
「木工芸やガラス工芸など日本の伝統工芸品を作る職人になりたい。」そんな人が最近増えています。年間に100人以上の職人さんや工房の方とお会いしますが、後継者問題はとても深刻で、担い手になりたいなと考えている人はどんどん手を上げてもらえたらなと感じています。
職人の世界に入れば、手に職をつけることができますし、職人の世界にあこがれを持つ人も多いです。
伝統工芸業界は、工業製品が主流となっていることや、後継者不足などになっており厳しい現状なのですが、それでも伝統工芸を作る仕事がしたいという人がたくさんいます。
しかし、いざ求人を探しても仕事内容をイメージしにくかったり、企業勤めと比べると待遇面が良くないのではないかという不安でなかなか一歩が踏み出せないという方も多いです。
そこで今回は伝統工芸の弟子募集が掲載されているサイトをいくつかまとめてみました。
目次
伝統工芸職人の主な種類は?
伝統工芸と言ってもさまざまな種類があります。作るものによって内容が全く異なります。
伝統工芸品と言うと黙々と手を動かして作品を制作するイメージがありますが、中には機械を使って加工を行う職人や、ワークショップや教室などを運営しながら制作を行う職人などさまざまです。
ただし、どの伝統工芸でも職人に求められる資質は共通しており、制作に黙々と打ち込める根気強さと美的感覚、そして手先の器用さが必要と言われています。
ここでは伝統工芸職人の種類をいくつか説明します。
ガラス工芸職人
伝統工芸の中でも特に高い人気を誇るのがガラス工芸職人です。ガラス工芸はステンドグラスやトンボ玉、サンドブラストなどさまざまですが、主に切子職人と吹きガラス職人があります。
木工・竹工の伝統工芸職人
木や竹を用いた伝統工芸には箪笥や民芸家具の伝統工芸職人や伝統工芸家具のリペア職人、竹細工の伝統工芸職人が主です。
木工や竹工芸職人は専門学校や職業訓練校に通ってから就職するパターンと高校を卒業してすぐに弟子入りをするパターンの2つが主になります。
金属工芸の伝統工芸職人
金属工芸は鋳金、鍛金、彫金などの技法があります。ガラス工芸や木工の伝統工芸職人と比較すると求人は少なめですが、弟子を募集している工房もあります。
金属工芸は美術大学や専門学校、職業訓練校に通った方や金属溶解技能士、鋳造技能士などの資格を保有している方が優遇される傾向があります。ただし未経験でも弟子入りができる工房もあります。
陶芸家
陶芸家は他の職人と比較すると求人の数が多く、いろんな地域で見つけることができます。
基本的に資格や経験が不要なところが多いですが、美術大学や専門学校、陶芸教室などに通っていた人が多いです。また、陶芸工房の中には教室やカフェを併設しているところがあり、そのような工房は接客や講師の経験がある方を優遇している傾向があります。
漆の伝統工芸職人
漆の伝統工芸職には木地師や塗師、蒔絵師などが挙げられます。中でも人気なのが塗師ですが、1人前になるまで10年以上はかかると言われています。漆塗と言えば石川県の輪島塗や福島県の会津漆器、福井県の越前漆器などが挙げられます。
染織工芸職人
染織工芸は織物工芸と染色工芸があり、糸を染めてから織る工房や織りのみ、染めのみの工房もあります。
和紙の伝統工芸職人
和紙は原料作りや制作、販売までを行うのが一般的です。和紙は基本的に冬場のみの作業になり、その他の季節は材料を収穫したり、畑の管理などを行います。
革細工の伝統工芸職人
革細工の伝統工芸の求人は少ないのですが、工房や革製品メーカーの求人は比較的多いです。
石工の伝統工芸職人
石工の伝統工芸職に日本庭園などにある石の燈ろうなどを加工する石細工職人が多いです。基本的に特別な資格は必要ありませんが、専門学校や職業訓練校で学んでから就職する方が多いです。求人自体は多くはありませんが、他の職人と比べると待遇が良い傾向があります。
伝統工芸職人の弟子募集探しにおすすめのサイト
さて、伝統工芸職人の種類について説明していきましたが、次は伝統工芸職人の弟子募集探しにおすすめのサイトをご紹介します。
伝統工芸の弟子募集は大手求人サイトでは見つけにくいですが、ここで紹介するサイトなら気になる仕事があるでしょう。
四季の美
「四季の美」は日本全国の伝統工芸職人の後継者の募集や求人情報を掲載しています。
伝統工芸品に関わる仕事が数多くあります。さきほど紹介しなかった伝統工芸職人の求人もありますので、見てみるとより伝統工芸職人への視野が広がるでしょう。
日本仕事百貨
「日本仕事百貨」はいろんな人の働き方や生き方が紹介されている求人サイトです。求人募集を行っている企業を取材し、働き方や仕事について紹介されています。日本仕事百貨にはさまざまな仕事の求人募集がありますが、「伝承と継承」というジャンルに伝統工芸などに関する求人募集があります。
すみだの仕事
すみだの仕事とは東京都墨田区の地域の仕事を紹介しているサイトです。このHPには「手に職を持つ」や「モノづくり」という欄があり、伝統工芸職人の弟子募集や求人募集が数多く掲載されています。
もし墨田区でのお仕事を考えている方はぜひチェックしてみてください。
日本手仕事図鑑・てほんびと
日本手仕事図鑑
日本の職人さんや手仕事をしている風景の映像を50本以上掲載しているサイトです。
映像のクオリティーが非常に高く、職人さんや伝統工芸の仕事がとても魅力的に見えます。これから職人を目指したいとい方や学生の方は、映像を見てどの仕事が自分にとって合っていそうかを判断する材料にするのもおすすめです。
てほんびと
てほんびとは伝統工芸職人の求人募集を行っているサイトです。てほんびとは伝統工芸職人の技を動画で紹介する「ニッポン手仕事図鑑」というサイトの姉妹サイトです。
てほんびとは2018年7月にできた新しいサイトなので求人広告はあまり多くはありませんが、今後求人募集が増えていくと期待されています。気になる求人を見つけたらニッポン手仕事図鑑で動画を見てみるのがおすすめです。
葛飾区伝統工芸職人弟子入り支援事業
葛飾区では、伝統工芸の後継者育成のために区が予算を割いて支援を行っています。
前回の弟子募集があったのは2017年でその際は7つの工房や職人さんへ弟子入りができるという内容でした。
葛飾区に問合せたところ、現在はその際に弟子入りした方の育成を行っているとのことで、新規の募集は行っていないそうです。
前回の募集期間は7~8月頃でしたので、次年度の募集などについてはその時期に直接葛飾区へ確認するのが良いです。
COLE
COLEは「工芸×食べる」をテーマにしたWEBメディアです。陶器市などの情報や展覧会などの催事情報が充実しています。
一つひとつのイベントに取材に行かれて、魅力や見どころを分かりやすく紹介しています。求人情報については、現時点では少ないですがこれから増えていくと思いますのでチェックしてみて下さい。
まとめ
今回は伝統工芸職人の種類や弟子募集が掲載されているサイトをご紹介していきました。
伝統工芸職人にもさまざまな種類がありますので自分がやってみたいと思う伝統工芸職人だけでなくいろんな伝統工芸職人の募集を見てみると視野も広がって本当に自分に合った伝統工芸職人が見つかることでしょう。
気になる求人があれば、動画などで実際に作業をしている映像を見れば仕事内容を想像しやすいでしょう。