伝統的工芸品産業振興協会としての役割とこれからの伝統工芸

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Journal編集長
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「青山スクエア」をご存じですか?全国の伝統的工芸品が一同に集まり、展示販売されているんですよ!職人さんの実演やワークショップも必見で、私は大好きな場所です。

今回は、「青山スクエア」の運営母体である一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会の丸山さんに、青山スクエアの魅力や役割、また伝統工芸やそれを支える協会のこれからについてお話を伺いました。

青山スクエア

目次

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伝統的工芸品産業振興協会とは

発足の背景~大量消費への反省と伝統工芸の見直し

参考

一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会
日本の伝統的工芸品産業を振興するため、1975年に経済産業省の支援を受けて設立。日本各地には経済産業大臣の指定を受けている「伝統的工芸品」が多数あるが(令和3年1月時点で236品目)、各種事業を通して伝統的工芸品産業の振興を図るとともに、産地と使い手をつなげる「伝統工芸青山スクエア」(東京都港区赤坂8-1-22)を運営している。

Journal編集長
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伝統的工芸品産業振興協会が発足した背景を教えていただけますか?

丸山さん
丸山さん

はい。戦後の高度成長期に入り、急激な経済成長に伴う各種問題が発生してきました。公害問題もそうですし、都市部への人口集中という問題なども出てきました。

丸山さん
丸山さん

生活用品についても、大量生産の発想、すなわち安価で数多く作り、使い捨てるというのが主流となる中で、「これでいいのか」という動きが沸き上がってきました。

Journal編集長
Journal編集長

経済発展重視の動きから、失ってはならないものを見直そう、という動きが出てきたのですね。

丸山さん
丸山さん

その通りです。日本にはもともと、ものを大事にする文化があった。また、代々伝えられてきた伝統工芸を大切にしてきた。そのようなことから、大量消費文化に歯止めをかけるためにも、伝統工芸を盛り立てていこう、という動きが出てきたのです。

白地に赤や黄の花模様の帯の写真

Journal編集長
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確かに、手作りで一つずつ作り出され、大事に使っていく伝統工芸品は、大量消費文化の対極にあると言えますね。

丸山さん
丸山さん

そこで改めて産地に目を向けると、大量生産の影響で、非常に厳しい状況であることがわかりました。後継者は見つからない、伝統工芸品の原材料も不足しているという状況から、多くの人が「このままではまずい。伝統工芸がなくなってしまう」と危機感を持ったわけです。

Journal編集長
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改めて伝統工芸の価値に気付いたのですね。

丸山さん
丸山さん

そこで、国会議員の発案により、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」(伝産法)が、昭和49年(1974年)に与野党一致で可決されました。

参考

伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)
昭和49年(1974年)5月に公布。一定の地域で主に伝統的な手法で作成される工芸品が、経済産業大臣に「伝統的工芸品」に指定されると、指定を受けた産地では国や地方自治体の助成を受けることができ、それにより産地全体の産業振興や地域の経済発展を目指すもの。

丸山さん
丸山さん

その中に、「伝統的工芸品産業を振興するために、伝統的工芸品産業振興協会を設置することができる」という内容の一文があり、翌年1975年に、本協会が設立されました。

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伝産協会の活動内容

Journal編集長
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協会の主な活動内容について、教えていただけますか?

丸山さん
丸山さん

はい。大きく分けて、産地向けと消費者向けの2種類の活動を行っています。

産地向けの活動~「伝統工芸士」制度や産地サポート

丸山さん
丸山さん

産地向けの活動としては、まず、後継者の育成を促進しています。

Journal編集長
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具体的にはどのような活動ですか?

丸山さん
丸山さん

例えば、伝統工芸士の試験を実施しています。一定の技術を持った方が対象で、実技がメインですが、筆記も含まれます。合格された方には、「伝統工芸士」の称号が与えられます。

参考

伝統工芸士
経済産業大臣が指定した伝統的工芸品の産地で、12年以上の経験を有し、実技・筆記・面接の試験をクリアした、伝統的工芸品技術のスペシャリスト。伝統的工芸品産業振興協会により認定される。全産地で7%程度の限られた存在で、産地振興の中心として活躍することが期待されている。

丸山さん
丸山さん

伝統工芸士を目指すことは、職人さんたちのモティベーションになりますし、一般の方々からも、「伝統工芸士の作ったものは良い」という信頼を得られる制度になっていると思います。

金槌で作業をする職人さんの写真

尾張仏具 伝統工芸士 野依 克彦

Journal編集長
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確かに、「伝統工芸士」という称号があると、一般の方にもわかりやすいでしょうね。

丸山さん
丸山さん

その他に後継者育成の取り組みとして、職人さんが学校におもむき、実際にそこで作ったり講義を行ったりして、伝統工芸の良さを伝える、という出張授業も行っています。

Journal編集長
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学生さんたちも、伝統工芸に実際に関わられている方の技を見たり、お話を伺ったりすることで、より興味を持ってくれそうですね!その他に、産地向けに行われている活動はありますか?

丸山さん
丸山さん

産地をサポートする、産地指導事業を行っています。産地の状況を毎年調査しているのですが、そこから見られる共通の課題に対してセミナーを開催したり、課題解決のためにコンサルタントを派遣したりして、具体的に産地の課題を解決できるような方策を見出し、実践するところまでサポートしています。

Journal編集長
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それは、産地の方たちにとって心強いですね!

丸山さん
丸山さん

プロデューサーさん、また新製品を開発したいというメーカーさんをそれぞれ募集して、マッチングを行い、研究会という形でお互いが行き来する際の旅費や材料費の一部なども補助しています。

Journal編集長
Journal編集長

後継者育成、新商品共同開発、情報発信など、産地の振興・活性化のための活動には、経済産業省から毎年補助金も公募されているようですね。国からも各種サポートがあることを、作り手の方々や、産地を盛り上げようとしている方々にも知っていただきたいですね。

参考

伝統的工芸品産業支援補助金
毎年、1~2月に経済産業省から公募される補助金。経済産業大臣から指定を受けた工芸品の組合、団体、事業者等が行う事業の経費の一部を国が補助することにより、伝統的工芸品産業の振興を目指すもの。その対象範囲は、後継者育成、原材料確保、新商品共同開発、需要開発、交流支援、産地プロデューサー事業など幅広い。

令和3年度「伝統的工芸品産業支援補助金」について詳しくはこちら

消費者向けの活動~工芸品紹介の動画が海外でも人気!

Journal編集長
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消費者向けの活動としては、どのようなことを行われていますか?

丸山さん
丸山さん

普及推進事業や需要開拓事業を行っています。

丸山さん
丸山さん

まず普及推進事業ですが、これは一般の方々へのPR事業で、これまでは主に雑誌新聞などで行っていましたが、昨年度からはSNSにも本格的に取り組み始めています。

Journal編集長
Journal編集長

各地の伝統的工芸品について、動画も配信されていますよね?

丸山さん
丸山さん

はい。You Tubeで配信している、4分程度の短い動画が非常に好評で、イベントなどでも使っていただいています。

Journal編集長
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すごく見られてますよね。

丸山さん
丸山さん

そうなんです。むしろ海外で人気で、多いものでは100万、200万を超えるアクセスがあります。

Journal編集長
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どうしてそんなに海外で拡散したのでしょう?

丸山さん
丸山さん

海外で、SNSの発信力のある方に取り上げられ、それをフォロアーが見て他の方に発信、ということだと思います。箱根寄木細工などは、それでかなり多くなっていますね。

Journal編集長
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それだけ伝統工芸のポテンシャルがあり、日本のことを好きな人が多いということですね。

丸山さん
丸山さん

そうでしょうね。やはり、伝統の技で作り手たちが生み出す工芸品には魅力があるのだな、と本当に思いますね。

Journal編集長
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WAZA展なども開催されていますよね。

丸山さん
丸山さん

はい。毎年恒例の展示・即売イベントであるWAZA展(伝統的工芸品展)は、池袋の東武百貨店で開催しています。その他には、毎年11月に、「伝統的工芸品月間」というイベントを地方持ち回りで行っていて、2021年度は愛知で予定しています。

丸山さん
丸山さん

昨年度はコロナということで、初めてオンラインを使った工房見学など、いくつか試みを行いました。今回もそういうところを盛り込んで、愛知県に来られない方でも参加いただけるような企画を考え、皆さんに楽しんでいただければと思っています。

Journal編集長
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楽しみですね!では次に、需要開拓事業について教えていただけますか?

丸山さん
丸山さん

はい。ひとつには、販売促進事業を行っています。産地で作られたものを全国の方々に買っていただけるように、新商品を開発したり、今までにない販路に向けて売ったりしています。

Journal編集長
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具体的にはどのようなことですか?

丸山さん
丸山さん

JAPAN TRADITIONAL CRAFTS WEEK(JTCW)という取り組みで、数年ほど前から、今まで伝統工芸品を扱っていなかったり、扱っていても主流ではなかったお店に働きかけ、伝統的工芸品とコラボした新商品を開発したり、店頭で体験制作を行っていただいたりしています。

 

Journal編集長
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おしゃれなコラボ作品が多いですね!

丸山さん
丸山さん

青山、銀座、中目黒を中心に、相乗効果のあるようなイベントを考えています。

Journal編集長
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おしゃれなエリアで、人気のブランドの店頭でのイベントということで、集客が期待できそうですね!

丸山さん
丸山さん

そう願っています。その他には、海外での需要開拓も行っています。現在、中国の重慶とフランスのパリに特設展示場があるので、それを拠点に海外へのPRにも力を入れて行きたいと思っています。

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全国の伝統的工芸品に出会える!「青山スクエア」について

青山スクエアの役割

Journal編集長
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御協会の活動として、一般の方になじみがあるのは、全国の伝統的工芸品が展示販売されている青山スクエアですよね。

参考

伝統工芸 青山スクエア
全国の伝統的工芸品に出会えるギャラリー&ショップ。常設展の他、各種特別展や伝統的工芸品制作の実演、ワークショップなども随時開催。
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂 8-1-22 1階
TEL:03-5785-1301
営業時間:11:00~19:00 ※緊急事態宣言中は~18時。イベントの初日・最終日は営業時間が異なります
定休日:年中無休 ※年末年始を除く

青山スクエア公式HPはこちら

Journal編集長
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青山スクエアの役割について教えてください。

丸山さん
丸山さん

はい。一番大きいところとしては、伝統的工芸品を実際に目にすることができる、というところだと思います。

丸山さん
丸山さん

伝統的工芸品はもともと、実際にものを見て、触って、良さを理解して使っていただくのが一番だと思っています。そういう意味では、工芸品を紹介する場所として、青山スクエアは必要な場所だと感じています。

Journal編集長
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実物を手に取れるというのは、オンラインにはない利点ですね。

丸山さん
丸山さん

オンラインショップでは、売り手が自分の好きなものを選び、お客様に良いものを提供できるけれど、どうしても業種や品数が限られると思います。

丸山さん
丸山さん

その意味で、全国236の伝統的工芸品(2021年7月現在)のうち、半分以上のものを紹介しているというのは青山スクエアならではと思います。これだけの品がそろっている場所は他になかなかないと思います。

Journal編集長
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一般事業者と扱う品目が違う、というのが特徴ですか?

丸山さん
丸山さん

他の方々がなかなか扱わないもの、例えばとても高価なものや、一般家庭ではあまり使用しないものなども、うちの場合は紹介という意味で展示しています。そういった出会いがある場は、他にはないのではないでしょうか。

Journal編集長
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確かに、「こういう工芸品もあるのだ」ということを見て触れることができ、理解が深まりますね。焼き物は手に取る機会もありますが、織物や金工品、箪笥などはあまり普段は見たり触れたりする機会はないですもんね。

丸山さん
丸山さん

そうなんです。また、実際の品物を手に取って選んでいただけるので、オンラインでの買い物に慣れていない方にアピールできる貴重な場なのでは、と思っています。

丸山さん
丸山さん

また、青山スクエアでは常設展の他、業種や地域を絞った特別展を2週間に一回、職人さんにスポットをあてた匠コーナーを週に一回開催しています。

ろくろを回す職人さんの写真(青山スクエア匠コーナー)

益子焼 伝統工芸士 大塚雅淑

丸山さん
丸山さん

できるだけ多くの産地の方に来ていただき、消費者に触れ合って、今のトレンドや消費者の求めているものを産地にフィードバックしていただければと思っています。

Journal編集長
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展示会の交通費などを出してもらえるので、職人さん側にとってもありがたいという話を聞きました。

丸山さん
丸山さん

国の補助金が出るので、実演やワークショップを行っていただいた場合、補助ができます。こちらには外国の方もよくいらっしゃって、たくさん購入してくださったりと、PR効果は高いと思います。

若い年代にも人気な青山スクエア

Journal編集長
Journal編集長

ところで、青山スクエアを訪れるお客さんは、どんな方々が多いのでしょう?

丸山さん
丸山さん

コロナ前は、外国人の方もよくいらっしゃっていました。年代として多いのは、50~60代の方ですね。ただ、伝統工芸品を扱っている他の店に比べると、青山スクエアには20~30代の比較的若い方も来てくださっています。

Journal編集長
Journal編集長

青山という場所柄、若い方でも入りやすいのでしょうね。

丸山さん
丸山さん

時期によってはお子さんも多いですね。夏休みなど、学校や塾からの課題で勉強しに来る子もいるみたいです。

一番人気はあの工芸品!外国人も好きな「〇〇細工」

Journal編集長
Journal編集長

青山スクエアで一番人気のある工芸品は何ですか?

丸山さん
丸山さん

箱根寄木細工は、日本人にも外国人にも人気がありますね。

箱根寄木細工の写真

Journal編集長
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外国人には、木目の見えているものが人気だと伺ったことがあります。

丸山さん
丸山さん

そうかもしれませんね。あとは、いかにも日本的な江戸木版画(浮世絵)、きらびやかな金沢箔なども外国人に人気です。

Journal編集長
Journal編集長

浮世絵など、日本の方も買われるのですか?

丸山さん
丸山さん

日本の方が購入する場合は、外国人へのおみやげとしてが多いようですね。また、中国系の方は赤や金が好きなので、金色のものは積極的に買われているようです。

Journal編集長
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その中でもやっぱり、寄木細工が一番人気ですか?

丸山さん
丸山さん

ここ数年ではそうですね。通常は主に産地で販売されるようで、都内ではまとまった数を扱っているところは少ないようですが、青山スクエアにはある程度の数を出していただいています。

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伝産協会のこれからの役割

Journal編集長
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これまでも多様な活動をされている伝産協会ですが、今後の展開についてはどのようにお考えですか?

丸山さん
丸山さん

40年間、振興活動を行ってきましたが、まだ十分に伝統的工芸品の普及ができていないという思いがあります。ですから、このままのやり方を続けるのではなく、変えていかなければいけない部分があると思っています。

Journal編集長
Journal編集長

例えばどのようなことですか?

丸山さん
丸山さん

これまでは、産地組合を中心に補助し、それぞれの産地組合に平等に対応することを心がけてきましたが、今後はそれぞれの産地の状況に応じた対応をしていく方向で考えています。

Journal編集長
Journal編集長

それぞれの産地で状況は異なるので、補助のし方も変わってくるのでしょうね。

丸山さん
丸山さん

そう思います。自分たちでやっていける産地もあれば、やる気があってもノウハウがないなど、なかなかうまくいかないところもある。

丸山さん
丸山さん

そこでこれからは、コンサルタント産地支援事業といった、専門家を派遣して、産地の解決策を探る、という事業にも力を入れて行きたいと思っています。

全国の工芸品が集う強みをPR

丸山さん
丸山さん

また、個人の企業と違って、「この産地が一番、この作品が一番」という紹介の仕方はできませんが、逆に全国の236の工芸品が集まっている、というのは力になると思っています。

Journal編集長
Journal編集長

協会の性質上、誰かに肩入れ、とかはできないですよね。また、通常のオンラインショップで商品として成り立ちにくいもの、例えば美術工芸品に近いものとか、仏壇、箪笥なども、広く扱われているのは強みだと思います。

丸山さん
丸山さん

そうなんです。陶器専門店、漆器専門店などカテゴリーを絞ったお店はあると思いますが、陶器、漆器、和紙など何から何までそろっているというところを武器にPRし、皆さんにインパクトを与えることができればと思っています。

丸山さん
丸山さん

アイドルグループの応援ではないですが、一つ好きな工芸品ができたら、それを好きになることによってグループ、すなわち伝統的工芸品全体を応援するようになって、こっちにはこんなのもあるのだな、こんなのもいいな、と今まで気づかなかった発見がある。そういう展開をしていけたら、と思っています。

青山スクエア内のグラスや漆器の棚の写真

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伝統工芸の今とこれから

生活様式の変化と若者・海外からの関心

Journal編集長
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青山スクエアで消費者とも関わられる中で、今の伝統工芸はどのような状況と思われますか?

丸山さん
丸山さん

相変わらず厳しい状況ですね。生活様式が変わったので、着物は着ない、仏壇は置かない、箪笥はたくさんあっても困るしでなかなか売れません。

Journal編集長
Journal編集長

昔は日常で使われていた伝統工芸品が、特別なものになってしまい、買う人が少なくなってしまったのですね。

丸山さん
丸山さん

その通りです。売れないと生計が立てられないので、後継者を育てられない、また注文が少ない状況では、原材料を手に入れるのも難しくなってきています。

Journal編集長
Journal編集長

そこにコロナということで、かなり大変でしょうね。

丸山さん
丸山さん

そんな中でも、先日「とらくら」の方が来てくださったり、最近は若い方が伝統工芸に非常に関心を示してくださっています。その辺が、今までと違うと感じています。

参考

伝統工芸学生アンバサダー「とらくら」
(一社)伝統文化デジタル協議会と(株)wakonartが共同運営する伝統工芸学生アンバサダー。「とらくら」はtraditional craftの略称。伝統工芸や文化を未来と世界に伝えるべく、全国から共通の「想い」を持った学生が集結し、伝統工芸メディア事業「とらくら」や各種イベントを実施。

とらくらのHPはこちら

丸山さん
丸山さん

オンラインショップや、クラウドファンディングなど色々やっていらっしゃる方も多く、非常に心強いです。

Journal編集長
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若者のほか、海外の日本ファンも増えているのでしょうね。

丸山さん
丸山さん

はい。コロナ前はインバウンドの伸びが大きく、海外からかなりの方が来られていました。日本の文化や伝統工芸に関心がある方も増えていると思うので、コロナ終息後は海外からの需要がまた伸びてくるのでは、と思っています。

海外への伝え方~SDGsの視点と日本文化へのあこがれ

Journal編集長
Journal編集長

海外への伝統工芸品の魅力の伝え方は、国内とはまた違いますよね。

丸山さん
丸山さん

そうですね。伝統の部分を100%伝えるのは難しいかもしれないので、そこにこだわりすぎず、ものの良さで勝負できれば、と思っています。

Journal編集長
Journal編集長

海外の人からは、SDGsに関連する部分、例えばうまく再生できる、というような部分が評価を受けているようですね。特に、アメリカとか。

SDGsの目標の図

丸山さん
丸山さん

アメリカやオーストラリアでは、日本文化へのあこがれが強いようですね。SDGs的な、持続可能な部分も、確かに評価されていると思います。

丸山さん
丸山さん

また、日本人の国民性、例えば「天然素材100%」と書いてあれば本当にごまかしなくそうである、というところが、国際的な信用を得ていると思います。

Journal編集長
Journal編集長

そういう評価をいただくと嬉しいですね。

丸山さん
丸山さん

ただ、伝産法が始まってもう40年以上たつのに、海外に日本文化の良さを十分伝えきれていないという思いがあります。

丸山さん
丸山さん

今はなかなか売れていなくても、視点を変えれば活路を見いだせる潜在性のあるものがたくさんあるので、さらなる振興をすすめ、内外に各産地や工芸品の魅力をしっかり伝えていきたいと思います。

伝統工芸を意識せずに良いものとして

Journal編集長
Journal編集長

最後に、これからの伝統工芸は、どうあるべきだと思いますか?

丸山さん
丸山さん

個人的な気持ちになりますが、理想としては、「伝統的」ということを意識せず、普通の商品として手に取っていただけるようになったら良いと思っています。

丸山さん
丸山さん

伝統的だから高い、とか、なくなるから、というマインドではなく、ものがよくて買ったら伝統工芸だった、というような。

Journal編集長
Journal編集長

商品力でしっかり評価されないと、伝統的だから、と購入されても、続くのが難しいですよね。

丸山さん
丸山さん

そこに行きつくのは簡単ではないと思います。だから今はまず、伝統工芸の歴史、産地や手作りの背景などを説明し、納得して買っていただく。今はそれが確実で、一番関心を持っていただける方法だと思います。

丸山さん
丸山さん

そうやって伝統工芸の良さを訴えていき、でもゆくゆくは、伝統工芸ということを意識せずに、他のブランドと比較して良いものとして普通に買っていただけるようになったらいいと思っています。

招き猫の写真

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編集後記

全国の伝統的工芸品が一同にそろう貴重な場として、青山スクエアを展開されている、伝統的工芸品産業振興協会。産地と消費者を結び、幅広い活動を行いながら真摯に伝統工芸の振興に努められているのを実感しました。

伝統的工芸品を過去の遺物にするのではなく「意識せずに、良いものとして普通に買っていただけるようになる」ということを目標にされていることがとても素晴らしいと感じました。「伝統的工芸品だから、古いままでで良い」ではなく、消費者にとって良い製品と感じでもらえるように常に変化をさせていくということが、これからの伝統工芸品の生き残る道なのではないでしょうか。

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