しに聴く柔らかな響き 視覚と聴覚を同時に楽しみたい人

BECOSで選ぶ、室内にも飾れる佐波理の風鈴

BECOSでは、京都の南條工房が手がける「LinNe Chibi」シリーズを取り扱っています。素材は佐波理(さはり)——銅と錫を合わせた合金で、正倉院宝物にも用いられた歴史を持ちます。その音色は空間に静かに広がり、余韻が長く続くのが特徴です。

吊るし型の風鈴とは異なり、おりんとしても使えるコンパクトな設計で、室内のどこにでも置けます。近隣への音の配慮が気になる方や、インテリアになじむ形で佐波理の音を日常に取り入れたい方に向いています。相生結び・二重叶結びという和の結び紐も付属しており、赤・黒・黄・ピンクの4色展開です。

  • LinNe Chibi(S)相生結び / 各15,950円(税込)
  • LinNe Chibi(M)二重叶結び / 各17,600円(税込)
PICK UP
【風鈴】 静かな音の鬼瓦 | 三州鬼瓦
【風鈴】 静かな音の鬼瓦 | 三州鬼瓦
家を守る「鬼瓦」の風鈴!

人気の鬼瓦シリーズです!

古くから人々の幸せを願って屋根上で見守ってきた鬼瓦を現代風にアレンジ。

飾りとしてだけでなく、もともと災難を遠ざける意味のある風鈴と合体したお守りにもなります。

鬼師がひとつひとつ手仕上げした鬼瓦で鉄製の風鈴を包んであり、優しい音が鳴るのでマンションでも大丈夫。

マンション等での騒音問題を考慮し、音は風の強い日でもほのかに鳴る程度にしてあります。

プレゼントや夏の贈り物に最適です。

小さいけれど、存在感バッチリのユーモアあふれる商品です!

風鈴の音を体験できる場所——風鈴祭り

全国各地の寺社では夏になると「風鈴祭り」が開催されます。数百から数万個の風鈴が同時に鳴り響く景色は、産地や素材の違いを聴き比べる絶好の機会でもあります。

【東京都】西新井大師 風鈴祭り

7〜8月に開催。ガラス・陶器・竹細工・瑠璃など全国から集めた様々な素材の風鈴が展示販売されます。絵付け体験や地元太鼓演舞なども行われ、子どもや風鈴初心者でも楽しめる間口の広いイベントです。

西新井大師公式サイト

【神奈川県】川崎大師 風鈴市

毎年7月に約1週間開催。全国から集めた約900種類・3万個もの風鈴が境内を埋め尽くします。開催期間が短い分、訪れるなら早めの確認を。

この記事で紹介したおすすめ商品

BECOSが厳選した逸品です。用途や贈る相手に合わせてお選びください。

正倉院ゆかりの佐波理が奏でる赤い風鈴おりん

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 赤

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 赤
¥15,950

古くは正倉院宝物にも用いられた銅と錫の合金「佐波理」を使用した、京都・南條工房の風鈴おりん。澄み渡る音色と長い余韻が空間を包む、世界に一つの一品です。正絹の組み紐で結ばれた「相生結び」が、赤の彩りとともに贈り物としても映えます。

BECOSで見る →

凛とした黒が際立つ、佐波理製風鈴おりん

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 黒

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 黒
¥15,950

京都・南條工房が手がける佐波理製の風鈴おりん。正絹の組み紐による「相生結び」を黒で仕上げた、落ち着きある一品です。佐波理特有の澄んだ音色と長い余韻は、日常のひとときに静けさと上質感を添えます。インテリアとしても品格のある贈り物にも。

BECOSで見る →

明るい黄色の相生結びが華やぐ佐波理の風鈴

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 黄

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び 黄
¥15,950

正倉院宝物にも使われた由緒ある合金・佐波理を素材に、京都の南條工房が丁寧に仕上げた風鈴おりん。黄色の正絹組み紐で結ばれた「相生結び」が明るい印象を与えます。澄んだ音色と豊かな余韻は、自分用はもちろん、お祝いの贈り物にもふさわしい一品です。

BECOSで見る →

可憐なピンクの相生結びを纏う佐波理の風鈴

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び ピンク

【おりん】LinNe Chibi (S) 相生結び ピンク
¥15,950

京都・南條工房が佐波理から生み出した、世界に一つの風鈴おりん。ピンクの正絹組み紐による「相生結び」が可愛らしく、お祝いや贈り物にも喜ばれます。銅と錫の合金ならではの凛と澄んだ音色と長い余韻が、日々の暮らしに穏やかな彩りを添えてくれます。

BECOSで見る →

願いを叶える結びと佐波理の音色、赤のMサイズ

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 赤

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 赤
¥17,600

京都・南條工房の佐波理製風鈴おりんMサイズ。Sサイズより大きく(φ3.0cm)、より豊かな音量と余韻が楽しめます。正絹の「二重叶結び」を赤で仕上げており、願いごとを込めた贈り物や、夏のインテリアとして特別感を演出したい方におすすめの一品です。

BECOSで見る →

シックな黒の叶結びと、余韻豊かな佐波理の音

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 黒

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 黒
¥17,600

南條工房が京都で作る佐波理の風鈴おりんMサイズ。黒の正絹組み紐で結ばれた「二重叶結び」は、格調高い印象を与えます。銅と錫の合金・佐波理が生み出す澄んだ響きと長い余韻は、落ち着いた空間づくりを好む方や、こだわりの贈り物を探している方に最適です。

BECOSで見る →

黄色の叶結びが映える、MサイズLinNeの佐波理風鈴

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 黄

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び 黄
¥17,600

京都・南條工房が手がけるLinNe Chibi Mサイズの風鈴おりん。正絹の黄色い「二重叶結び」が明るく華やかな印象を添えます。正倉院宝物にも使われた佐波理ならではの澄んだ音色と豊かな余韻は、夏の室内に清涼感をもたらし、自分用・贈り物どちらにも喜ばれます。

BECOSで見る →

ピンクの叶結びと佐波理の音色が贈り物に映えるM

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び ピンク

【おりん】LinNe Chibi (M) 二重叶結び ピンク
¥17,600

南條工房のLinNe Chibi Mサイズ、ピンクの正絹「二重叶結び」が愛らしい風鈴おりんです。Sより一回り大きく、音のボリュームと余韻がより充実。古来より良音の素材として知られる佐波理の澄んだ響きは、大切な方へのお祝いや記念品としてもひときわ心に残る贈り物となります。

BECOSで見る →



よくある質問

風鈴の「振り子」の部分の名前は何ですか?
振り子のように揺れて音を鳴らすパーツは「舌(ぜつ)」と呼ばれます。「振り管(くだ)」とも呼ばれます。外見(本体)の口に見立てた内側で音を出す部品を、人体の口の中にある「舌」になぞらえた名称です。
風鈴の3つの部品の名前を教えてください。
風鈴は「外見(そとみ)」「舌(ぜつ)」「短冊」の3つで構成されます。外見は本体のお椀状部分、舌は内側にぶら下がる振り子状部品、短冊は舌の先に付いた風受けの細長い紙または板です。
江戸風鈴と南部風鈴の違いは何ですか?
江戸風鈴はガラス製で型を使わない「宙吹き」という製法で作られ、「チリチリ」と軽やかな音が特徴です。南部風鈴は岩手県の南部鉄器を用いた鉄製で、「リーン」と高く澄んだ音が長く余韻として残ります。南部風鈴の音は環境省「残したい日本の音風景100選」に「南部鉄器の音(岩手県水沢)」として選ばれています。
「江戸風鈴」と名乗れるのはどこの工房ですか?
東京・江戸川区にある「篠原江戸風鈴本舗」と「篠原まるよし風鈴」の2店のみが「江戸風鈴」の名称を使用できます。
近隣への音が気になる場合、どんな風鈴を選べばよいですか?
台座と一体になった「置き型風鈴」を室内で使うか、おりん型のコンパクトな佐波理製品(例:南條工房のLinNe Chibi)を室内に置く方法があります。いずれも外への音漏れが少なく、室内のインテリアとしても機能します。

まとめ:風鈴を選ぶなら「音・素材・産地」を軸に

風鈴の音は、外見・舌・短冊という3つの部品と素材の組み合わせによって決まります。軽やかな江戸風鈴のガラス音、長い余韻を残す南部風鈴の鉄音、年とともに深まる小田原風鈴の砂張音——どれが正解ではなく、置く場所と好みの音で選ぶものです。

室内で佐波理の澄んだ余韻を楽しみたい方には、BECOSの南條工房「LinNe Chibi」シリーズが選択肢の一つです。産地の風鈴を直接手に取って選びたい方には、川崎大師や西新井大師の風鈴祭りも参考になります。


ギフトランキング

\ BECOS編集部が厳選 /

伝統工芸品おすすめランキング発表

\ BECOS編集部が厳選 /

伝統工芸品おすすめ
ランキング発表

ギフトランキング

\ BECOS編集部が厳選 /

伝統工芸品おすすめランキング発表

\ BECOS編集部が厳選 /

伝統工芸品おすすめ
ランキング発表

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次