
言わずとしれた江戸時代の天才浮世絵師「葛飾北斎」現代でも本物の絵は買えるのか?いくらするのか?復刻版はいくらか?調べました。
江戸時代に一世を風靡し、今も国内外問わず高い人気を誇る葛飾北斎。
『富嶽三十六景』などの浮世絵はゴーギャンやゴッホなどの海外の巨匠と呼ばれるような画家にも大きな影響を与えました。
葛飾北斎が亡くなってから150年以上経つ現代でも評価が非常に高く、1998年には「この1000年間に偉大な業績をあげた世界の人物100人」に日本で唯一選出されました。
では葛飾北斎はどのような人物で、絵にはどれくらい価値があるのでしょうか。
今回は葛飾北斎について紹介していきます。
目次
葛飾北斎とは
「奇行の人」と呼ばれていた葛飾北斎
葛飾北斎日本の巨匠と言えますが、江戸時代では「奇行の人」として有名でした。
そもそも江戸時代の平均寿命は50歳程度と言われていたのですが、葛飾北斎は90歳という大往生を遂げ、さらに残した作品は3万点以上、弟子・孫弟子は200人以上いたと言われています。
ここだけ見れば画家としてものすごい人だということだけでも終わるのですが、93回も転居し、約30回も雅号を変えていたのです。
さらに画家だけでなく漫画家としても知られており、さらに薬剤師としても活躍していたのです。
葛飾北斎はただの浮世絵師ではないのです。
勝川派を破門になるもなぜか出世
葛飾北斎は19歳で勝川春章(勝川派)に入門し、「勝川春朗」の雅号でデビューしますが、入門から10年ほど経ってから、他流派を学びに行き、それが春章にばれて破門になってしまいます。
当時は他流派を学ぶことはタブーとされ、破門になると絵師としての人生が終わってしまいます。
その後、琳派に移り、「俵屋宗理」と改め指導者として活躍しました。
その後北斎の美人画は「宗理美人」と呼ばれ大ブームとなりました。
しかし、45歳のときに琳派から離れ「葛飾北斎」と名乗るようになりました。
デザインの才能もあった
葛飾北斎は新しい手法を追求し続け、天保の改革で庶民の娯楽が制限されて、絵師の活動も制限されると、画面構成などを大胆にしていきました。
そして北斎漫画や着物の文様などのデザイン、鉄砲の設計図などをデザインするなどしていたのです。
最後の雅号は「画狂老人卍」
生涯絵師でい続けた北斎は最後の雅号を「画狂老人卍」とし、亡くなる4カ月前には『富士越龍図』には北斎を龍に例えて、富士(限界)を超えて見せるという気迫がありました。
北斎自身は110歳まで生きたいという想いがありましたので、90歳まで生きたのは偶然ではないのかもしれません。
健康を維持するために独学で薬を作り、病気を治したという逸話もあります。
度々展覧会が開催されるなど根強い人気を誇る
葛飾北斎の作品は度々展覧会が開催されるなど根強い人気を誇っています。
葛飾北斎の代表と言えば、“Great Wave”と世界でも知られている「富嶽三十六景」シリーズや19世紀のヨーロッパに大きな影響を与えた『北斎漫画』などが知られていますが、北斎は雅号によって作風が変わっています。
そのため、葛飾北斎と一言で言ってもさまざまなテイストの作品を楽しむことができるのです。
葛飾北斎の展覧会も開催されているため、ぜひ足を運んでみると良いでしょう。
葛飾北斎の作品の値段はいくら?
葛飾北斎の作品は現在どのくらいの価値がつけられているのでしょうか。
本物は保存状態によって価格は異なる
基本的に絵画や骨董などの作品は作者の知名度や希少性だけでなくその保存状態によって価格が異なります。
2019年3月にはニューヨークのオークションで「富嶽三十六景」の中で、朝焼けに赤く染まる富士山を描いた代表作「凱風快晴」が50万7000ドル(日本円でおよそ5630万円)で落札されています。これは、非常に保存状態が良いことから高値での落札になったようです。
一方で、2016年10月4日に放送された「開運なんでも鑑定団」で鑑定された葛飾北斎の「富嶽三十六景・武州千住」は460万円で購入したものだが、実際の鑑定価格は本物でありながら150万円という結果でした。
この時の総評は、本物には間違いないということでしたが、最も早い摺りで保存状態が良ければ460万円よりも価格があがったということでした。
依頼品は少し色があせ始めていたのです。
ただし、もっと保存状態が悪いものがあるため、もっと価格が下がる場合があります。
なお、浮世絵版画は1回に何百枚、富嶽三十六景の場合は何千枚と摺られていたため、一般的な絵画などよりも数が多いため、そこまで価格は伸びないと言えるでしょう。
復刻版は数万から数十万程度
復刻版の価格はコピーなのか、木版画などで再現したものかによって価格が異なりますが、数万円~数十万程度で販売されています。
なお、博物館などで所蔵されているものは多くの場合レプリカで、説明書きにレプリカと書かれていることが多いです。
インテリアにおすすめな葛飾北斎の復刻版を紹介!
葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏
>葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏をもっと詳しく見てみる。
葛飾北斎の富嶽三十六景を当時と同じ技法を使って刷り直した作品です。
職人が一つひとつ丁寧に木版画を掘り上げ江戸時代と同じ原料を使って刷られています。
価格:17,000円~
>葛飾北斎 富嶽三十六景 神奈川沖浪裏をもっと詳しく見てみる。
葛飾北斎 富嶽三十六景 凱風快晴
葛飾北斎の最高傑作とも言われている凱風快晴を江戸時代と同じ技法で複製しています。
ひとつの作品に8枚以上の版木を使い、全て手作業で彫り上げられています。
葛飾北斎 鳳凰図
高橋工房で、手摺木版画で見事に再現された葛飾北斎の「鳳凰図」です。
葛飾北斎の画業の集大成とも言われている名品です。
価格:203,040円
まとめ
葛飾北斎は生前3万点もの作品を残した偉大な画家です。
版画であるがゆえ、価格も1点物と比べると、あまり高くはなりませんが、それでも価値のある作品であることは間違いありません。
数多く作品の中に必ずお気に入りを見つけることができるはずです。
葛飾北斎の作品は美術館などで見ることができますので、葛飾北斎の作品からその美しさや日本の歴史を感じてみてください。