和服店でろくろが回る!?コロナ時代の新しい伝統工芸展示とは

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今回は、OKANOアークヒルズ店で開催された『国指定伝統的工芸品 小石原焼「カネハ窯」展』を取材!博多織元岡野5代目の岡野博一(おかのひろかず)さん、カネハ窯3代目の熊谷裕介(くまがえゆうすけ)さんにお話を伺いました。

ライター上原
ライター上原

和服店で行われた焼き物の展示会。着物と焼き物では一見関連性が薄いように感じますが、なぜこうした伝統工芸のイベントを実施するのでしょうか?これからの伝統工芸体験や店舗はどうあるべきか、岡野さんと熊谷さんに伺います!

目次

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博多きもの制作所「OKANO」とは

OKANOアークヒルズ店の写真

OKANOは約2000年の歴史を持つとも言われる伝統的工芸品・博多織を継承している織元です。

1897年の創業以来、歴史ある伝統工芸を受け継ぎながらも「たて糸に伝統よこ糸に冒険心」の企業理念のもと、固定概念に囚われない挑戦を続けています。

岡野博一

OKANO代表

博多織元岡野5代目/OKANOブランド主宰

1971年福岡生まれ。明治大学経済学部卒業後、人材コンサルティング会社を設立。26歳の時に、本家が営んでいた博多織元を買受る。13年間続いていた赤字の黒字化に成功。アーティストをプロデュースする株式会社風土 取締役、伝統工芸のブランド・インキュベーション事業を展開する空の目株式会社の代表、博多織工業組合 元理事長、一般社団法人伝統文化デジタル協議会のアドバイザーなどを務める。欧米の伝統工芸を由来とするラグジュアリーブランドの世界的成功事例にヒントを得て、博多織をルーツとするOKANOを六本木アークヒルズなどに出店。日本の伝統工芸を世界ブランド化するために精力的な取り組みを続けている。

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小石原焼「カネハ窯」とは

カネハ窯の器とお米の写真

カネハ窯は江戸時代前期に生まれた伝統的工芸品・小石原焼の窯元です。

小石原焼は陶磁器として初めて国の工芸品指定を受けた、福岡県を代表する工芸品のひとつ。飛び鉋(とびがんな)や刷毛目(はけめ)と呼ばれる独特の紋様が特徴とされています。

現在もカネハ窯では昔とほとんど変わらない技法ですべての器を手作りしており、小石原焼の窯元の中でも珍しい「半農半陶(はんのうはんとう)」を行っています。

熊谷裕介

熊谷裕介

国指定伝統的工芸品 小石原焼 伝統工芸士/カネハ窯 三代目

昭和47年9月1日生まれ、平成8年に九州産業大学芸術学部デザイン科を卒業後本格的に作陶を始める。
全国伝統的工芸品展などで入選。
伝統技法をきちんと守りつつ、新しい感覚を取り入れた器づくりをしている。

「半農半陶(はんのうはんとう」とは

「半農半陶」とは1年間の中で 米作りと作陶をバランスよく行うライフスタイルです。

カネハ窯の位置する標高500mの土地は寒暖差が大きく、良質な水も土も手に入ることから、米作りにも陶器作りにも適した環境なのだそうです。

ライター上原
ライター上原

米作りと小石原焼の制作を同時進行で行うのはとても大変そうですが、「半農半陶」の利点はどのようなところにあるのでしょうか?

熊谷
熊谷さん

農業は自然相手の仕事で、気候次第で状況は刻一刻と変わりますし、過去に上手く行っていた方法がまた通用するとは限りません。米作りをすることで、自然の力を毎日肌身で感じます。

熊谷
熊谷さん

そしてその実感のおかげで、土とより真摯に向き合える健全なメンタルが育まれると感じています。些細な環境の変化に目を配りながら、毎日できるだけ同じ気持ちで心を安定させて器をつくること。それはお米と並行して小石原焼をつくっているからこそ、より強く意識できるのだと思います。

ライター上原
ライター上原

農業を通して自然を肌身で感じることが、器作りに生かされるのですね!

熊谷
熊谷さん

また、農業を含む生活の中で小石原焼の材料は揃っていきます。例えば米作りの際に生じる藁を灰にした藁灰は欠かせない材料のひとつです。昔から存在する製作方法は理にかなっていることを実感します。

ライター上原
ライター上原

自然と向き合うことで研ぎ澄まされた感覚と、自然を活かす意識が反映された器だからこそ、ますます魅力的になるのですね!

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「カネハ窯」展に行ってきました!

全国屈指のろくろ技術を和服店で

OKANO店内でろくろに向かう熊谷さんの写真

今回の展示の目玉はなんと言っても、和服店の中でろくろが回る様子を見られること。

すり鉢を作る熊谷さんの写真

実際にすり鉢と急須をつくっていただきましたが、さすが全国屈指と評されるろくろ技術。すり鉢は5分ほどで完成し、複雑な形が組み合わさった急須も、お話を伺っている間に見事な形に仕上がりました。国から認定された伝統工芸士であり、福岡県からも激励賞を受賞している熊谷さんの匠の技に脱帽です!

すり鉢に溝を入れる写真

ロクロの技術を習得するには10年以上の修行が必要とのこと。迷いなく形作られていく様に、見とれてしまいます。

急須の取手を作る写真

急須の丸みをつくる様子

急須を作る写真

ライター上原
ライター上原

土のことを知り尽くしていることが伝わる滑らかな手捌きに引き込まれ、東京の真ん中にある和服店にいることを忘れてしまうような時間でした。

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和服店舗で伝統工芸イベントを開催する理由とは

OKANO店内に展示されたカネハ窯の作品

ライター上原
ライター上原

東京の和服店で、福岡の伝統工芸品がつくり出される様子を目の当たりにするのは新鮮な感覚でした。岡野さんは今回なぜ、このような展示を企画されたのでしょうか?

岡野さん
岡野さん

まずは、同じ福岡の伝統工芸品を盛り上げたいという思いがありました。そして福岡の中でも、小石原焼と博多織は、代表的な紋様が認知されているという共通点があります。「飛び鉋(とびがんな)」などの小石原焼の紋様と、「独鈷(とっこ)」「華皿(はなざら)」などの博多織の紋様は、どちらも同じモチーフが繰り返される「回転文様」であることも実は共通しています。

「独鈷(どっこ)」「華皿(はなざら)」

ライター上原
ライター上原

「着物と焼き物」と聞くと、つながりが薄いように感じましたが、そのような共通点があったのですね!では、着物を販売する店舗で、小石原焼の展示に加え、ろくろでの実演まで依頼されたのはどうしてでしょうか?

岡野さん
岡野さん

現代の暮らしに積極的に着物を取り入れてもらうことは、すぐに達成できるとは思っていません。ですが、より手に取りやすい焼き物などを同じ空間に置くことで、「着物のある暮らしぶり」や「着物を着たくなる暮らし」に興味を持ってもらうことはできると思っています。和服店は今後、そうした豊かなライフスタイルを提案する場になり得るはずです。

岡野さん
岡野さん

今回の小石原焼の展示では、職人さんにいてもらうだけでなく、実際の制作風景も直接伝えることによって、ものづくりの過程まで大切にした豊かな暮らしを提案できたと思っています。

ライター上原
ライター上原

「暮らしぶりの提案」まで視野に入れられていたからこそ、どちらの伝統工芸の魅力も引き立て、効果的に伝えることができるイベントが実現したのですね。

岡野さん
岡野さん

我々伝統工芸に携わる者は今後、その工芸品の付加価値や暮らしに存在する意義を伝える努力を、オンラインでもオフラインでも積極的にしていかなければならないと思っています。

ライター上原
ライター上原

こういう展示会などがあれば、工芸品が身近にある暮らしをリアルに想像できますね。では熊谷さんは、どのような思いで今回の展示に挑まれましたか?

熊谷
熊谷さん

私も、小石原焼の魅力をさまざまな方法を駆使してオンラインでもオフラインでも伝えたいと思っています。例えば、カネハ窯の小石原焼はすべて手作りだからこそ、リモートで繋がったお客様の要望をリアルタイムで伺いながら制作することも今後は可能だと考えています。「ご指名の職人」として、お客様のご希望そのものの器をつくることができるでしょう。

ライター上原
ライター上原

一つひとつ手作りだからこそ、できることがあるのですね!

熊谷
熊谷さん

そのためにもまずは小石原焼のこと、そして持っている技術を知ってもらうことが必要なので、コロナ禍でなかなか遠出は難しい方にも目の前で制作風景を見ていただけるのは良い機会だと思いました。

熊谷
熊谷さん

最終的には現地を訪れて、小石原焼が生まれる環境ごと体験していただくことが最善だと考えています。そう思っていただくきっかけをつくる効果的な手段として、体験イベントやオンラインイベントには積極的に取り組んでいきたいと思っています。

ライター上原
ライター上原

私も今回、実際に職人さんの技を間近で体感することで、制作過程に興味を持つだけでなく、「現地にも行って違いを感じたい」という思いに繋がりました!

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編集後記

初めは特殊に思えた和服店でろくろが回るイベントは、その背景を知れば知るほど互いに繋がりが深く、理にかなったものであることがわかりました。敷居が高いと感じる和服店に足を運んでみるきっかけになったり、伝統工芸の技を身近な場所で体感できたりするだけではなく、伝統工芸を守り繋いでいくことが現代の暮らしのストレスを素敵に解決する手立てになるかもしれない、と感じさせてくれる機会になりました。

コロナ禍で、自分の時間や家での暮らしを振り返る機会が増えた方も多いのではないでしょうか?その際、日本に古くからある文化に目を向け、豊かな暮らしとは何か、日本人として改めて考えることは生活に新たな彩りを与えてくれるように思います。是非そのようなきっかけを探すためにも、伝統工芸のイベントに積極的に足を運んでみてください!

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