本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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着物や和風の小物・インテリアでよく目にする「和柄」。「市松文様」や「矢絣」などの名は、だれでも耳にしたことがあると思います。
日本で古くから使われてきたこれらの文様には、それぞれ日本の文化や歴史、風土などを反映した興味深い由来や、幸運の願いを込めて使われてきた意味があります。
今回は、数えきれないほど存在する「和柄」の中から、特に有名でよく使われるもの、また縁起の良いものを47種類選び、意味や由来、ふさわしいお祝いシーンについて解説しました。
大切な人へのプレゼントを探すとき、文様の意味や背景を理解していれば、より気持ちのこもった、相手の人生のシーンにぴったりのアイテムを選ぶことができるはずです。
「和柄」の由来や意味を知り、その素晴らしいデザインだけでなく、先人から伝えられてきた日本文化の粋、幸運への願いを、私たちの暮らしにも取り入れてみませんか?
縁起の良い宝物が集まったこの文様は、室町時代から用いられているものです。「開運招福」「富貴繁栄」を意味します。
打出の小槌(こづち)、隠れ蓑(かくれみの)、宝剣、法螺(ほら)、如意宝珠(にょいほうじゅ)などが代表的に描かれますが、種類は地方などによって異なります。
「尽くし」と付く文様名は他にも「貝尽くし」などがあり、同じ分野の異なるモチーフが集められたときに用いられます。
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あでやかな大輪の花が見事な「牡丹」は、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」のように、昔から美人の姿に例えられたり、「百花の王」「富貴の花」と呼ばれて愛されてきました。
奈良時代に中国から薬用として入ってきた「牡丹」は、「富貴・幸福・高貴」などの意味とともに、「不老長寿」の意味も表します。
また、他の文様と組み合わされることも多く、よく見られるものとして唐草牡丹、蝶牡丹、蟹牡丹、そして「百獣の王」と「百花の王」のおめでたい組み合わせとして唐獅子牡丹などがあります。
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亀甲文様を三つつなげた形のこの文様は、仏教の四天王、また七福神の一神として有名な、「毘沙門天(びしゃもんてん)」の甲冑に用いられることから、「毘沙門亀甲」と呼ばれています。毘沙門天はもともとインドで、金運・福徳をもたらす神として信仰されていました。
また仏教では、勝利をもたらす戦いの神とされ、無病息災のご利益もあるといわれます。亀甲文様の意味とも合わせて、「毘沙門亀甲」は「開運」「商売繁盛」「金運」「長寿」「厄除け」などさまざまな幸運をもたらす非常に縁起の良い文様となっています。
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雪の結晶をモチーフにしたこの可憐な文様は、6つのくぼみのある円形という形で表されています。
雪は昔から、その年の豊作を約束する吉祥とされたため、「雪輪」文様は「豊作」や「豊かさ」という意味で使われます。「雪輪」の中に、鶴亀や植物など、他の縁起のよい文様が描かれることもあります。
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分銅とは、天秤(てんびん)で重さを量るときに使われるおもりのことです。その分銅を連ねた文様が「分銅つなぎ」です。円形の真ん中をくぼませた形の分銅が連なった様子は、波型の格子文様にも見えます。
通常は鉄などで作られる分銅ですが、豊臣秀吉、徳川家康などの権力者が、万一の備えとして金や銀を分銅の形に鋳造して貯蓄していたことから、「富の象徴」と考えられました。縁起の良さから、宝尽くし文様に用いられることもあります。
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「七宝つなぎ」は、同じ大きさの円の円周を4分の1ずつ重ねて連続させることで構成された文様です。多くの輪が四方に広がることから、「しほう」→「しっぽう」となまって「七宝」の字が当てられたといわれています。
「七宝」は仏教で金、銀、珊瑚、硨磲(しゃこ)、水晶、瑪瑙(めのう)、瑠璃(るり)の7つの宝を指す言葉です。絶えることのない永遠の連鎖と拡大を表現することで、「繁栄」「円満」「調和」など、人間関係の豊かさを願う意味があります。
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半円を三重に連続させて波を表現するのが「青海波」です。発祥はササン朝ペルシャとされていますが、名前の由来は雅楽の演目「青海波」とされています。
「青海波」を舞う人はこの文様の衣装を身につけるものとされており、「源氏物語」にも光源氏が青海波を舞う場面があります。終わりなく続いていく波模様には未来永劫への願いが込められているため、結婚祝いにもおすすめです。
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「矢絣」は、矢の上部につける鳥の羽を表した文様です。まっすぐ進み、的を射る矢は古くから縁起物として用いられてきました。江戸時代以降は射た矢が戻ってこないことから「出戻らないように」という意味も込めて、矢絣の柄の着物を花嫁に持たせることもありました。
1970年代後半に大流行した少女漫画「はいからさんが通る」の主人公が着ていたことをきっかけに、矢絣の着物と海老茶色の袴の組み合わせは長く卒業式で定番の組み合わせとなっています。
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川や海など、水辺でよく見かけられる「千鳥」。かわいらしいその姿を文様にした「千鳥」文様は、古くから愛され、和歌にも登場したり、塗物や調度品、衣類にも使われてきました。
「千鳥」は「千取る」の意味で、「勝利」や「豊かさ」を表します。また、水辺の鳥ということで、水に関する文様と組み合わされることも多く、特に「波に千鳥」は、困難を避けて飛ぶ、という意味で縁起がよく、「夫婦円満」や「家内安全」の意味があります。
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「鶴」文様は亀と並んで、代表的な吉祥文様です。1000年生きるとされる鶴は、「長寿」の象徴であり、またその白く美しい姿から、縁起の良い文様として広く人々に愛されてきました。
お宮参りから七五三、結婚式まで、お祝いのシーンで幅広く用いられている「鶴」文様は、鳥の中でも一番バリエーションが多い文様で、向い鶴、松喰鶴、折り鶴、立ち鶴、鶴亀など、さまざまな姿で描かれています。
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優雅な末広がりの形を持つ扇がモチーフの「扇」文様は、その形から「開運」や「繁栄」を表すものとして用いられてきました。
平安貴族も愛した扇は、仰ぐという所作が福を招き邪を払うとして、田楽、神楽、能などの芸能にも欠かせないものになっています。
「扇」文様の扇は、開いた形、閉じた形、半開きなどさまざまで、扇の中には草花や吉祥文様などが描かれます。流水と扇を組み合わせた「扇流し」、扇に貼る紙をモチーフにした「地紙」など、優雅で美しいバリエーションが豊富にあります。
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「ふみ」文様は、手紙を折りたたんでひと結びした結び文を表した、日本独自の文様です。
結び文は平安貴族の恋文として使われていたことから、「子孫繁栄」や「縁結び」を表します。江戸時代には着物の柄としても取り入れられるようになりました。
現代ではおみくじで見られるように、「結ぶ」ということには、自分の願いや思いが結ばれるようにという意味が込められています。
ブローチ 結び文
「朝顔」は、平安時代に薬用として中国から伝わりました。朝にしか咲かないため「はかなさ」を表す一方、しっかり絡みつくツルがあることから「固い絆」も表します。
さらに「朝顔」は中国で、七夕の彦星を表す牽牛(けんぎゅう)にちなんで牽牛花と呼ばれています。このことから日本では、江戸時代から「朝顔」を縁起の良い花としてきました。
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「松葉散らし」は、二股の松葉が散りばめられた文様です。2つの葉が離れずにつながっていることから、縁が切れないことを表し、「夫婦円満」などを意味します。
江戸幕府5代将軍徳川綱吉の定め小紋でもあり、家紋などにも多く用いられています。通年使用可能なので、結婚祝いにおすすめです。
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「蜀江」とは八角形と四角形が連続した文様で、その名は中国の三国時代、蜀の国の首都・成都を流れていた川・蜀江に由来します。
蜀江の周辺地域で生産される豪華な絹織り物は有名で、「蜀江錦」と呼ばれていました。蜀江錦の典型的なパターンが八角形と四角形であったため、その織柄を「蜀江」と呼ぶようになりました。
四角形や八角形の中に蓮の花や鳳凰、龍などの吉祥模様が配置される「蜀江」文様は、おめでたく格式高い文様として、帯や能装束、茶道の袱紗などに用いられています。
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「網目」文様は、漁師の使う網の網目を模した文様です。しっかり編まれた「強固な結びつき」、またたくさんの魚を捕らえるということで「一網打尽」「幸福を捕らえる」などの意味があります。
「網目」文様は縄文時代の土器にもすでに見られ、江戸時代でもリズムのある粋な柄として、衣類や陶器の他、灯篭(とうろう)や刀の鍔(つば)など、様々な装飾に用いられていました。
また中国では、「魚」が「福」と同じ発音であること、たくさん卵を産むため「子孫繁栄」を表すことから、縁起の良いものとされており、その魚を捕らえる「網目」もおめでたいものとして、古くから器などに描かれていたそうです。
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「麻の葉」は、六角形を規則的に繰り返して配置することで麻の葉の形を模した文様です。
麻は生命力が強く、手をかけなくても真っ直ぐ、大きく、早く、育つことから、「健康」や「成長」を意味する文様として、子供の着物や魔除けとしてのお守りに頻繁に施されます。
歌舞伎衣装に用いられたことで大流行したという歴史もあります。
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「鹿の子」文様は、小鹿の背中に見られる白い斑文(はんもん)を表現しています。
お菓子、料理、染織品などさまざまなところで見られる「鹿の子」という名前ですが、絞り染めとして特に有名です。生地を少しずつつまんで糸で縛ってから染料につけ、その後再び糸をほどくという大変な手間がかかるため、「鹿の子」文様の絞り染めは高級品とされています。
贅沢なかわいらしさを持つことから、子供用の着物などに頻繁に見られる文様です。
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「市松」は、2色の違う正方形を交互に並べて構成される文様です。連続する四角形が途切れずに続くことから「繁栄」や「事業の拡大」を意味します。
日本だけでなく、世界中で古くから織柄として存在し、西欧ではチェス盤からチェッカー、チェックなどと呼ばれています。
日本では江戸中期の歌舞伎俳優・佐野川市松がこの文様の袴を愛用していたことをきっかけに、「市松」と呼ばれるようになりました。東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムも「市松」文様を元にしています。
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「鱗」文様は、三角形を交互に並べて連続させた文様です。
古くから三角形には魔除けの力があるとされていたこと、そして生き物の身を守る鱗に似ていることから、「邪気払い」の意味を持っています。鱗を持つ蛇は脱皮を繰り返すことから、「再生」の意味も兼ね備えます。
世界各地に見られる文様ですが、日本では古墳や埴輪の装飾、武士の羽織や能の衣装にも用いられてきました。三角形を3つ合わせた「三つ鱗」は北条家の家紋としても知られています。
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「鮫小紋」は、細かいドットが扇状に並んだ文様で、江戸小紋の一つです。江戸時代の大名は、競って豪華な衣装を身に着けていましたが、やがて奢侈禁止令(しゃしきんしれい)が出たため、高い技術で細かい柄を染める小紋に人気が出ました。
「鮫小紋」は紀州徳川家の大名が用いたもので、当時強靭と信じられていた鮫の皮を模してあり、「魔除け」「厄除け」の意味を持っています。
江戸小紋の中でも、「行儀」「角通し」とならんで三役と呼ばれ、最も格上な文様になります。
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「七宝」とは仏教における七つの宝を表す言葉です。
七宝文様は多くの輪がつながった文様のことで、四方(しほう)に広がる様子から「七宝」の字があてられたと言われています。
こちらの商品はオーガニックコットン生地の前掛けに、七宝柄の吉祥文様が刻まれたボタンをあしらったもの。
子どもが遼遠に恵まれて成長するようにと願いを込めて作られています。
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【スタイ】長崎県から 波佐見焼の 前掛け | “0歳からの伝統ブランドaeru”
「熨斗(のし)」はのし袋でもお馴染みですが、もとは鮑(あわび)の肉を薄く剥いで伸ばした熨斗鮑(のしあわび)のことです。昔はこの熨斗鮑を贈り物や引き出物に添えていたため、熨斗を描いたものは縁起が良いとされています。
熨斗がたくさん束ねられた華やかな「束ね熨斗」文様は、振り袖のデザインなどに多く用いられています。
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「瓢箪(ひょうたん)」はウリ科の植物で、末広がりの形をしていることから、古来より縁起の良いものとされてきました。戦国時代には、豊臣秀吉を始め多くの武将が馬印などに用いていました。
「瓢箪」6つで「六瓢(無病)息災」の意味を込めたり、種子の多さから「子孫繁栄」の象徴となるなど、瓢箪には多くのおめでたい意味が詰まっています。
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「翁格子」は、太い格子の中に細い格子を多数組み込ませた文様です。太い格子が翁を意味し、細い格子が孫を意味することから「子孫繁栄」を表し、男性の着物や子供の着物によく用いられてきました。
この柄は歌舞伎の演目『勧進帳』の武蔵坊弁慶の衣装で使用されています。
藤高 フェイスタオル 翁格子
「流水」は、水が流れる様子を線で表現した情緒的な文様です。流れを表現することで、厄を流す「魔除け」、よどみなく流れる水の「清らかさ」、「火除け」などを意味します。
風景や草花を添えて描かれることが多く、中でも渦と水流を並べた「観世水(かんぜすい)」はよく知られています。紗綾形と同じく、不祝儀でも問題なく使用できる伝統文様です。
濱文様
濱文様 流水金魚
「立湧」とは、波のような二本の曲線の間がふくれた形の文様で、水蒸気が立ち昇っていく様子を表します。「運気が上がる」ということで、開運を願うシーンにふさわしい、おめでたい文様です。
「立湧」は、平安時代から貴族が衣装などに用いた「有識文様」の一つで、高貴で格式のある文様になっています。
ふくらんだ部分に他の文様が入ることがあり、雲と組み合わされた「雲立湧」、波と組み合わされた「波立湧」、また竹や藤、菊などの植物と組み合わされたものなどもあります。
【扇子】女持 立湧 金 溜塗 | 江戸扇子|雲錦堂 深津扇子店
「籠目」文様はその名の通り、竹などで編んだ籠の目を表しています。籠の目はよく見ると、三角形を二つ合わせた星の形が連続していますが、この星は「六芒星(ろくぼうせい)」と呼ばれ、陰陽道では「魔除け」「厄除け」の意味を持つとされます。
また、「籠」という字は「竹」と「龍」の二つに分けられるので、「籠目」は龍を封印する神秘的な力を持つとされ、武将たちも好んで衣装に用いたそうです。
「籠目」は流水、カキツバタ、水鳥など、水辺の風景と組み合わされることも多くあります。
【江戸切子】六角籠目 タンブラーペア
古代中国の伝説の鳥・鳳凰は、「桐」に棲み、竹の実を食べるといわれており、良い政治をする君主の世に現れるとされています。そのため日本でも、桐竹鳳凰文様は天皇の衣にのみ使われていました。
やがて、足利尊氏が桐竹鳳凰の一部である「桐」文様を朝廷から賜り、以降、豊臣秀吉や諸大名、やがては庶民の間でも、格が高くおめでたい文様として使われるようになりました。
中央に5つの花、両脇に3つの花がつく「五三の桐」、中央に7つの花、両脇に5つの花がつく「七五の桐」などがあります。
【京からかみ】丸二 千鳥うちわ 影日向小桐
「亀甲」文様の連続した正六角形は、亀の甲羅を表します。長生きする亀がモチーフであることから、「長寿」を表す吉祥文様として、古くから受け継がれてきました。特に平安時代から鎌倉時代に流行し、公家の邸宅の調度品や神秘的なものに使われていました。
六角形の中に花菱を配置した「亀甲花菱」や、亀甲を3つずつ組み合わせてから連鎖させていく「毘沙門(びしゃもん)亀甲」など、アレンジが多くあるのも特徴です。
4号皿揃 亀甲紋花鳥図/青郊窯
「卍(まんじ)」という漢字を変形し連続させると「紗綾形」文様になります。
元々「卍」はヒンドゥー教や仏教で縁起の良い印として用いられる文字ですが、「万」という漢字が「卍」を変形させてできたという説もあるため、大きな数を表す模様が途切れることなく連なることで、「繁栄」や「長寿」が長く続くという意味を持ちます。
中国から伝わった紗綾(さや)という絹織物の地模様に使われていたことが名前の由来となっており、慶弔どちらでも使うことができる文様です。
【京からかみ】丸二 キラレ 紗綾型 (体験キット)
「菱」は、2つの方向に向かう平行線が交わり、菱形を構成することでできた文様です。縄文時代の土器にも使われていた形跡があるなど、歴史が古く、自然に生じた柄ともいわれています。
「菱」の名は、水草の一種であるヒシの葉や実の形に似ていることに由来すると考えられています。ヒシは繁殖力も栄養価も高いため、「菱」文様は主に「無病息災」の意味で用いられます。
「割菱」や「花菱」など、菱形を組み合わせたり、別の要素を足したりしたバリエーションも豊富です。
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「唐草」は、蔓(つる)が絡み合いながら縦横無尽に伸びていく様子を模した文様です。蔓の強い生命力からの連想で、「長寿」や「繁栄」を意味します。世界的に古くから見られる文様で、日本にはシルクロードを経由して伝わってきました。
縁起物にも関わらず、泥棒を象徴する柄として認識されることが多いのは、泥棒が入るどこの家にも必ず唐草の風呂敷があったほど、「唐草」文様が普及していたことを示すといえるでしょう。
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皇室の御紋にもなっている「菊」。日本には奈良時代に、中国から薬草として伝わったとされています。
見た目や色、香りも優れていることから、多くの絵画や工芸品の題材にもなっていますが、文様としては菊の薬効から、「不老不死」「延命長寿」「無病息災」などの意味を持ちます。また、花弁が放射状に広がっていることが太陽に似ていることから、「邪気を払う力」があるとされています。
秋の花ですが、季節を問わず吉祥文様として用いられます。
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「宝相華」とは、想像上の花を描いた優雅な植物文様です。インド起源でエキゾチックな雰囲気の宝相華は、芍薬(しゃくやく)、ザクロ、牡丹などの花の美しい部分を組み合わせたといわれ、唐の時代に中国で流行し、遣唐使により日本にもたらされました。
奈良・平安時代から天皇・貴族に愛用され、正倉院宝物の中でも見られる宝相華は、仏教にも関係が深く、気品があり格式の高い吉祥文様です。
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「四君子」とは、「梅・竹・菊・蘭」の四つの草花があしらわれた文様のことです。中国では君子とは、徳があり、学識があり、また高潔な人格を持つ人を指し、梅・竹・菊・蘭はその君子の風格のある草花とされました。
厳しい冬に花開く強さと気品のある香りを持つ「梅」、一年中緑の葉をつけ真っすぐな気性を表す「竹」、長寿や安定した心を表す「菊」、控えめに野に咲く姿と香りが高貴で善人の象徴とされる「蘭」の四つの草花が含まれた四君子は、幅広いシーンのお祝いにふさわしい文様です。
【花瓶】3玉形 赤透 四君子 | 有線本七宝
「老松」は若松に対して樹齢を重ねた、四季を通して葉を落とさない松です。寒い冬など過酷な環境にも耐えることから、昔は神が宿ると信じられてきました。
「老松」は能の演目や長唄の曲目にも使われていて、古くから日本で親しまれています。また、お正月の門松にも用いられる松は格式が高く、「長寿」「威厳」などの意味を表します。
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「工字つなぎ」は、「工」という字を互い違いにつなげた文様です。連続した模様が「不断長久」の意味を持つことから縁起の良い文様とされ、着物の地紋などに多く用いられています。
「工字つなぎ」文様は、江戸時代の有名な画家・尾形光琳が創始したともいわれています。
カオリヤ フロアマット 工字繋ぎ文様
「竹」や「笹」を描いた文様は、日本で古くから親しまれてきました。真っ直ぐに長く伸びる姿から「長寿」、丈夫なことから「力強さ」を表します。また青々しい幹を持ち、まっすぐに割れ、中が空洞であることから「清らかさ」、新芽がたくさん出るところから「子宝」なども表します。
「竹」も「笹」も、涼しげなイメージで夏限定と思われがちですが、冬でも瑞々しい緑が見られる植物であるため、一年を通して使用可能です。
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「檜垣」は、檜(ひのき)の薄板を網代(あじろ)のように斜めに編んで作った垣根を文様にしたものです。網代とは、魚を捕るために、網の代わりに竹や木を編んで水中に設置する仕掛けのことです。
リズミカルな幾何学模様である「檜垣」文様は、現代でも床の間や天井などによく使われます。菱文に似ていることから、「無病息災」などの意味があります。
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「松皮菱」は、大きな菱の上下に小さな菱が重なった形の文様です。松の皮をはぎとった際の形に似ているために、この名がつきました。
松皮菱には様々なパターンがありますが、新選組の二番隊組長・永倉新八は、家紋に「石持ちに松皮菱(黒い丸の中に松皮菱を白く抜き出したもの)」を使用していたそうです。
松には「長寿」の意味がありますが、特に松皮菱には「厄除け」の意味があり、家紋などに多く用いられています。
合子【松皮菱】(ママレー)
日本を代表する花といえば「桜」。繊細な花びらと、華やかに咲き誇る「桜」の姿に人々は古くから魅了され、衣類や調度品など、さまざまなものに桜のモチーフを用いてきました。
年の始まりである春に咲く「桜」は、「物事の始まりに縁起が良い」文様とされています。また、五穀豊穣を表し、「豊かさ」「繁栄」を象徴するといわれています。
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「若松」は、芽生えたばかりの若い松を文様化したものです。平安時代にあった、「子(ね)の日の遊び」という正月行事(無病息災や長寿を願って、新春初の子の日に若菜や若松を摘む)から生まれた文様といわれています。
青々とした若松の姿は新春のお祝いにふさわしく、また「若さ」や「将来性」「長寿」を象徴するとされ、振袖や袋帯などにもよく使われます。
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正方形の中にさらに小さな正方形が入ったものを、菱形のように斜めにして並べた「釘抜」文様は、色のコントラストのはっきりしたモダンな印象の文様です。
釘を抜くときに、昔はテコといっしょに座金(正方形で真ん中に穴が開いた板)を用いていました。その座金が文様化されたのが「釘抜」文様です。
「苦を抜く」「九城(くき)を抜く」という語呂合わせから、苦しみを取り除き、戦勝を約束するという意味を持ち、庶民から武士にまで幅広く愛されてきた縁起の良い文様です。
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「業平格子」とは、太い線と細い線を組み合わせた菱形の格子文様のことで、内側に十字や花など、ほかの模様が入ることもあります。
平安時代の歌人で『伊勢物語』の主人公ともいわれている、在原業平(ありわらのなりひら)が好んで使用していたことからこの名前がつけられています。江戸時代には歌舞伎役者の歌右衛門が用いて流行したといわれています。
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「秋草」は、秋の七草を中心に、秋に咲く草花を描いた文様です。
秋の七草は、萩、尾花(=すすき)、葛、撫子、女郎花(おみなえし)、藤袴、桔梗(ききょう)です。「秋草」文様には、秋の七草のすべてや一部、また竜胆(りんどう)や菊などを取り合わせて描いたものなどがあります。
「秋草」文様は日本独特の文様で、蒔絵などの工芸品にも多く用いられてきました。季節を先取りして涼しさを感じさせるものとして、夏の着物や小物などに人気があります。
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「三崩し」は、和算で用いられていた計算用具の「算木」を崩した形の文様で、算木崩しなどとも呼ばれていました。
三本ずつ縦横に石畳のように並べた文様で、四本なら四崩し、五本なら五崩しになります。現代でも床や壁紙などに使われています。
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