【完全解説】屏風の意味や衝立との違い、数え方

BECOS代表
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最近は、屏風がある家も珍しくなってきました。和装の結婚式くらいでしか見かけなくなってきてしまいましたが、屏風には長い歴史や独特の文化があります。今回は、新潟の創業100年を超える屏風や和家具のメーカー「大湊文吉商店」の代表に屏風について教えていただきたいと思います!

日本の歴史的な室内装飾である屏風。そこに描かれた絵を楽しむのはもちろん、風よけや視線の遮りといった実用的な役割も持っています。

とはいえ、屏風は現代では使う機会があまりないインテリアなので、日本の伝統とはいえ知っていることが少ないという人も多いものです。ここでは屏風の基礎知識や歴史についても紹介していただこうと思いますのでよろしくお願いします。

大湊文吉商店
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最近では、屏風を見かけることが少なくなりましたが、屏風は非常に長い歴史のある日本の文化です。少しでも屏風についての知識を深めていただければと思いますので、よろしくお願いします。

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そもそも、屏風とは何?

そもそも屏風とは、部屋を仕切ったり装飾したりするために使う家具のことを言います。名前の由来は「風を屏(ふさ)ぐ」という言葉にあり、文字通り風よけのための道具だったのです。

屏風の特徴は何といっても折りたためるという点でしょう。木の枠に紙や布が張られており、これが繋がっているため折りたたむことができるのです。

昔は紐などで繋げていたのですが、室町時代に蝶番(ちょうつがい)が発明されたことで、現代にも伝わる屏風の形が完成しました。

金具を使わない蝶番の技術

屏風の歴史は古く、古代中国の漢の時代には既に存在していたと言われています。

※中国の屏風は現代の衝立(ついたて)のようなもので日本の屏風とルーツが違うという説もあります。

日本における最も古い屏風は、686年に当時の朝鮮半島にあった国家新羅から献上されたものだと伝えられています。

実用的な役割を持っている屏風ですが、古代の時点で既に絵が描かれており、装飾としての役割も担ってきました。

特に安土桃山時代の城郭には必ずといっていいほど屏風が置かれており、その芸術的地位を固めていったのです。また、美しい日本の屏風は貿易を通じて海外にも伝わりました。

輸出されるのはもちろん、現地でその土地の芸術をはめ込んだ屏風絵が作成されることもありました。

大湊文吉商店
大湊文吉商店代表

現代では個人の住宅で使われることは減ったものの、近世邦楽の演奏会や、日本舞踊や歌舞伎の舞台などで活躍しています。また、書道家やアーティストの方からの依頼で即興でアートをする際に屏風を使いたいといった依頼も最近は増えてきました。

BECOS代表
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時代に合わせて使い方が変化してきているのですね。

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金屏風の意味

ひな人形の後ろや、結婚披露宴の高砂席、芸能人などの結婚会見のバックに立ててある金色の屏風が金屏風です。

金屏風は、以下のような意味を込めて使われます。

  • ひなまつり:女の子の人生が金色に光輝きますように
  • 端午の節句:男の子の人生が金色に光り輝きますように
  • 結婚式:二人の人生が金色に光り輝きますように

六曲や八曲に折れるようにつくられているので金色の光が乱反射し、ひな人形や節句人形が美しく引き立ちます。金屏風の前に立つ人も同様です。

そんな金屏風が最初につくられたのは室町時代と言われ、絵柄だけの屏風よりも華やかなので大人気に。

江戸時代になると、さまざまな儀式や節句などのおめでたい席で使われるようになりました。

屏風の数え方は?

屏風の数え方は少々特殊です。

まず屏風は一隻(いっせき)、二隻(にせき)と数えます。これが屏風の一単位です。

屏風は数枚の画面が繋ぎ合わさってできていますが、この画面一つを扇と言います。画面が二枚のものを二曲屏風と言い、枚数に合わせて四曲屏風、六曲屏風と呼びます。

屏風の中には二組で一つの作品になっているものがあります。二隻一組の屏風は一双(いっそう)で数えます。

大湊文吉商店
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対になった屏風の片方だけを数える時は半双という呼び方をすることもあります。

四曲

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六曲一双とは?

 

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BECOS代表
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屏風の定番には「六曲一双」というものがあります。これは一体どういう意味なのでしょうか。

大湊文吉商店
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六曲一双とは、「六扇(六面)で構成された屏風」が「一双(一組)になっているもの」のことです。

六扇で構成された屏風を六曲屏風と呼び、これが左右で対になっているものが六曲一双ということになります。

六曲一双が屏風の定型となったのは14世紀前半と言われています。全12枚の面が織りなす大画面は、圧倒的な迫力と魅力を誇ります。

日本で一番有名な屏風は?

日本で最も有名な屏風絵の一つが「風神雷神図屏風」です。

京都の建仁寺が所蔵しており、国宝にも指定されています。正面向って左が雷神、右が風神です。

二曲一双の画面から織りなされる迫力のある二柱の神の姿は、日本人であればどこかで目にしたことがあるでしょう。

風神雷神図屏風を描いたのは、17世紀の江戸時代に生きた画家俵屋宗達。この屏風には宗達の落款や印章はないものの、彼の手によって描かれたものであることが確実視されています。

作者である俵屋宗達に加え、尾形光琳、酒井抱一という3人の画家を総称して「琳派」と呼びます。

3人とも風神と雷神が描かれた作品を制作しました。しかしこの3人、師弟関係はおろか生きた時代すら違うのです。

宗達が描いた風神雷神図屏風に憧れを抱いた光琳が、宗達の生きた時代から100年後にこれを模写しました。その更に100年後には抱一も模写。

大湊文吉商店
大湊文吉商店代表

この模写によって技が受け継がれ、後の美術界が3人を琳派と呼ぶようになったのです。最近だと東京オリンピック・パラリンピックの記念硬貨のモチーフにも選ばれ更に注目が集まっています。

BECOS代表
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非常に迫力のある絵で現代人の私から見てもかっこいいですね!

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屏風の修理はどうすればいい?

BECOS代表
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自宅にある屏風が壊れてしまった。そんなときはどうしたらいいのでしょうか。

大湊文吉商店
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屏風の修復はかなり大掛かりです。枠は大きくて軽い木で作られているので、素人が無理に扱うと折れてしまったりずれてしまう可能性もあります。無理に手を出さず、修理を受けてくれる表具店などに依頼するのがおすすめです。弊社に送っていただければ、他で製造されたものでも修理可能です。

当然ですが、壊れ方はそれぞれ異なります。傷みや汚れの付き方も様々ですし、そもそも屏風に使われている材料も異なっています。

材料を見極め適切な修復を行うには、やはり専門的な知識や特別な道具が必要になるのです。

屏風祭りとは?

 

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屏風祭とは、京都で行われているお祭のことです。

京都市東山区では、七月一日から一ヶ月に渡って祇園祭が行われます。屏風祭はこの一環で、主に宵山の時期(前祭は14日~16日、後祭は21日~23日)に行われます。

山鉾町にある旧家や老舗が、所蔵している美術品や調度品を飾り、祭を見物に来た人々は通りからその豪華な品々を見物することができます。

屏風を飾る家が多いことから屏風祭と呼ばれていますが、絵画や工芸品を飾る家も多いです。

着物産業の衰退と共に、屏風祭を行う家も減少傾向にあります。しかし祇園を支えてきた京都町衆の暮らしぶりや、受け継がれてきた文化を垣間見ることができる、「静の美術館」として人々の目を楽しませています。

大湊文吉商店
大湊文吉商店代表

屏風祭は祇園祭の公式行事ではなく、個人の家や会社が個別に行っているものです。開催のタイミングを調べておくのはもちろんですが、見物の際は迷惑にならないよう気を付ける必要があります。

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衝立(ついたて)と屏風の違い

屏風と同じく間仕切りのための家具としては、他に衝立(ついたて)があります。両者の違いは「折りたためるか否か」という点にあります。

衝立

 

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衝立は「衝立障子」の略です。襖障子や板障子などに台脚が取り付けてあり、その台脚によって自立することができます。

対して屏風には台脚が付いていません。それぞれの面がジグザグになることで、屏風は自立することができるのです。

最近では間仕切りの役目をする家具をまとめて衝立と呼ぶことも多いですが、違いに着目してみるのも面白いでしょう。

大湊文吉商店
大湊文吉商店代表

購入を考えているなら、描かれた装飾だけではなく、その家具の持つ特徴について把握しておくのがおすすめです。屏風は折りたたむことができるため、部屋の大きさや置きたい場所に合わせて融通が利きます。

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屏風の立て方

大湊文吉商店
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屏風は完全に折りたたんだ状態や、板状になるまで広げきった状態では倒れやすく、ある程度余裕を持たせて開くことで一番安定した状態になります。

板状になっている屏風は、広げ始めるタイミングが一番倒れやすくなるため、それを防ぐために広げる順序があります。

1 まず真ん中を広げます。

端から広げようとすると不安定になってしまいますが、最初に真ん中を広げることですぐに全体を安定させることができるのです。

2 次に右側左側を順番に開いていきます。

こうすることで、屏風を傷つけることなく安全に広げることができますので覚えておいてくださいね。

江戸時代にはこの屏風の広げる順番を計算に入れた上で構図を決めた画家もいると言われています。

屏風を安定させるために生じる凹凸面は、時に屏風絵の鑑賞に邪魔だと思われますが、実はこの凹凸面を計算に入れた上で屏風絵を描いた画家も存在します。

単なる平面的な紙ではなく、屏風という立体的なものに描かれたからこそ生まれた構図や絵もあるのです。

さまざまな屏風を楽しもう

大湊文吉商店
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時に実用品として、時に観賞用として、日本の人々の生活に寄り添ってきたのが屏風です。近年ではアートとしての側面がクローズアップされています。日本画家だけではなく、色々なジャンルのアーティストの方から製作のご依頼をいただいております。オリジナルの屏風を作成したい、イベントに屏風を使いたいなどのご要望がございましたら、お気軽にご連絡ください。

BECOS代表
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ちなみにどんなオリジナル屏風を制作しているのですか?

大湊文吉商店
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ご依頼をいただく方によって、用途は様々なのですが一例を紹介させていただきます。

「燕三条 工場の祭典」の期間中、JR燕三条駅の改札付近に展示

長岡造形大学の学生たちのデザインによる6尺6曲のオリジナル屏風を制作しました。学生ならではの若い感性とピンストライプのマスキングテープが特徴的で多くの人の関心を集めることができました。

ロンドンのJAPAN HOUSE

日本文化への関心が高まる欧州の拠点として、ロンドンの目抜き通り、ケンジントンストリートに誕生したジャパン・ハウス ロンドンに屏風が特別展示されました。

着物の生地を屏風に

思い出の着物を屏風にして、いつも眺めていられるようにとのオーダーをいただきました。

BECOS代表
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大湊さんありがとうございました!基本的な知識を身に付けていると、これまでとは違うことに気付くことができますね。成り立ちや歴史を知りながら、屏風の持つ魅力に触れる機会が増えるといいなと思います!BECOSでは、大湊文吉商店さんが手掛けるウルトラマンを題材にしたモダンな屏風を取り扱っております。また、オリジナル屏風のオーダーも承っておりますのでお気軽にご連絡ください。

オリジナル屏風の制作については、ご相談をお受けして別途個別にお見積りをさせていただいております。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

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