
世界では、メイドインジャパン製品や日本の伝統工芸品の需要が高まっています。メイドインジャパン製品が欲しくて日本に来る外国人観光客もおり、伝統産業の海外進出も増えています。
日本文化や伝統工芸品は世界でも類のない貴重な文化です。癒しを追及してきた日本文化は外国人にとって非常に魅力的に映ります。日本人が海外の文化やブランドに憧れを抱くように、日本人が「古臭い」と思うような文化が外国人にとっては新しく見えるのです。
今回は、世界で人気の伝統工芸品にどんなものがあるのか、代表的なものをいくつかご紹介していきます。また、記事後半では海外の方への贈り物におすすめの伝統工芸品・メイドインジャパン製品のブランド7選もチェックできるので、ぜひ最後までご覧になってみてくださいね!
そもそも伝統工芸品とは?
伝統工芸品は古くから受け継がれてきた技法でひとつひとつ手作業で作られた工芸品の総称です。
現在日本にある伝統工芸品は1,192品目と言われており、織物や陶磁器、漆器、木工品、和紙、文具、人形、扇子、提灯、和楽器などさまざまあります。
都道府県別で見ると京都府が最も伝統工芸品の数が多く、次に栃木県、福島県、島根県、茨城県、滋賀県などと続いています。
また、伝統工芸産業を行っている企業は現在約25,000社で市場規模は約8,000億円となっています。
そして、経済産業大臣から「伝統的工芸品」に指定されているものが、230品目です。(2017年11月現在)
ただし、これは産地から申請されないと審査対象にはならないため、指定要件を満たしていても指定されていない工芸品も多いです。そのため、指定の有無で工芸品の価値が決められるわけではありません。
海外で人気の伝統工芸品にはどんなものがある?
宮城伝統こけし

宮城には伝統こけしが5種類あり
- 鳴子
- 作並
- 遠刈田
- 弥治郎
- 肘折
となっています。
中でも鳴子は日本三大こけし発祥地として知られています。
近年女性の間でこけしが静かにブームになっており、さらに海外でもこけしコレクターが登場したり、ニューヨークでこけしが描かれた児童書が大ブームになるなど、こけしは人気のメイドインジャパンの伝統工芸品のひとつとなっています。
南部鉄器

南部鉄器は岩手県で作られている伝統工芸品で、17世紀初頭に南部藩が京都から茶釜職人を招いて湯釜を作らせたのが南部鉄器の始まりだと言われています。
その名の通り、鉄から作られた南部鉄器は「ご飯が美味しく炊ける」と一時期話題になりましたが、すでに1960年代後半には輸出が始まっており、「Nambu tekki」として人気があります。
輪島塗

日本国内の漆器でも最高峰とされる石川県の輪島塗。丁寧に塗り重ねられた漆と、蒔絵や沈金といった加飾の美しさが魅力で、豪華絢爛な装飾は完成までに何年もかかると言われています。耐久性が高く、丈夫で長持ちするのも特徴です。
輪島塗はルイヴィトンやコンバースなどとコラボするなど、海外ブランドからも注目されています。
西陣織

西陣織は京都で作られている高級絹織物で、多品種少量生産となっています。繊細かつ豪華絢爛な美しい織物はルイヴィトンやシャネル、ディオールなどの高級ブランドが店のインテリアに使用するなど、内装に使う素材として世界から注目を集めています。
有田焼

佐賀県有田町で焼かれている有田焼は日本の磁器のルーツと言われており、約400年も続いています。
ちなみに有田焼は伊万里焼とも呼ばれています。有田には海が無いため、一番近伊万里港で積み出していたことが由来とされています。海外には17世紀からすでに輸出されており、長い間海外で人気となっています。
海外の方への贈り物に喜ばれる伝統工芸品・メイドインジャパン製品!
伝統工芸品・メイドインジャパン製品のおすすめブランド7選
金沢箔工芸品という市場を生み出したブランド「箔一」
石川県金沢が誇る伝統工芸品「金沢箔」を、漆器やガラス製品に貼ることで美しい工芸品として完成させた「箔一」。海外でも人気で、とくに中国や台湾の方にとても人気があります。
ちょっとしたお皿やグラス、ボールペンなどもあるので、プレゼントに選びやすいでしょう。
「箔一」のおすすめ伝統工芸品1
金箔をあしらった高級感あふれるグラス
金沢箔を贅沢にあしらった華やかなタンブラーグラス。金箔が割れたような独特の文様による上品なデザインで、さまざまなテーブルコーディネートに合わせやすいのが魅力です。
同封されている小さなパンフレットには、金沢箔の歴史や貫入シリーズの説明、取り扱いの注意などが記載されています。日本語と合わせて英語表記もされているため、外国の方にも安心してプレゼントできますよ。
箔一
タンブラーグラス(2個)
「箔一」のおすすめ伝統工芸品2
日米友好にも活躍した逸品
金沢箔の本金箔を使って作られた高級感あふれるボールペン。本物の金箔ならではの上品な輝きが特徴です。空に向かって羽ばたく鶴のデザインも日本らしく、海外の方へ贈るメイドインジャパンの贈り物にぴったり。ひとつ5,000円未満なので、複数人にプレゼントを配るようなシーンでも使いやすいでしょう。
こちらは2017年2月に開催された日米首脳会談で、安倍首相からトランプ大統領へ贈られ日米友好に活躍した品でもあります。自信を持ってプレゼントできますね。
箔一
蒔絵ボールペン 千羽鶴(金)
戦国武将の甲冑をアレンジ!「忠保|ボトルアーマー」
東京都の指定伝統工芸品である江戸甲冑の技を継承するブランド「忠保」。日本酒やワインボトルに着せて飾る「ボトルアーマー」という新しいコンセプトのもと、徳川家康など人気の高い戦国武将の甲冑をアレンジした製品を製作しています。
忠保が作る甲冑は、金細工、木工品、京織物、組紐、皮革工芸といった日本特有の伝統技術を集約し、約5,000という工程を経て生み出される総合工芸品とも呼べる逸品です。高額ですが、海外のVIPなお取引先への特別な贈り物などに選ばれています。
「忠保」のおすすめ伝統工芸品
天下人・徳川家康の甲冑を再現
日本の伝統工芸技術の結晶とも言える高度な技術が詰め込まれたボトルホルダー。750mlの日本酒・ワインボトルに着せて飾る迫力満点の甲冑です。
こちらは100年以上続いた戦乱の時代に終止符を打ち、天下泰平の世を築いた徳川家康の甲冑を精巧に再現したモデル。協同事業のスタートや、会社の創立祝いなど未来の大いなる成功を祈願してメイドインジャパン製品を贈りたいときにぴったりです。
忠保
ボトルアーマーミニ 徳川家康
くらしを彩る西陣織の新しいカタチ「RE:NISTA」

京都で550年以上続く伝統工芸品の絹織物「西陣織」。先染めの糸を用い色とりどりの模様や絵柄を丁寧に織り出す紋織りの技術が特徴で、その織りの重厚感ときめ細やかさから日本を代表する織り技術として名を馳せています。
現代の日本では着物や和装を着る機会が減少し西陣織の需要も減ってしまっていますが、西陣織の技術を後世に残したいと西陣織の織元が作り上げたブランドが「RE:NISTA」。西陣織の伝統の技を現代のライフスタイルのなかで気軽に楽しむことができます。
「RE:NISTA」のおすすめ伝統工芸品1
照明で金銀糸がきらきらと輝く美しいお皿
職人の手によって作られた西陣織の生地を、ガラスコーティングして仕上げたお皿のセット。和テイストの個性的なお皿なので海外の方には使いにくいのではと心配になるかもしれませんが、パンやフルーツなど意外とどんな料理にもマッチします。また、アクセサリーなどを入れて小物置きとして使うこともできるため、日本の伝統美を閉じ込めた実用的な贈り物として気兼ねなくプレゼントできるでしょう。
生地に織り込まれた模様は、日本で古くから縁起の良い柄として親しまれてきた七宝の華。特別な日の贈り物にもおすすめです。
RE:NISTA
ORI-ZARA お皿(華七宝)ホワイト&ブラック 2点セット
「RE:NISTA」のおすすめ伝統工芸品2
西陣織の伝統柄を取り入れたモダンなバッグ
格調高い西陣織の伝統柄を取り入れたショルダーバッグ。ポリエステル糸を使用した西陣織で汚れが気になる際は洗える仕様になっています。さりげなく西陣織の伝統の技と美しさを取り入れられるアイテムは、海外のおしゃれ好きな女性へのプレゼントに喜ばれるでしょう。
金糸でかたどった七宝柄で上品な印象のホワイトのほか、吉祥文様である流水柄を織り込んだ高級感あふれるベージュなどいくつか色柄のバリエーションがあります。価格も5,000円ほどと手ごろなので、お土産などにも気軽に渡すことができますよ。
RE:NISTA
【サコッシュ】 ホワイト ショートケーキ|西陣織
国内ハンドメイドにこだわった江戸硝子「江戸硝子 うきよ」

江戸時代からの伝統を継承し、ひとつひとつ手作りで製造されるガラス製品「江戸硝子」。2014年に国の伝統的工芸品にも指定されました。機械による大量生産とは異なり、ひとつとして同じものが存在しない一点もの。どれも手作りならではの温かみがあります。
1948年創業の富硝子と江戸硝子の老舗窯元「岩澤硝子」のコラボレーションで生まれた「うきよシリーズ」は、色粉と呼ばれるパウダーをまぶして色づけしているのが特徴。江戸の文化をテーマにした配色も美しく、食卓を華やかに彩ってくれます。
「江戸硝子 うきよ」のおすすめ伝統工芸品
海外の方への贈り物にぴったりな桜モチーフ!
日本らしい桜モチーフの豆皿セット。桜の花びらが舞う様子を表現するため、あえて左右非対称なゆらぎのある形状に仕上げた情緒あふれる一品です。
美しい色彩でひとつでも存在感を放ちますが、5つ並べるとかわいらしい桜の花が完成し、おしゃれなテーブルコーディネートに役立ちます。
富硝子
うきよヒラリ 豆皿 5点セット
モダンなデザインの有田焼・伊万里焼「2016/」

世界中から16人のデザイナーが集結し、有田焼の歴史や技術を継承するために作られたグローバルブランド「2016/」。職人の技とデザイナーの感性が融合し、今までにない現代的な有田焼・伊万里焼が誕生しました。
日本伝統の技で作られた磁器ですが、どれもモダンなデザインで日本人のくらしにも海外の方のくらしにも美しく調和します。デザイナーごとにそれぞれ個性が違うため、お気に入りがきっと見つかりますよ。
モダンなメイドインジャパン製品「2016/」のおすすめ商品
日本の伝統的な器に残る高台をモチーフにしたデザイン
フランス人デザイナーのポーリーン・デルトゥア氏が手掛ける有田焼のティーカップ。伝統的な日本の器に残る高台をモチーフにすることで、特徴的な印象を持つ器に仕上がっています。
日本の伝統的な釉薬による青みがかった透き通る白も美しく、くらしにおしゃれなアクセントを加えてくれます。モダンでおしゃれな伝統工芸品を探している方におすすめです。
2016/
ポーリーン デルトゥア ティーカップ
使用者目線の発想で生まれる高岡銅器で注目を集める「能作」

富山県高岡市で作られている金工品「高岡銅器」も日本を代表する伝統工芸品のひとつ。高岡は約400年前から続く鋳物の町で、銅器づくりで国内シェア90%以上を占めます。明治に入り万国博覧会で世界に紹介されると輸出品として人気を博しました。
「能作」はそんな高岡銅器の伝統を受け継ぐ鋳物メーカー。伝統だけにとらわれず、真鍮製のベルに短冊を付けた風鈴や、やわらかい錫の特性を活かした「曲がるKAGOシリーズ」など、使用者目線の型破りな発想でユニークな商品を生み出し、日本だけでなく世界からも注目を集めています。
「能作」のおすすめ伝統工芸品
自在にアレンジできる錫製のテーブルウエア
高岡銅器と聞くと銅をイメージするかもしれませんが、真鍮や青銅などの銅合金だけでなく鉄やアルミなどさまざまな金属素材の製品が作られています。
金属なのにやわらかい錫の特性を生かして作られたテーブルウエア。平面にしたりカゴにしたりと用途に合わせて自由に形を変えることができます。曲がる食器でサプライズ感があり、見た目もおしゃれなのでプレゼントにもぴったりです。
能作
KAGO – ダリア
海外でも人気の招き猫を木目込の伝統技法で作る「柿沼人形」

日本の縁起物としておなじみの招き猫。近年は海外でも人気が高まっていて、フランスの高級クリスタルメーカー「バカラ」やスペインの磁器製品ブランド「リヤドロ」などの海外ブランドでも招き猫を扱っています。
伝統工芸「江戸木目込人形」の技法でおもに節句人形を製造するブランド「柿沼人形」では、江戸木目込の技法を活かした招き猫をラインナップ。2016年に、経済産業省が推し進めるクールジャパン政策のもと“The Wonder 500″(世界にまだ知られていない、日本が誇るべき優れた地方産品)にも選ばれました。
「柿沼人形」のおすすめ伝統工芸品
手のひらサイズに日本文化と伝統技が詰まった逸品
華やかなちりめん生地をまとったかわいらしい招き猫。ボディに刻まれた溝に布を挟み込む木目込の伝統技法を用い、職人の手でひとつひとつ手作業で丁寧に作られています。手のひらに乗るコンパクトサイズながら、日本の文化と伝統技を堪能できる逸品です。
一般的な招き猫と違い、手のひらを前に向けて手招きしているポーズではないため、海外の方に贈る場合でも「あっちへ行け」というジェスチャーと勘違いされてしまう心配もありません。右手を上げた招き猫は金運を、左手を上げた招き猫は人を招くといいますが、こちらの招き猫は両手を上げているようにみえるため両方のご利益がありそうですね。
柿沼人形
招き猫 星に願いを(ちりめん多色)
海外の方への贈り物にも!日本の伝統工芸品を探すならBECOSをチェック!

BECOSの2021年の伝統工芸品売上ランキングが特集されました!
通販サイトBECOS(ベコス)では、日本が世界に誇る伝統工芸品を中心に、バイヤーが全国から厳選した魅力的なメイドインジャパン製品を取り揃えています。伝統工芸品の種類や価格帯から商品を探すこともできるので、これぞという商品がきっと見つかりますよ。
海外の方への贈り物やお土産に日本の伝統工芸品を検討している方はぜひBECOSもチェックしてみてくださいね。
よくある質問
- 日本の伝統工芸品を海外の方へのお土産にしたいです。予算5,000円でおすすめは?
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富硝子の「うきよヒラリ 豆皿 5点セット」はいかがでしょうか。国の伝統的工芸品にも指定されるガラス工芸「江戸硝子」の技で作られた国内ハンドメイドの豆皿セット。桜のモチーフも日本らしく、海外の方への贈り物にもぴったりです。詳しくはこちらをご覧ください。
- 中国の方への贈り物に日本の伝統工芸品を検討しています。どんなものが喜ばれますか?
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石川県金沢が誇る伝統工芸品「金沢箔」をあしらった製品がおすすめです。中国の方は金色のものを好む方が多いため、きっと気に入ってもらえるでしょう。記事では、金沢箔をあしらった漆器やガラス製品を扱うブランド「箔一」と、箔一のおすすめ商品をご紹介しています。詳しくはこちらをご覧ください。