「鬼福」の鬼瓦の魅力と挑戦を続ける理由とは

Journal編集長
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みなさんは「鬼瓦」と聞いてどんなイメージを持たれますか?日本の伝統工芸鬼瓦は社寺仏閣の瓦屋根の端に鎮座し、迫力ある鬼の顔をしたちょっと強面の守り神です。

最近の一般家屋では瓦自体を使わないことも多く、あまりなじみがないと感じる人も多いと思います。

でもじつは、鬼瓦には庭に置いたりインテリアの一部としておしゃれに飾ったりできる、まったく新しいタイプが存在します!

しかもユーモラスで斬新なものを作る鬼師(鬼瓦をつくる職人)さんが居るんですよ。

今回は、株式会社鬼福の4代目鈴木良さんに、鬼瓦の魅力と新たな挑戦をし続ける理由についてお聞きしてきました。

目次
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株式会社鬼福の歴史

愛知県碧南市(へきなんし)に位置する株式会社鬼福は1916年(大正5年)創業。

鬼瓦を作り続けて100年以上の歴史を持つ窯元であり、『鬼福』という社名は初代鈴木福松氏の名前を取って名づけられました。

もともと旅職人だった初代が全国各地の瓦屋さんを行脚して修業を積み、そこで知り合った瓦職人たちが集まって工房を開いたのが株式会社鬼福のはじまりだそうです。

昔は、瓦職人の多くが一つの場所にとどまらず、『へら』一つを持って旅しながら仕事をするのがごく一般的だったんですね。

そんな株式会社鬼福の4代目として生を受けた鈴木良さんは、大学卒業後すぐに後を継ぎ、鬼師(おにし:鬼瓦職人のこと)としての修行を始めます。

こつこつと修行を積み重ねて、15年以上に渡り鬼瓦を作り続ける鈴木さんですが、鬼師の堅苦しいイメージとは違う明るくおしゃれな雰囲気の方です。

『すべてはHAPPYのために』という経営理念を掲げていますが、そんな思いとは裏腹に鬼瓦の需要は時代とともに減少。

とても厳しい状況を迎え、阪神大震災の後やバブル崩壊後はとくに大きな打撃を受けてしまいました。

4代目の鈴木良さん

鬼師としての技術をひたすら追求し続けるだけでは、鬼瓦で生活するのは先が見えなくなるし、技術や作品を世に残すことが難しくなるばかりだと鈴木さんは話します。

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鬼瓦は屋根素材だが屋根瓦が廃れてしまう危機に瀕している

そんな危機的状況をこのままにしてはおけないと考えた鈴木さんは理系大学在学中、研究者への道も考えたこともあったそうです。

だけどどんなにお金持ちになれたとしても、失いたくないものに気付きます。それは、『鬼福』が無くなってしまったら絶対に後悔する!という思い…。

そして28歳のとき、『鬼瓦は屋根装飾としてだけでなく、庭に置き装飾材として楽しむことができるのではないだろうか?』とひらめきます。

そこで軽トラックに鬼瓦を積み込み、片っ端から庭師を相手に”飛び込み営業”をかけました。

すると庭園や一般家庭の庭、インテリアとして室内に置く鬼瓦の開発を手掛けるようになり、瓦屋さんだけでなく住宅メーカーなどからも注文が入るようになったのです。

2019年にはフランスパリに渡り、鬼瓦の展示や製作実演、鬼瓦や産地に関する歴史背景のプレゼンをするなど、ワールドワイドな活動もしています。

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株式会社鬼福がつくる鬼瓦の魅力

鬼瓦のティッシュケース

株式会社鬼福では、粘土を練る工程から形成・乾燥・焼成まで一貫して自社で行い、オリジナリティあふれる鬼瓦づくりを行っています。

また、和瓦特有の美しい『いぶし銀色』は、焼成の最終工程で燻(いぶ)すと素地の表面に炭素の皮膜ができることで出てくる色。

石でも鉄でもプラスチックでもない、土から生まれた温かみのある質感も魅力なんです。

釉薬(ゆうやく)や塗装を行わないため、まるで革製品のように水や手の脂分を吸収し、使い込むほどに黒ずんで味わいが増していきます。

それはまさに日本の「わび・さび」の世界。

”なんとなく、いい”という日本人ならではの感覚を鬼瓦作品で表現しているのです。

伝統は守りながら鬼福ならではの鬼瓦を生み出す

鬼瓦のヘルメット

鈴木さんは、めまぐるしい時代の変化の流れをしっかりと読みとりながらも、伝統技術を未来に残して行くという目的に真摯に取り組んでいます。

昔ながらのオリジナル鬼瓦だけにこだわる職人目線だけでなく、経営者として世の中のニーズをしっかりと取り入れた新しさを取り入れようと考えたのです。

屋根材や庭の装飾品だけでなく、インテリア小物にも力を入れており、傘立てや鬼瓦ヘルメット、風鈴カバーなど遊び心溢れるユニークな作品も鬼福ならではと言えるでしょう。

フランス人デザイナーDavidさん考案のキューブ

フランス人デザイナーであるDavidさん考案の作品もとってもおしゃれで、これからの展開がますます楽しみですよね。

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株式会社鬼福はなぜ挑戦し続けるのか

日本の伝統工芸品が伸び悩み低迷している時代の流れにより、これまでの屋根瓦の鬼瓦という用途だけでは、経済的に成り立たなくなってしまう技術があります。

しかも、その技術の多くはまだまだ世間一般には知られていない部分も多く、『このまま無くしてはならないもの』だと鈴木さんは話します。

鬼福鬼瓦所が新しいことに挑戦し続けるのは、日本のものづくりを未来に伝えつつも、瓦の素材と鬼師ならではの技術から生まれる世界観を創造する目標があるからです。

そのためには鬼瓦を製作する技術を広範囲に応用し、新しい挑戦をしながら鬼瓦をより身近に感じてもらうことが大切だと。

屋根だけに鬼瓦を使うのではなく、庭や室内の装飾品にさりげなく取り入れられた『いぶし銀の魅力の輪』は鬼福の挑戦によってどんどん広がっているのです。

また、鬼福鬼瓦所では型を使った鬼瓦づくりにも力を入れています。鬼師としては、型を使わずにヘラなどの道具のみで立体的な鬼瓦をつくる技術がいかに高いがによって評価をされる側面もあります。しかし、あえて鬼福鬼瓦所では量産可能で技術的には簡単な型を使った製造にもチャレンジしています。

その理由を伺うと「以前、展示会などに職人技の集大成のような凝った鬼瓦のインテリアを出したのですが、価格が20万円以上になってしまい、興味は持ってもらえたとしてもなかなか購入というところまでは繋がらず、消費者の方々は、手作りで高価な鬼瓦よりも、型を使っているけれどどこかユニークで、鬼瓦の魅力を感じるものの方が購入してもらえると考えるようになったからです」と教えていただきました。

職人の技やレベルを上げて行くことも非常に重要ですが、時代のニーズに合わせた商品開発をしていくことが、もっと重要なのかもしれません。

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株式会社鬼福の新たなチャレンジ

 

株式会社鬼福では、鬼師としてのものづくりを大切にしながらも、どんどん新しいことにチャレンジしています。

それはおもに以下のようなチャレンジです。

  • 2019年、クラウドファンディングサイト『Makuake(マクアケ)』にて鬼瓦ティッシュケースのプロジェクト立ち上げ。多くの人の支持を受け無事商品化に成功。
  • コロナ禍である2020年5月に『小さなアマビエ鬼瓦1000個無料配布企画』。病疫を払うアマビエをモチーフにした鬼瓦を製作し、コロナ終息祈願にも奮闘。
  • アマビエチャレンジ:中山神明社(愛知県碧南市)・市原稲荷神社(愛知県刈谷市)・萱津神社(愛知県あま市)・農村舞台寶榮座(愛知県豊田市)にアマビエモチーフの鬼瓦を奉納
  • 鬼師×鬼滅の刃”鬼コラボ”:鬼滅キャラクターの瓦レリーフ作成(三州瓦協同組合)
  • 節分企画:ミニチュア鬼瓦・升・豆のセットをインターネット経由で限定700個販売

また、メディア関係では人気テレビ番組『マツコ有吉のかりそめ天国(テレビ朝日系:金曜よる8時)』にも出演し、鬼瓦ティッシュケースが紹介されました!

さらに鈴木さんは、TwitterやFacebookなどSNSでの発信も積極的におこなっており、時代の波に乗りながら鬼瓦の素晴らしさをわかりやすく伝えてくれています。

鬼瓦は、魔除け・厄除け・招福・火事除けなど、人々の幸せを願って屋根に飾られて来たもの。

新型コロナウイルスが猛威を振るうたいへんな世の中ですが、鬼瓦屋として何ができるかを考えた新チャレンジを続けているのですね。

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株式会社鬼福の鬼瓦インテリア

株式会社鬼福がつくる鬼瓦には、日々の暮らしの中にあると嬉しくなってしまうような鬼瓦インテリアがあります。

その中でも『鬼瓦ティッシュケース』は、ティッシュをセットしてみてビックリ、思わずクスっと笑ってしまうユーモラスさ!

なんと、強面の鬼の”鼻の穴”からティッシュを引き出すデザインは「こんなの見たことない!」とビックリされそうです。

鬼瓦ならではの、手で撫でるほどに黒光りして風合いが増していく経年変化も楽しめますよ。

そんな鬼瓦のティッシュケースには2種類ありますので、それぞれについて紹介します。

鈴木さん曰く伝統とユーモアがコラボした「クレイジーなティッシュケース」だそうですよ。

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新築祝いや開店祝いにおすすめ!ギロリと睨んだ顔の鬼ティッシュケース

力強く睨んでいる鬼の顔には、魔除けや厄除けのパワーがあると言われています。

嫌な事や心配事を鼻息で吹き飛ばしてくれる、存在感タップリな鬼ティッシュケースがあれば、不安な世の中でも家の中がパッと明るくなりそうですね。

こんなインパクトのある贈り物をすれば、新しい門出の素敵な記念になること間違いなしですね!

【三州鬼瓦】株式会社鬼福 ティッシュケース
「くすっ」と笑える!マツコ・デラックス絶賛のティッシュケース

【三州鬼瓦】株式会社鬼福 ティッシュケース

「睨んだ顔」は邪気を払う「魔除け」「厄除け」の縁起物として昔から鬼瓦の代表的な表情として使われてきました。鬼瓦の製造方法をそのままに、家の中で使えるティッシュケースです。

正直とても重いです。日本一重いテッシュケースなんじゃないかと思います。笑 でも、このティッシュケースの第一号作は、本体も瓦でできていたため総重量が4Kgもあったそうです。
重厚そうな見た目ですが、改良を重ねて半分以下の軽さになっていますので、安心ですね!だからこそ、テッシュ箱が全く机からずれずに、テッシュを取ることができます。

株式会社鬼福
株式会社鬼福 ティッシュケース(睨んだ顔の鬼瓦)

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まとめ

この記事では「「株式会社鬼福」の鬼瓦の魅力と挑戦を続ける理由」について、株式会社鬼福4代目の鬼師、鈴木良さんにお話を伺ったことをまとめてお伝えしました。

日本の伝統工芸である鬼瓦は、社寺仏閣や文化財で指定されるようなお城などで見かけたことはあっても、瓦屋根住宅が少ない地域ではほとんど見たことがない人も多いでしょう。

そう考えると鬼瓦はちょっと敷居の高い存在だったんですよね。

だけど、鬼師がずっと屋根の装飾としての鬼瓦づくりや復元だけをし続けていたら、鈴木さんがおっしゃるように鬼瓦を後世に受け継いでいくことは難しいかもしれません。

大切な技術や鬼瓦本来のいぶし銀の魅力を残し受け継いで行くためにも、『株式会社鬼福』は新しい挑戦をやめず、全集中で前に進んで行くのです。

ディスクリプション:屋根の装飾として家や社寺仏閣の魔除け・厄除けの意味を持つ鬼瓦。

時代の流れとともにその需要は減り、鬼瓦の技術継承も厳しいと言われている中、鬼瓦で面白いアイテムを作り、精力的に活動している人がいます。

今回は鬼福鬼瓦所の四代目鈴木良さんに、鬼瓦の魅力と挑戦を続ける理由について伺いました。

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