地域産品を世界へ!これからの自治体とものづくり現場の関わり方とは

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編集部 板倉
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地域産業や地域産品を海外にPRするために、自治体はどのような取り組みを行っているのでしょうか?今回は、地域産品の発信をリードする京都府で2019年に開設された「京都海外ビジネスセンター」の取り組みを取材しました。

京都海外ビジネスセンターとは

2019年4月に開設。京都貿易情報センター(ジェトロ京都)を中心に、京都府、京都市、京都商工会議所など、京都の経済団体が集結し、海外販路開拓支援、外資誘致をはじめとする海外ビジネスの推進に取り組む。中小企業向けの海外ビジネスに関するワンストップ相談窓口の役割も担う。

目次

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自治体が海外ビジネスを支援するメリットとは?

編集部 板倉
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本日は、京都海外ビジネスセンターの宇野さんと上田さんにお話をうかがっていきたいと思います!早速ですが、「京都海外ビジネスセンター」はどのような目的で誕生したのでしょうか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

2019年3月に“次なる100年”を見据えた産業振興や人材育成などを目標として、京都の経済団体や産業支援機関が一堂に集結する、「京都経済センター」という建物が設立されました。その支援機関のひとつとして誕生したのが、「京都海外ビジネスセンター」です。主に輸出拡大といった海外ビジネスを検討されている中小企業・小規模事業者の支援を目的として、計画段階から事業化まで、幅広いサポートを行っています。

編集部 板倉
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これまでにどのような相談を受けられてきたのでしょうか?

京都海外ビジネスセンター
上田さん

開設から2021年1月末までで、相談件数は2,041件に上りました。「海外の見本市に出展するための補助金をもらうことはできますか?」といったことから、「海外のバイヤーから“取引がしたい”という旨のメールを受けたが信頼していいのかわらない」といったご相談まで内容は多岐に渡ります。

編集部 板倉
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海外ビジネスに興味があっても、初めの一歩を踏み出す事が難しい企業も多いのではないでしょうか?

京都海外ビジネスセンター
上田さん

そうでうすね。商習慣の違いや国ごとに異なる輸入規制など、中小企業の皆さんが単独で挑みづらい部分に、京都府が協力し共に取り組む事で、意識的なハードルを下げ、輸出の第一歩を踏み出していただきたいと思っています。

編集部 板倉
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具体的にこれまでどういった活動をされてきましたか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

事業を開始した初期の段階は、海外の見本市に出展したり、テストマーケティングを兼ねて大手百貨店で物産展を開催したり、海外のバイヤーを招いて京都企業を訪問するといった活動を進めてきました。

編集部 板倉
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実際に京都海外ビジネスセンターを通して、取引を実現した企業や海外のバイヤーからは、どのような反響がありましたか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

輸出を行うメーカーも海外のバイヤーも、信用力のある行政が間に入る事で、安心して取引を進められる事が大きなメリットだと思います。海外のバイヤー側からは、ダイレクトに連絡しても返事が来ない企業を京都府が繋いでくれるのは、大変有難いといったお声をいただいています。輸出を行うメーカー側も安心してビジネスを展開できるよう、取引先の企業や条件を事前にしっかりと検討することはもちろん、前金払いでないと取引ができないといった仕組み作りにも取り組んでいるんですよ。

編集部 板倉
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輸出を行う企業にとっても海外のバイヤーにとっても、非常に心強い存在ですね!

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失敗と成功を重ねて見えてきたもの
地域産品が世界に出るために重要なこととは?

編集部 板倉
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過去の事例から、様々なナレッジが蓄積されているかと思います。これまでの成功事例で印象的なものはありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

2013年に香港で初めて開催した京都物産展です。開催当初は不安の方が大きかったのですが、蓋を開けたら意外な商品が大好評で、飛ぶように売れたんです。その経験から、テストマーケティングの大切さを痛感する事が出来ました。またこの物産展をきっかけに、テスト販売を行なったメーカー間のネットワークを構築し、2015年には出展事業者の1社が中心となり、完全民営の「京都奥祥院」という店舗を香港SOGO銅羅湾(コーズウェイベイ)店にオープンしました。現在まで安定した業績を残しています。

香港SOGO銅羅湾(コーズウェイベイ)店

香港最大の日本スタイルのデパートであり、地元商店街の中心であるそごうは、有名なヨーロッパのファッションブランド、スキンケア商品、化粧品、宝飾品、革製品、家電製品、家庭用品などの海外製品を幅広く取り揃えている。

京都奥祥院

店 舗 名 京都奥祥院
オープン 2015年
所 在 地 香港SOGO銅羅湾店10階
運営主体 株式会社奥村企画(本社:京都市)
事業概要 京都産品(伝統工芸品、京焼・清水焼、和雑貨等)の販売、職人による実演の実施、京都の食と工芸のコラボイベント実施、物産展の開催 等
取扱企業 丸和商業(風呂敷)、木村桜士堂(京人形)、井助商店(京漆器)、熊谷聡商店(京焼・清水焼)、朝日堂(京焼・清水焼)、小堀(京仏具)、松栄堂(お香)、象彦(京漆器)、舞扇堂(京扇子)、奥村企画(和雑貨)、近藤純太(金属工芸)、白竹堂(扇子)、スプリングショウ(陶器)等
経 緯 等 京都物産展in香港においてテスト販売を行った事業者が中心になり開設。店内全商品を「京都」で揃え、ブランド力を活かした香港市場開拓の旗艦店として位置付けられている。京都府との共催による物産展等も多数開催。
編集部 板倉
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短期の物産展から店舗に発展していくことは、非常に面白い取り組みですね!海外販路開拓を支援される上で、失敗事例としてはどのようなものがありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

中国で現地の100社ぐらいを招いて商談会を行なったのですが、当日会場に誰も来ない、招待した覚えがない人が来る…といった状況になってしまったことは、今でも忘れられません。規模の大きい商談会を開催することの難しさを痛感しました。

編集部 板倉
編集部 板倉

様々な経験を積まれた中で、地域産品が世界に出るためには何が大切だと思われますか?また自治体はどのようにものづくりの現場と関わるべきだとお考えですか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

海外輸出においては、作ることだけでなく、その素晴らしさを知ってもらうために発信することが大切です。そのために、ものづくりのプロ、流通・物流のプロ、販売のプロが一緒になって活動していくことが欠かせないと感じています。我々自治体は、そのためのネットワーク作りに取り組む事で存在価値を発揮できると思っています。香港の事例のように、同じ国に輸出を目指すメーカーを集め、情報共有や共同で営業をするといった取り組みも重要ですね。

編集部 板倉
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確かに、海外へとなると、ネットワークが必要になりますよね。その点自治体が協力してくれるというのは企業としても心強いですね。「海外向けに一度販売してみたけれど、ダメだった。諦めた」といったお話もよく聞くのですが、結果を出すために大切なことはありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

今、黒字化している企業の多くは、京都府が輸出支援に取り組み始めた10年前からともにやっている企業が多いんです。長期的な視点を持ち、マーケティングや市場に合った商品開発を進めながら、継続的に取り組むことが、非常に重要だと思います。可能な限り、現地の市場を訪問することもお勧めしたいですね。

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すぐに結果を求めたくなってしまいますが、継続することが重要なのですね。

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ものづくり都市としての京都

編集部 板倉
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“京都”というブランドはやはり海外で知名度や信用度が高いのでしょうか?

京都海外ビジネスセンター
上田さん

京都は観光都市として有名ですが、ものづくりの京都としての知名度は低いと感じています。京都の強みは、“美意識と創造性”だと考えています。古くから色々な文化人がいて、伝統工芸があり、そういうところから育まれてきた独特の美意識、また、京都は真似をしないというポリシーが大きな文化の根底にあります。創造性を大事にしながらものづくりにも取り組んでいますといった背景も含めて、海外の方にも知ってもらいながら、プロモーションを行なっていく必要があるなと感じています。

編集部 板倉
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京都ならではのものづくりの魅力を生み出している背景や本質も含めて、PRしていく事が重要なんですね。

京都海外ビジネスセンター
上田さん

そうですね。それと同時に、京都府には“京都市”以外にも魅力的な地域がたくさんありますが、認知されていないというのが実情です。他の地域の知名度もあげて、地域経済や地域産品の発展に繋げていくことも我々の使命だと考えています。

編集部 板倉
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京都市のイメージが強いですが、宇治や丹後など魅力的な地域はたくさんありますよね!

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アフターコロナを見据て〜これからの活動で目指すもの〜

編集部 板倉
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2019年に立ち上げられて、すぐに新型コロナウィルスが流行してしまいましたが、取り組みの方向性に変化はありましたか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

コロナ前は、海外の見本市に出展したり、物産展の開催など「人の移動を伴う事業」が大半を占めていましたが、コロナ後は、オンラインを活用した販売や商談を推進するなど「人の動きを抑えて、モノを動かす」ことを基本方針とした仕組みづくりに取り組んでいます。

編集部 板倉
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現在、特に注力されている取り組みはありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

これまでに実施してきた香港、台湾等の常設店設置のノウハウや手法を用いて、民間主体の常設店をさらに増やしていきたいと考えています。中国、タイ、アメリカなど、14カ国や地域で、すでに26店舗あるのですが、これを倍増していきたいですね。

ECサイト画像

店 舗 名 Japan Primavera Prodotti da Kyoto
オープン 2019年
所 在 地 28 Via Papirio Picedi, 19125 La Spezia (SP) ITALY
運営主体 Japan Primavera di Morelli Sara(京都側商社:ポンテキョウト)
事業概要 京都府内産の工芸品・雑貨・加工食品等の販売、EU向けECサイトの運営、京都関連イベントの実施 等
取扱企業 木村桜士堂(京人形)、谷口清雅堂(京焼・清水焼)、豆政(菓子)、古畑園(日本茶)、熊谷聡商店(京焼・清水焼)、鳴海屋(おかき・あられ)、王冠化学(パステル)、舞扇堂(扇子)等
経 緯 等 もともと京都府内商社の取引先だった雑貨店が、京都産品の取扱い数を拡大し、2019年にイタリア北西部・チンクエ・テッレにオープンした小売店。こけしや招き猫などの伝統工芸品のほか、高品質でモダンなデザインの現代工芸品も取扱う。イタリア国内のみならず、EU各国に顧客をもつ。2020年にはECサイトもオープンし、EUでの更なる京都産品の販路拡大に貢献している。
京都海外ビジネスセンター
宇野さん

またECの拡大にも取り組んでいます。海外向けとしては、今までは中国向けだけだったのですが、民間が運営し我々が支援する形で台湾、シンガポール、ヨーロッパ向けという風に数を増やしていっています。その取組の一環でBECOSさんにも協力を依頼しました。

編集部 板倉
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そうだったのですね。コロナ禍の中でECに挑戦するものづくり企業は増えていると思いますが、自治体が協力してEC化を進めるメリットはどのようなところがありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

リアルの海外販路開拓もそうですが、ECでも一社だけで挑戦するよりも、メーカーが協力して”京都”ブランドとしてまとまったほうが、お客様にとってもメリットを提供できると考えております。また、BECOSさんなどの協力会社さんとの交渉などの実務的な部分に関しては、自治体側が対応することでメーカーの負担も減らすことができました。

編集部 板倉
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なるほど。確かにECへの出店となると交渉や契約などの手間も発生しますよね。そのあたりを自治体がまとめてくれるのはとても助かりますね。ちなみに、BECOSに協力を依頼したきっかけは何ですか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

一社だけで挑戦することが難しいとお話をしましたが、インターネットに新たにショップを構えるとなると、複数のメーカーが集まったとしても一から立ち上げになるので、それでは成功するのが難しいと考えておりました。すでに、工芸品やものづくりに特化したECサイトとして実績のあるBECOSさんのようなサイトに協力を依頼するのが一番よいと考え、相談したのがきっかけです。

編集部 板倉
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結果的に、BECOSに出店をしてみてどうでしたか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

現在10社の京都のものづくり企業がBECOSさんに出店をしてもらっておりまして、メーカーごとにばらつきはありますが、順調に販売が伸びている印象です。BECOSさんが独自に写真の撮影や取材をしてくれたことも良かったと思います。

編集部 板倉
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より販売が伸びるよう、今後追加取材などもさせていただければと思っております!

京都

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編集部 板倉
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コロナ後の取り組み方として、意識されている戦略などはありますか?

京都海外ビジネスセンター
宇野さん

コロナが落ち着き、自由な渡航が可能になれば、海外からのインバウンドや物産展といった現地イベントも開催できるようになると思いますが、以前と全く同じやり方では生き残っていけないと考えています。
オンラインを活用し、省ける手間や人手は省き、最小限の投資で最大の利益を生み出す。オンラインとオフラインのハイブリッド型で戦略を立てていきたいですね。

編集部 板倉
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手間や人手、投資を最小限に抑え、最大限の利益を生み出す手法が確立できれば、資金面や規模といった面で不安がある企業でも、海外ビジネスに挑戦する機会を増やすことができそうですね!具体的にはどのように相談したらよいのですか?

京都海外ビジネスセンター
上田さん

「海外に挑戦しよう」と考えた場合、まずは気軽に相談いただけたらと考えております。現地の情報収集が必要な場合もありますし、状況に応じて支援できるメニューを提案しています。

編集部 板倉
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気軽に相談ができるところがあるというのは、メーカーにとって心強いですね!

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編集後記

生き生きと京都海外ビジネスセンターの取り組みを話してくださった宇野さんと上田さんの表情が、とても印象的でした。地域産品や地域産業への誇りを胸に、各々のプロが協同で世界市場に挑む姿勢は、海外でのビジネス展開を望む企業にとって、大きなヒントになるのではないでしょうか。

多くの職人さんやものづくりの現場の方々とお話をさせていただく中で「知っていればこの制度が使えたのに」「この補助金が利用できたのに」といった場面がとても多いです。他の産業に比べて、伝統工芸や地場の伝統産業は自治体のバックアップも充実しています。

なにか新たな取り組みをしたい、売上が減少して困っている。など課題や問題があれば、まずは自治体に相談してみることをオススメします。

地域産品を海外展開する場合のポイント!

1 自社だけで行うのではなく、提携できる自治体がないか確認する

2 作ることだけでなく、その素晴らしさを知ってもらうために発信する

3 長期的な視点を持ち、市場に合った商品開発を進めながら、継続的に取り組むことが重要

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