
毎日使うカップやお皿などの食器を選ぶ際、どのようなポイントを重視していますか?軽さ?薄さ?それとも、色のきれいさ?このすべてを満たす陶器があるとしたら、使ってみたいと思いますよね。
それが、福岡県田川郡の福智町、香春町、大任町で作られている「上野焼」(あがのやき)です。
もともと茶器として生まれた上野焼は、軽量・薄づくり・色彩美という特徴から全国の茶人に親しまれ、遠州七窯のひとつにも数えられたほど。
豊かな色彩をもつ上野焼は、使うだけでなくお部屋のインテリアとしても美しさを発揮します。
そんな、あなたの日常を彩ってくれるような上野焼の商品を、BECOS編集部が厳選しました。
目次
茶器として親しまれ現代に伝わる上野焼
福岡県の伝統工芸品である上野焼。
色彩美や軽量な点が特徴の焼き物ですが、茶器として発展した歴史からそのような特徴が生まれています。
まずは、上野焼の歴史を紐解いてみましょう。
茶器として生まれた上野焼
戦国時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将・細川忠興は、実は茶人としても有名な人物でした。
その細川氏は豊前小倉藩の初代藩主となり、豊前国の上野地域に窯を開かせたのが上野焼の始まり。
「上野古窯」と呼ばれる上野焼初期の窯は、釜の口窯、岩屋高麗釜、皿山本窯の3つで、いずれも田川郡福智町にあります。
江戸時代中期には茶人・小堀遠州好みの茶器を焼く窯として「遠州七窯」のひとつとしても選ばれました。
現代に伝わる上野焼
明治時代初期の廃藩置県の影響により一時は衰退したものの、明治時代後半~昭和時代中期にかけて多くの窯が復興したことで存続し、現在は23の窯元がその伝統を受け継いでいます。
その甲斐あって、1983年(昭和58年)には国の伝統工芸品に指定されました。
現代では、若者向けに開発された「バレンタイン猪口」をはじめとした、上野焼の伝統技法を守りながらも新しい感性を取り入れた作品も多く世に出ています。
上野焼の特徴2つ
上野焼は茶陶として生まれた背景から、軽量・薄作り・色彩美という特徴をもっています。
上野焼の特徴1:軽量・薄作り
茶陶は薄くて軽量のものが多いですが、上野焼もそれに当てはまります。
他の陶器に比べて軽くて持ちやすいため、贈答用としても喜ばれる焼き物です。
上野焼の特徴2:色彩美
豊富な種類の釉薬を使用するため、色とりどりの器を楽しむことができるのも上野焼の特徴。
基本的には絵付けはほとんどせずに釉薬流しのみでデザインされており、釉薬の流れ方やグラデーションなど、一つひとつ違った表情を見られるのが上野焼の楽しみではないでしょうか。
最もポピュラーなのが「緑青(ろくしょう)流し」という技法で、酸化銅を使った緑青釉を使用して鮮やかな青色が流れる器です。
上野焼ならではの色彩美を楽しめる商品5つを紹介
緑青流しをはじめとする色とりどりの作品に出会える上野焼。
そんな上野焼ならではの魅力を存分に味わえる作品を、BECOS編集部が5つ厳選して紹介させていただきます!
【上野焼】コーヒーカップ&ソーサー
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上野焼特有の緑がかった青色が美しいコーヒーカップとソーサーのセットです。
一つひとつ職人が手作りしているので、手仕事ならではの温かみを感じることができる一品。
内容量が1600ccと小ぶりのサイズなので、朝の一杯や食後のコーヒー・紅茶におすすめ。
自分用のお気に入りのカップとして使うのはもちろんですが、来客へのおもてなし用としても使える高級感があります。
【カップ】直径:84mm 長さ:110mm 高さ:64mm 重さ:175g 容量:160cc
【ソーサー】直径:150mm 高さ:30mm 重さ:210g
価格:5,775円(税込)
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【上野焼】掛け分け角小皿ペアセット
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個性的な色と形が印象的な小皿2枚セットは、食事の取り分け用として、ケーキやデザートの小皿として、などさまざまな用途で活躍してくれます。
二種類の釉薬を使用しており、二色のコントラストが魅力的。
また、ただのスクエアではなく縁が上がっている形は、なかなか他で見つけることができませんよ。
そこには4本の足がついているので安定感があります。
お料理が映えるような上品な器です。
サイズ:約13㎝×10㎝
高さ:約4.5㎝
重量:160g
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【上野焼】中村真瑞窯元 菓子器
福智町にある「中村真瑞窯」(なかむらしんずいがま)は、作品作りだけでなく店頭販売や陶芸体験なども行っている上野焼の窯元です。
普段使いしやすい食器類から、インテリアにもなる一輪挿し、上野焼本来の役割である茶陶など幅広く手掛けています。
こちらの菓子皿は23.5㎝の中皿なので、お菓子類だけでなく主菜やパスタなどにも使うことができます。
釉薬が織りなす上野焼特有の色合いが美しく、手作りならではの不均一な歪みや曲線が上品なお皿です。
直径:23.5㎝
高さ:5.1㎝
価格:8,000円
【上野焼】中村真瑞窯元 マグカップ
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先述のお皿と同じ中村真瑞窯で制作された、緑青流しが美しいマグカップ。
上野焼の特徴を存分に味わえる一品ですね。
温かみのある色味とデザインが、ほっと一息つけるようなカップです。
サイズ:8.0 × 11.9 × 11.0 cm
容量:約350cc(口元すり切り)
価格:4,000円
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【上野焼】香春徹山窯 上野鉢
上野焼「香春徹山窯」の現在3代目である山岡徹山氏は、作陶だけでなく茶道にも精通しています。
その3代目が制作した鉢は、釉薬の美しさが映えていて使うほどに味わいが増します。
お茶碗よりも少し大きめのサイズなので、汁椀や丼としても使えそうですね。
直径:20.8cm
高さ:7.5cm
価格:3,500円(税抜)~
まとめ
茶器として親しまれた背景から、軽量で使いやすいという特徴と、見た目の美しさにこだわっている上野焼。
美しい釉薬のグラデーションやコントラストに思わず息を飲んでしまいそうな上野焼は、普段使いだけでなくインテリアとして飾っても素敵!
戸棚にしまっているときにも個性的な存在感を放ってくれるでしょう。
上野焼の美しさを存分に楽しめるお皿やコーヒーカップなどで、日々の食事や友人たちとのティータイムを楽しんでくださいね。