伝統を大切にした現代の加賀友禅着物5選

本記事の制作体制

熊田 貴行

BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。

Journal編集長
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美しい絵画を見ていると、どこか心が和みますよね。日本には様々な手法を用いた絵画などがありますが、伝統工芸品に対して施した絵も魅力的です。

また、絵ではなく着物などにまるでプリントしたかのような色鮮やかさを取り入れた加賀友禅は、見ているだけでも惚れ惚れします。

高級品のイメージが強い加賀友禅ですが、いったいどのような歴史がある技法を取り入れているのでしょうか?

ここでは、加賀友禅の魅力やおすすめしたいアイテムを紹介します。

目次

加賀友禅の代表的なポイント

加賀友禅の歴史は非常に長く、加賀国(石川県南部)で誕生した技法です。

現在でも、経済産業大臣指定伝統的工芸品に位置付けられており、金沢市を中心に制作・販売されています。

源流は、室町時代に加賀国で行われていた無地の梅染めがベースになっており、絵師であった宮崎友禅斎さんが晩年、金沢の加賀藩御用紺屋棟取であった太郎田屋に身を寄せて、加賀御国染に対して大胆な意匠を持ち込んで確立しています。

その加賀友禅には、次のような特色があります。

文様

加賀友禅においては、絵画調であることが重視されています。

また、自然や古典をモチーフとしているものが多いのが特徴です。

まるで絵画のようなイメージがあるのも、このスタンスであるが故なのです。

ダイナミックな色彩を取り入れつつも、ナチュラルな印象が強いのも良いですね。

配色

絵柄だけでなく、加賀友禅では多彩であることが求められます。

その中で、加賀五彩と呼ばれる臙脂・藍・黄土・草・古代紫の五色を基調としているという点にも注目です。

他にも、古典の色調を伝承していることによって歴史を伝承しているという側面があります。

技法

文様や配色以上に、加賀友禅では技法に強いこだわりがあります。

主なポイントとしては、下絵に青花を用いていたり絵画としての線を生かしている点が挙げられます。

また、文様同様に自然のままを象徴としたものや虫食いや先ぼかしと言った古典的な技法が用いられているかも重要です。

ろうけつや蒔絵、しぼりと言った他の染色技法との混合をなるべく排除したものでなければなりません。

おすすめの加賀友禅のアイテム

ここでは、加賀友禅の良さを実感できるアイテムを紹介していきます。

伝統を大切にした現代の加賀友禅着物その1
日本の象徴とも言える植物文様が描かれた最高級黒留袖

本加賀友禅 「毎田仁郎」氏作 最高級黒留袖 フルオーダー国内手縫い仕立て付き パールトーン加工付き

こちらは、加賀友禅を背負う代表的な作家人間国宝である木村雨山さんに直接師事を受けた、毎田仁郎さん作の最高級手描き黒留袖です。

奥ゆかしく抑制された色調の花鳥風月や、静かで品格のある存在感が魅力的です。

加賀伝統の深みある色彩感覚によって、着るかたの佇まいを美しく見せてくれますよ。

さわらび~ほりだし堂~
本加賀友禅 「毎田仁郎」氏作 最高級黒留袖 フルオーダー国内手縫い仕立て付き パールトーン加工付き

伝統を大切にした現代の加賀友禅着物その2
はんなりと美しい 淡いカラーリングの訪問着

本加賀友禅特選訪問着「花水木小枝散し」

全体的に淡いカラーリングが印象的な着物となっています。

美しい!と思わずため息がこぼれるような魅力的なアイテムで、明るさを込めたその色としとやかな気品が最高です。

はんなりと美しくて、ひと目で心奪われる逸品の風格が感じられます。

上質な濱ちりめん地を厳選して使用しており、淡く品良い桜色に染め上げることでより素材の良さを強調しています。

京都きもの市場
本加賀友禅特選訪問着「花水木小枝散し」

伝統を大切にした現代の加賀友禅着物その3
幅広い年齢層に 牡丹模様が華やかな訪問着

加賀友禅 訪問着 本加賀友禅 木村喜博氏作 牡丹 薄赤紫色と薄青色

若者向きな着物が欲しい場合におすすめなのが、こちらのアイテムです。

着物全体に2色の牡丹をダイナミックに描いた力作で、非常に存在感があります。

薄赤紫色と薄青色で構成されていて、華やかな印象のあるアイテムとなっています。

披露宴、パーティーなどに華やかな社交着として活躍間違いありません。

しぼの美しい浜ちりめん生地を使用しており、軽さも感じられます。

また、50代の方でも使用できるので幅広い年代におすすめしたい着物です。

さわらび~ほりだし堂~
加賀友禅 訪問着 本加賀友禅 木村喜博氏作 牡丹 薄赤紫色と薄青色

伝統を大切にした現代の加賀友禅着物その4
柄のない部分こそ重要 柄とのバランスも考えられた訪問着

本加賀友禅 藤村 建雄 作「八重梅花空木に槙」 浜ちりめん 訪問着

柔らかな地色に同色系の濃淡と白を基調とした八重梅花空木が描かれています。八重梅花空木はウツギの近品種で、ウメの花に似たお花です。

柄のある部分に目線がいきがちになりますが、この訪問着を作られた本加賀友禅作家の藤村建雄氏は、本当は柄のない部分がとても重要と、着物の柄のある部分と、柄のない部分の面積の比率をいつも気にかけて作品を作られているそうです。

色合い、柄のある部分ない部分と、全てバランスが整った作品と言えそうです。

あすかや
本加賀友禅 藤村 建雄 作「八重梅花空木に槙」 浜ちりめん 訪問着

伝統を大切にした現代の加賀友禅着物その5
モスクの壁面装飾をモチーフとした柄 アラベスク訪問着

【戸田雪心】伝統的工芸品 特選本加賀友禅訪問着「アラベスク」

加賀友禅に打ち寄せる新しい波のひとつとして、女流作家さんたちの存在があるそうです。

着物といえば花鳥風月の美しい和柄の印象が強いですが、こちらは「アラベスク」と名付けられており、モスクの壁面装飾をモチーフとしたアラベスク模様の花唐草を生地一面にあらわされています。

伝統も継承しつつ新しいものを取り入れられた、一目置く訪問着です。

京都きもの市場
【戸田雪心】伝統的工芸品 特選本加賀友禅訪問着「アラベスク」

まとめ

加賀友禅の着物は、色彩豊かで着ていても格式の高さを実感できます。

伝統的な技法を大事にしつつも、モダンさも適度に取り入れて時代の流れにうまく適合しています。

着物がメインで決して安いものではありませんが、次世代にも受け継ぐことができるものとして是非購入を検討してほしいですね。

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