本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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輪島塗というものをご存知でしょうか。輪島塗は漆器の工芸品の一つです。頑丈さや漆塗りの仕上げの美しさが、高く評価されており、高級漆器として国内外から注目を受けています。物によっては軽く数百万を超える、輪島塗の漆器もあるんですよ。
家庭に一個は漆器があると思いますが、こだわりのある方でなければそれほど、持っている漆器がどんな技法で作られたかは気にしないですよね。
ですが、輪島塗のように、漆器の世界は奥が深いものです。
今回は知名度、品質NO1の漆器「輪島塗」について、漆器の歴史とあわせて、その魅力をご紹介します。
輪島塗の魅力や歴史を知れば、より興味が出てくること間違いなしなので、実際に輪島塗を体験・見学できる場所も紹介していきますね。
日本では全国各地で漆器が作られているのですが、その中でも数十種類以上の漆器が、日本の伝統工芸品として国から指定を受けています。
あまり、漆器の種類に耳慣れない方でも、京都の京漆器は知っている、という人は多いのではないでしょうか。
ですが、石川県で作られる漆器は、漆器に精通している界隈でも、日本屈指の技工が施された漆器として、注目されているのです。
今回は、そんな輪島塗の魅力をご紹介していきたいと思います。
先程も少し触れましたが、輪島塗とは、石川県輪島市で生産される漆器のことです。
漆器を作る際の、大きな特徴がいくつかある輪島塗なのですが、「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」では下記の要件を満たすものが、輪島塗と定められています。
1.下地塗りは、次の技術または技法によること。
1.木地に生漆を塗付した後「着せもの漆」を塗りつけした麻または寒冷紗を用いて「布着せ」をすること。
2.生漆に米のり及び「輪島地の粉」を混ぜ合わせたものを塗付しては研ぎをすることを繰り返すこと。
2.上塗りは、精製漆を用いて「花塗」または「ろいろ塗」をすること。
3.加飾をする場合は、沈金または蒔絵によること。
4.木地造りは、次のいずれかによること。
1.挽き物にあっては、ろくろ台及びろくろかんなを用いて形成すること。
2.板物または曲げ物にあっては、「こくそ漆」を用いて成形すること。
1.漆は天然漆とすること。
2.木地はヒバやケヤキ、カツラもしくはホオノキ、またはこれらと同等の材質を有する用材とすること。
これらが、全て合致するものでなければ、輪島塗とは呼べないということではないのですが、明確に決まりが記されているなんて驚きですよね。
それだけ、日本の漆器文化はきちんと保存し、振興されていかなければいけないということがよくわかりますね。
輪島塗の歴史はとても長いものだと考えられています。
輪島市がある石川県内では、能登半島で6800年前の漆製品が出土していて、輪島でも平安時代頃のものと考えられている遺跡から、漆製品が発見されています。
世界各国でも、木の食器というものは古くからあるのですが、日本の漆の食器ほど精巧な作りをしたものは無いそうです。
今、私達が使っているような食器と、同じ品質のものを1000年以上前の人々も使っていたと考えると、少し不思議な気持ちになりますよね。
そして、今回ご紹介している、輪島塗の特徴がある漆器については、輪島の南側にある西川島遺跡群御館遺跡で酷似した漆器が発掘されています。
また、現在確認されている輪島塗の中で、最も古いものは室町時代に建造された重蔵神社の中にある、朱塗扉と言われています。
この「朱塗扉」は室町時代、大永4年(1524年)に作られたものだと考えられています。
また、現在に続く輪島塗の技術が確立されたのは、安土桃山時代から江戸時代初期の頃と伝えられています。
このあたりから、現代の輪島塗に近い技術が取り入れられるようになり、江戸時代の寛永年間には、ほとんど現代の輪島塗と同じ技術ができあがっていたそうです。
輪島塗は堅牢さが特徴のひとつなのですが、当時輪島に寄港地があったことから、海路を使った商売を行っており、堅牢な輪島塗の漆器は、船旅に耐えて日本国内の様々な場所に販路を拡大し、日本各地で使われていたのです。
時代が江戸時代中期に進み、享保へと元号が変わると、漆器の技法の一つである沈金が確立されました。
その約100年ほど後、沈金に遅れる形で蒔絵も、輪島に技法が伝わることとなります。
現代にも続く、美しい装飾が施された輪島塗は、この頃になって完全に近い形として成り立ったのです。
この後にもご紹介するのですが、輪島塗は漆器の中でもはっきりと分業されているのが特徴なのですが、この分業が進んだのは「沈金」や「蒔絵」が技法に取り入れられるようになったこの頃からです。
現代においても、輪島塗は非常に高価な漆器として広く販売されています。
現在は、ボールペンからスマートフォンのケースまで、様々なところで輪島塗が応用されていて、現代から未来にかけて、この伝統技術が廃れないよう、その時代に即した形で輪島塗を維持しようと、職人たちは奮闘しています。
輪島塗の歴史をふれていく中でも、いくつかお伝えしてきましたが、改めて輪島塗の特徴をご紹介していきたいと思います。
現代においても、高級漆器として名高い輪島塗ですが、今でなお高級漆器として親しまれているのは、100を超える工程から生み出される、堅牢さと美しさです。
その工程は、大きく分けて木地(きじ)・きゅう漆(きゅうしつ)・加飾(かしょく)の3つに分けられます。
木地の過程で、先程ご紹介した「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」にもある通り、木地に生漆を塗付した後麻や寒冷紗をつかって「布着せ」という補強作業補することで、輪島塗の堅牢さを実現しています。
きゅう漆においても、輪島塗独自の特徴があります。
漆器を作るときに、必ず行う漆付の作業を「本堅地」と呼びます。
この工程そのものは、漆製品では基本的な工程なのですが、輪島塗の本堅地の工程では、生漆に「輪島地の粉」と呼ばれる焼成珪藻土を使用しており、これは輪島塗ならではの特徴です。
使っている素材が特徴的なだけではなく、輪島塗では、きゅう漆の工程が、漆器の品質に大きく関わると考えられていて、特にこの工程はこだわられ研究されていたそうです。
漆は1ミリ以下の薄さで、何層にも分けて塗られていき、塗る回数を重ねるごとに、漆を極限まで薄く塗っていくそうです。
そうすることで、漆器の完成したときの品質の向上を図っていったそうです。
先程、輪島塗は100を超える工程があり、大きく分けて木地・きゅう漆・加飾の3つの工程があるとお伝えしました。
今度は、輪島塗の椀について、より詳しい作り方をお伝えしていきたいと思います。
漆器とひとくくりにいっても、用途にあわせて形状は様々です。
この木地の工程では、乾燥させた、原木から用途にあわせた形状に彫り出していきます。
輪島塗は完全な分業制が特徴とご紹介しましたが。
ここでも、それぞれの技法を得意とする専門の職人がいて、作業が分担されているそうです。
それでは、4つのそれぞれの技法について、少しだけふれていきたいと思います。
椀、皿や鉢などがこれにあたり挽物木地とも呼ばれています。
ロクロやカンナを使って、丸い形に彫り出していきます。
主に、トチ・ケヤキ・ミズメザクラなどが材料として使われています。
角物木地とも呼ばれており、重箱や硯箱、膳、四角いお盆など、四角い形状のものを彫り出していきます。
材料はアテやヒノキ、キリなどが使われています。
丸盆や弁当箱など、丸くて薄いものへと加工されます。
材料はアテやヒノキが主に使われています。
スプーンや座卓など、複雑な曲面がある形のものを彫り出していきます。
朴木地だけではなく、刳物木地とも呼ばれています。
材料は、ホオやカツラ、曲物木地でも使われるアテが良く使われています。
輪島塗の歴史でもお伝えしたとおり、輪島塗の大きな特徴は漆にあります。
漆器の伝統技法の「本堅地」の下地技法のこだわり、漆器の品質向上に努めています。
木地に生漆を塗り、漆で麻や寒冷紗を貼り付ける「布着せ」という作業を行い、木地の弱い部分を補強していきます。
また。
ここで使用される下地漆は先ほどもご説明した、輪島地の粉と呼ばれる地域特産の珪藻土(けいそうど)をしようしています。
この、珪藻土を混ぜ込み、漆と結びつくことで、断熱性に優れた、頑丈な被膜を生み出すことができるのです。
また、この下地の工程では、輪島塗ならではのこだわりがまだまだあります。
地の粉(ちのこ)の粒子が洗い物から細かいものへと、漆への配合を変えていき、漆を何度も重ね塗りしていきます。
地の粉は荒いものでも1ミリ以下で、非常に繊細な作業となっています。
この幾重にも重ね塗りされた漆によって、輪島塗特有のきめ細やかな仕上がりが実現されているのです。
上塗りでの工程では、装飾を除いた全体的な仕上げの作業となります。
ハケを使って最後の漆を塗っていくのですが、ホコリやチリが付着すると、跡が残ってしまう可能性が非常に高いので、特殊な専用の部屋が用意されていたりと、最新の注意を払って作業が進められていきます。
漆と一概に言っても複数の種類の漆があり、作っている漆器の形状や、その時の季節や気候に応じて、漆が調合されています。
つまり、輪島塗の漆器は一つとして同じものは無いということですね。
輪島塗の美しさを支える、ある意味花形の工程といってもいえるのが加飾です。
沈金や蒔絵といった、様々な技巧が用いられて美しい装飾が行われます。
そして、加飾で用いられる、代表的な技法は3つに分けられます。
呂色は、漆塗りの仕上げの技法のことを指します。
他にも塗りたてや変わり塗りなど様々な技法があります。
塗りたては塗りっ放しとも呼ばれ、文字通り仕上げに塗った漆をそのままにし、漆本来の質感を楽しむことのできる技法です。
それに対して、呂色は専用の炭を使って上塗りを研ぎ、漆をすりこみながら磨く、という作業を何度も繰り返していきます。
仕上げは人の地肌で磨き上げていくのですが、漆独特の透明感のある見た目や、なめらかな質感は、こうした丁寧な仕上げの作業から生まれているのです。
漆器の表面に漆を使って模様や文字などを描き、その漆が乾く前に金粉や銀粉をまくことで、金や銀の金属粉を漆器へと模様付けしています。
蒔絵の金粉や銀粉を「蒔く」ことから来ています。
漆器の表面を彫り込むことで模様や文字を描き、そこに漆を刷り込み、金粉や銀粉を入れ込むことで、模様を浮かび上がらせる技法です。
沈金の技法は輪島塗だけでなく、会津塗でも親しまれている技法です。
ここまで、輪島塗ができるまでをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
輪島塗が、現代の日本において高級漆器と親しまれる理由が、わかっていただけたかと思います。
特に、輪島塗の華やかさを支えている「沈金」と「蒔絵」について、もっと詳しく知りたいと思っていただけたのではないかと思います。
そこで、ここでは「沈金」と「蒔絵」成り立ちから技法のより詳細なお話しまで、深く掘り下げていきたいと思います。
沈金の歴史の始まりは、日本ではなく中国であると言われています。
中国がまだ宋の時代の頃、「鎗金」と呼ばれる技法がうまれました。
それが日本の「沈金」の起源であると言われています。
「鎗金」は室町時代(南北朝時代)に日本に伝わったとされていて、現在でも当時中国から渡ってきたと言われている、鎗金が施された経典箱が残っています。
「沈金」と呼ばれる技法が確立したのは、それから少し時間が経ってからでした。
江戸時代の享保年間に入ってから、輪島の大工である五郎兵衛が鎗金にヒントを得て、ノミを使って漆器の表面に文様を彫り始めたのが、「沈金」そのものの起源と言われています。
沈金は文字通り、漆器に対して金粉が沈んで見えることから、そう呼ばれているのですが、蒔絵と違って、金粉が漆器の表面ではなく彫り込まれた中にあるので、独特な雰囲気を醸し出しています。
今度は実際に沈金で文様が出来上がるまでの過程をご紹介していきたいと思います。
下絵(したえ)
文字通り、漆器に書き出す文様の下絵を書きます。
主に和紙をおいて下絵を書くことが多いのですが、筆で直接漆器に書き込む場合もあります。
置目(おきめ)
置目とは、下絵で書き出したものを実際に漆器に転写していくことです。
下絵の段階で、直接漆器に描いた場合は、この工程はありません。
素彫り(すぼり)
沈金ミノを使って、置目に沿って実査しに漆器をほっていきます。
沈金で描かれる文様は点と線を組み合わせることによって生み出されているのですが、線・点・擦り・片切り彫りと4つの技法が用いられています。
漆の摺り込み
彫った部分に、漆を摺り込んでいきます。
箔置(はくおき)
漆を塗った部分に金箔や金粉を貼っていきます。
摺り込みの段階で、漆がはみ出していたりすると、きれいに文様が浮き上がらないので、摺り込みは彫りのとおりきれいに行う必要があります。
乾燥
漆に金箔や金粉を定着させるために、漆を乾燥させていきます。
ここで特徴的なのが、ただ乾燥させるのではなく、適切な湿気を与えながら漆を乾燥させていくことです。
仕上げ
乾燥が終わったら、必要の無い金箔を剥がし完成です。
先程、輪島塗の作り方でも少しご説明しましたが、「蒔絵」とは、漆器の表面に漆を使って模様や文字などを描き、その漆が乾く前に金粉や銀粉をまくことで模様付けていく技法のことを指します。
「蒔絵」の起源は諸説あるのですが、中国もしくは日本が起源であると考えられています。
日本では奈良時代の頃から。
「蒔絵」の技法が始まったとされています。
金銀の美しい文様は、平安時代の貴族から、江戸時代の武士まで広く親しまれ、長い時を経て受け継がれたことにより、進化していきました。
かの有名な豊臣秀吉も非常に好んでいたとされ、豊臣夫妻が祀られている霊屋からも蒔絵が施された調度品が発見されています。
こうしたことから、当時流行した蒔絵は高台寺蒔絵とも呼ばれています。
長きに渡って愛されてきた蒔絵ですが、輪島塗に使われるようになってきたのは、江戸時代の後期になります。
沈金より少し遅い文政の時代に、会津の蒔絵師が輪島にその技法を伝えたのが始まりと言われています。
この頃にはすでに沈金の技法は輪島塗にあったとされているのですが、当時の輪島塗は、実用漆器としての側面が強かったそうです。
この時代に蒔絵がもたらされたことで、その後、輪島塗は装飾が美しい漆器へと変化していったのです。
蒔絵は、実はいくつかの技法に別れています。
その違いについて簡単にご説明します。
下地に生漆で絵などの模様を書き込み、金粉などを蒔き乾燥させます。
固まったところで、漆を重ね塗りし、磨き上げることで光沢のある仕上げにしています。
漆や炭粉などで、絵柄の部分だけを高く盛り上げます。
その上に平蒔絵のように漆で絵柄を書き込み、金粉を蒔きます。
その後、更に漆を重ね塗り、磨き上げます。
高蒔絵の特徴は、絵柄の部分が盛り上がっていることによる立体感です。
特に他の技法と比べて、難易度が高いものとなっているので、最高級の蒔絵技法となっています。
途中までは、平蒔絵と同じ作業をしていきます。
蒔絵の上を、透明漆や色漆で塗りつぶし乾燥させます。
その後、木炭で蒔絵がされている面まで研ぎ出します。
こうすることで、絵柄が表面と同じ高さになるのです。
沈金のときと同様、蒔絵も様々な工程を経て完成します。
次は、蒔絵が出来上がるまでの作業工程について、ご紹介していきます。
今回は一番ポピュラーな平蒔絵で、蒔絵作成の工程をお伝えしていきたいと思います。
下絵
沈金と同じく、和紙などで下絵を用意します。
置目
ここまでは沈金と作業は同じです。
下絵をもとに漆器に絵柄を転写していきます。
絵付け
置目の上から漆で、絵を描いていきます。
ここで塗った漆が、このあと蒔く金粉を漆器にくっつけるための、のりとしての役割を果たします。
粉蒔(ふんまき)
絵付けで塗った漆が乾く前に、金粉を漆器へ蒔いていきます。
金粉を蒔くときには、金粉を粉筒(ふんづつ)に入れて、指で振動を与えながら、絵付けされているところに向かって、金粉を蒔いていきます。
粉固め(ふんがため)
粉蒔で出た余分な金粉を取り除き、蒔いた金粉を漆で更に重ね塗りをして、乾燥させていきます。
粉研ぎ(ふんとぎ)
粉固めをした場所を金粉が表面に現れるまで、砥石で磨いていきます。
胴摺り(どうずり)
砥の粉を使って、粉研ぎのときなどにでた、傷を磨いていきます。
この工程は、漆器特有のつややかな表面の質感を出すために、重要な工程なので、特に入念に行います。
摺り漆(すりうるし)
金粉がある部分に、漆を摺り込んでいき、金粉が取れていかないように固めます。
この後、艶を出すために、磨く作業と、摺り漆を繰り返していき、金粉を固めながら艶のある状態へと仕上げていきます。
ここまでで、「輪島塗」やそこで使われる「沈金」や「蒔絵」の技法について、ご紹介してきましたが、輪島塗のことや詳しい歴史を知って、より興味が湧いてきたのではないでしょうか。
冒頭でもお伝えしたとおり、輪島塗など日本の工芸品は、国内外で注目を集めています。
ですが、注目を集めている一方、職人の高齢化や後継者不足で悩まされています。
今回の記事で、輪島塗や、日本の工芸品に興味を持っていただけたのなら、実際に買ってみたり、手作り体験に参加したりと、楽しんでいただけたら嬉しいです。
輪島塗の歴史や魅力をお伝えしてきましたが、実際に輪島塗の職人になるにはどうしたらいいのか、少し興味が湧いてきているのではないでしょうか。
先にもお伝えしましたが、少し前から、日本の伝統工芸の産業は少しずつ規模を減らしていってきています。
生産額の減少や後継者不足、職人の高齢化によって、工芸産業は苦境に立たされています。
そうした状況から、実際に伝統が途絶えてしまった工芸品というのも少なくはありません。
ですが、冒頭でもお伝えしたとおり、輪島塗は現在国内外問わず強く注目を集めており、工芸品の輸出産業は年々と増加してきています。
日本の工芸品は実用性が高いことはもちろん、装飾的にも非常に価値が高いものが多く、芸術的側面が高いものも人気を集めるようになっています。
近年、職人の高齢化が進んで来ていることは間違いないのですが、芸術性に興味をもって工芸品の世界に飛び込む若者も、少しずつ増えてきています。
工芸品の職人、特に輪島塗の職人になるために、どういったルートがあるのかご紹介していきたいと思います。
<http://www.pref.ishikawa.lg.jp/kyoiku/bunkazai/shikken/index.html>
輪島塗の職人になるための、一番の近道は石川県立輪島漆芸技術研修所に通うことです。
入学試験を受ける必要はあるのですが、漆器の経験のある人から、全くの未経験の方まで、年齢にかかわらず入学ができます。
未経験者は、漆器についての基礎から学ぶことになるのですが、普通研修過程に進むと、そ地、きゅう漆、蒔絵、沈金に関しての技術を輪島塗の人間国宝から直接指導を受けることができます。
この、普通研修過程の卒業生の8割は漆芸に関わる進路に進んでいるそうです。
多くは就職したり、弟子入りをしたり、自身で制作活動を続ける方など様々います。
募集は毎年10名弱と、狭き門のようですが、実際に人間国宝から指導を受けられるめったにないチャンスなので。
興味が湧いてきた方は一度、見学などしてみてはいかがでしょうか。
輪島塗職人に直接的になれると道とは限りませんが、伝統工芸が学べる学校に進むということも選択肢の一つです。
先の石川県立輪島漆芸技術研修所でも、未経験者と経験者で別れていたとおり、漆器の職人になるうえで、最低限の漆器の工芸知識というのは必要不可欠です。
大学で工芸学を学び、更に職人養成コースなどに通うことで、漆器職人のスタートへと向かうことができます。
輪島塗の職人になりたいのであれば、このように工芸職人としての、スタートラインに立った後に、輪島塗の職人に弟子入りするのがおすすめです。
これは難易度が相当高い方法ですが、いきなり輪島塗を作っている工房に行き、職人に弟子入りするのも一つの方法です。
学校で工芸技術をある程度学んでいれば、可能性はあるかもしれませんが、非常に高い壁があることは間違いないので、個人的には上2つの方法をおすすめします。
輪島塗の職人になるための方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
伝統工芸の世界なんて、縁を遠く感じてしまうものですが、少なからず職人になるための道はあります。
手に職をつけて個人で稼げるようになることが、これから重要になる日本で、工芸技術で身を立てていくというのは、一つの選択肢として良いのかもしれません。
「いきなり、職人になるなんてハードルが高すぎる。
」「職人になるとまでは言わないけれど、輪島塗は体験してみたい。
」そんなあなたに、輪島塗など、漆器の体験や見学ができる場所をご紹介していきます。
子供から大人まで楽しめること間違いなしなので、興味が湧いた方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
<http://nuritaro.jp/>
【体験料】1,000円~10,000円
【住所】石川県輪島市河井町1-95
お椀や箸など、漆塗りの定番から、小物入れやペンダントまで幅広いもので輪島塗を体験しながら作ることができます。
なんと、作れるアイテムは50種類以上あるそうですよ。
<http://ringisland.jp/nagaya/menu/>
【体験料】1,500円~2,500円
【住所】 石川県輪島市河井町66-1
輪島工房長屋では、沈金や蒔絵を実際に体験することができます。
体験用のパネルに模様づけを沈金で体験することができ、蒔絵と沈金それぞれで、My箸を作ることができます。
<https://www.city.wajima.ishikawa.jp/art/home.html>
【入館料】650円(一般)/310円(高大学生)/150円(小中学生)
【住所】石川県輪島市水守町四十苅11
石川県輪島漆芸美術館は世界でも珍しい、漆器のみを展示している美術館です。
輪島塗の展示や、漆器制作の実演、漆器の手作り体験まで、様々な日本の漆器文化にふれることができます。
今回ご紹介した輪島塗の歴史についても、より詳しく資料やビデオで見ることができます。
また、この美術館では頻繁にイベントを開催しているので、いつ行っても新しい楽しみを見つけられること間違いなしです。
石川県に足を運ぶ機会があれば、ぜひ一度行っていただきたい場所です。
輪島塗に興味を持って手作り体験や見学をしてみたいという方に向けて、輪島塗に限らず、蒔絵、沈金を体験したり、見学することができる場所をご紹介していきました。
ここでご紹介した場所すべては、どこも大人から子供まで楽しめるところなので、家族連れからカップルの方まで、幅広いシーンで楽しんでいただけると思います。
ここまで、輪島塗について歴史や魅力、実際に体験できるところや、輪島塗についてさまざまなことをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
冒頭でもお伝えしたとおり、日本の伝統工芸品は、近年国内外問わず注目を集めています。
普段あまり食器に対してこだわりが無かった方は、漆器について興味を持っていただければ嬉しいです。
輪島塗に限らず、日本の工芸品を買ったり、体験したりすることで、この素晴らしい日本の文化に触れていただきたいと思います。
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