
伝統工芸品の中で圧倒的な知名度と人気を誇る「江戸切子」について歴史や魅力、製作の体験ができる場所やおすすめの商品を紹介したいと思います。
日本の伝統技術は、今世界に高く評価されています。
これは、国家戦略として日本の技術を売り出そうという流れがあるためであり、クールジャパンが代表例となっています。
その流れに乗じで、日本人の中でも忘れかけていた技術などにも改めて高い注目を集めているのです。
その代表例として、江戸切子があります。
江戸切子は美しい模様と日本を強く連想させるものであることで、海外からの旅行客にとっても欠かせないものとなっています。
ただ、日本人の中でも江戸切子の良さであったりその成り立ちなどを理解している方が減っているのが実情です。
では、江戸切子の特徴や有名なブランドなどにはどのようなものがあるのでしょうか?
ここでは、江戸切子について徹底解説していきます。
目次
江戸切子とは?
では、最初に江戸切子の概要について紹介していきます。
江戸切子協同組合の登録商標!
江戸切子という言葉は、意外なところでよく見かけます。
ただ、これは誰でも名乗れるわけではありません。
現行では、江戸切子協同組合の登録商標となっているのです。
基本スタンスとしては、江戸切子協同組合の組合員が作成した江戸切子だけが江戸切子として名乗ることができます。
よって、江戸切子協同組合の組合員以外が制作した製品に対して、江戸切子を使用することはできません。
江戸切子には明確な定義がある!
単に、江戸切子は登録商標となっていて他者が名乗ることができないものとなっているわけではありません。
仮に、江戸切子協同組合の組合員であっても、ある一定の条件を満たさない限りは、切子製品であっても江戸切子は名乗れません。
江戸切子を名乗ることができる条件としては、以下が該当します。
- ガラスであること
- 手作業であること
- 主に回転道具を使用すること
- 江東区を中心とした関東一円で指定された区域で生産されていること
切子教室でも名乗れない!
日本の伝統芸能である切子は、特にお年寄りにとっては憧れの存在であり、自分の手で作ることもできる手軽な切子も多く存在しています。
各地には切子教室が存在しており、その切子教室の中で全国様々な切子を教えています。
ただ、江戸切子に対してはその価値を守るために、切子教室では江戸切子自体を教えることは可能ですが、それを販売目的で使用することはできません。
そこまで徹底管理するのは、それだけ江戸切子というものが高い価値があり、それを守りたいがためにここまで厳重な管理を行っているのです。
組合員にも制限がある
江戸切子協同組合で組合員制度を採用しているポイントとして、江戸切子の作り手や加工場の振興及び発展等を目的としています。
しっかりと江戸切子に対して理解しており、その理解の範囲内で自ら作り出すことだけでなく今後の発展も目的としているのが特徴です。
非常に閉鎖されているイメージがありますが、組合員になることも可能です。
もし賛同したい場合は、所定の規定と審査を経て出資することで、加入する事ができます。
但し、江戸切子と名乗るためには、全国どこでも良いわけではなく江東区を中心とした関東一円で生産する必要がある点には注意が必要です。
ただ、その趣旨に賛同して組合員となって普及に寄与するというのも良い考えかたですね。
江戸切子の歴史
江戸切子には、深い歴史があって紆余曲折を経て今の繁栄を築いています。
ここでは、江戸切子の歴史について解説していきます。
ビードロ屋から誕生した!
江戸切子のルーツとしては、諸説がありますが最も有力な説があります。
その歴史を紹介すると、1834年に江戸大伝馬町のビードロ屋であった加賀屋久兵衛が、金剛砂を使用してガラスの表面に対して、彫刻で模様を施したのがルーツと言われています。
ビードロとはあまり聞き慣れないかもしれませんが、ポルトガル語でガラスを意味するフレーズです。
ビードロ自体も歴史があり、ちょうど天保時代に多くのビードロ製法が生まれて、今でも引き継がれています。
話を戻して、加賀久氏は日本橋通油町の硝子と眼鏡問屋である加賀屋から暖簾分けして、切子も取り扱うお店をオープンします。
1873年には、明治政府における殖産興業政策の一環として、品川興業社硝子製造所が開設されます。

品川興業社硝子製造所 品川歴史館資料より引用
これによって、日本での近代的な硝子生産の試みがスタートしたことになります。
外国から技術が継承された!
江戸切子は日本の技術であるイメージがありますが、実際には外国からもたらされた技術です。
1881年に、当時最先端の技術があったイギリスからカットグラスの技術を導入することになりました。
この流れから、カットグラス技師であったエマヌエル・ホープトマン氏が日本に招聘され、技術導入が行われました。
この際には、数名の日本人が師事して、当時最先端の技法をベースとして、様々な技法が確立され独自の発展を遂げています。
江戸切子のルーツとしては、長崎を窓口として広まった蘭学によって、江戸の硝子技術や職人が形成されていったのです。
その中には、薩摩切子が廃絶されたことによって技術の移転されたこと、またイギリスやアイルランドのカットグラス技術が融合したことによって形成されていったのです。
この成り立ちからも、多分に海外の技術が取り入れられていることが伺えますね。
江戸切子の繁栄
大正期から昭和初期にかけては、大正文化やモダニズムの時代に突入していきます。
その中で、特にカットグラスは人気となって、様々な商品が誕生しました。
代表例としては、食器などがあり、他にもランプにいたる多様な形で普及していきます。
今でも、和ガラスというジャンルでその技術が用いられています。
第一次世界大戦に突入した中で、産業構造が変化して素材の研究によって安価なソーダガラスの素材が発見されたり、クリスタルガラスの研磨の技法自体も急激に発展したこともあり、高級品の代名詞的存在となっています。
当時のメーカーとしては、佐々木硝子、岩城硝子、岡本硝子などがありました。
この時期、多くの問屋が誕生して、今でも現存している問屋もあります。
戦争のダメージから復興!
戦後、主な生産地であった江東一体は壊滅的なダメージを受けることになります。
また、ガラス業界に大きな制限がかかっていたこともあり、壊滅的打撃を受けていました。
この状況から、旧軍向け光学レンズを製造した保谷硝子が新たにガラス食器に参入して、技術転用し後に世界的なクリスタルガラスブランドへと発展するなど、徐々に復興に向け進んでいきます。
他にも、GHQの進駐によってガラス食器や高級シャンデリア等の輸出などが積極的に行われていた点、そして高度経済成長期などでガラス製品が一般家庭でも普及したという点もあります。
昭和50年代に入ると、行政によって伝統工芸や地場産業振興の政策が打ち出されます。
組合が江戸切子として東京都伝統工芸品指定を受けるなど、伝統工芸の看板として掲げた活動が進行し始めます。
ただ、バブル崩壊によって長期的な不況を受けており、メーカーや問屋、吹きガラス工場の廃業や撤退が目立ち始めます。
また、負の連鎖として職人育成の余裕も減らすということをもたらして、後継者の不足と高齢化の課題を抱えています。
その中でも、江戸切子協同組合の尽力によって、今でも日本を代表するガラス細工として名を馳せています。
江戸切子の作り方
江戸切子とは、様々な工程を経て製造されています。
ここでは、江戸切子の製造方法について、5大工程に分けて紹介します。
①割り出し・墨付け
まずは、対象となるガラスを回転台の上に載せます。
この回転台のことは、割出し台とも呼ばれています。
回転させた上で、ガラスをカットしていくための基本線をマジックで描いていきます。
絵画の世界で言う、下絵のようなイメージで大雑把な線を描いていきます。
あえて、ここでは大雑把で細かなカットまでの模様は描いていかないのが特徴です。
ちなみに、昔は墨付けと呼んでいて、手を用いて竹棒と墨等で描いていました。
今でも、マジックこそ使いますが、墨付けと呼ぶのが一般的です。
②荒摺り
割り出し・墨付けによって目安を付けたら、実際のカット工程になる荒摺りを行います。
基本的には、ダイヤモンホイールにガラスの表面を押し当てる形で、模様の基本となる溝を削っていきます。
この際に、先に付けた基準線に従って点から点という形で削っていきます。
この工程はすべて手作業で行うので、経験の差が大きく露呈する工程となっています。
ただ、逆に職人によって味わいが異なる要因にもなっているのが特徴です。
荒削りが完了したら、次にダイヤモンドホイールを交換しつつ細かな模様を削っていきます。
カットが完了しても、まだ半透明でザラザラしている状態となっています。
③石掛け
荒削りな状態でザラザラしている状態に対して、石掛けと呼ばれる工程である程度仕上げています。
まずはじめに、底の部分に対して平面に回転する砥石の円盤を当てることで、滑らかにします。
その後、カットした線を石掛けすることで、手触りが非常に良いものとなっていきます。
この時点で、細かい模様も砥石で削り出してほぼ完成形に近づけていきます。
④磨き
江戸切子としての美しさを出すために、最終工程として磨きを行います。
カット面を木板と呼ばれている木製ホイールに対し、磨き粉を付けて磨いていきます。
次に、布生地のホイールを使用して磨き上げて、カットを輝かせます。
この時点でほぼ完成するのですが、割出しの時に書いたマジックの跡や、カット時の粉、磨き粉の残りなどを洗浄します。
⑤検査
最後に、作り上げた江戸切子が「江戸切子」としての条件を満たすものであるか、傷などのダメージがないかをベテランの職人がチェックする検査工程があります。
これによって、非常に高いレベルの江戸切子をキープできるとあって、重要な工程の一つとなっています。
江戸切子の代表的な文様
江戸切子と一概に言っても、様々な文様があります。
それぞれに特徴があり、また異なった歴史もあるのです。
代表的な文様の種類や特徴は以下の9種類に分類できます。
①魚子
魚子は、江戸切子の中でも代表的な模様として位置づけられています。
江戸切子の日は7月5日となっていますが、この7月5日もななこから設定されています。
魚子は、魚の卵をイメージして刻み付けられる細かな文様のことを指します。
光に照らされると、成長した魚の鱗のようきれいに輝くのが特徴です。
シンプルでありますが、逆に難易度の高いカット方法でありますので、職人の腕の差が如実の現れる模様です。
さりげなく施される魚子については、気品高い芸術品にまで昇華させることが可能です。
②六角籠目
六角籠目は、六芒星が連なって形成されています。
六芒星は宇宙の力を宿すと信じられており、昔から魔除けとして用いられてきた歴史があります。
六芒星を連ねることによって、より強力な魔除け効果が期待できます。
また、人々に幸運をもたらすとも言われる紋としても人気です。
③八角籠目
八角は、一般的に陰陽の中間に立っていると言われています。
その中で、江戸切子の模様としてもバランスのとれた縁起の良い模様として取り入れられています。
全方位に手を広げるような形状は、宇宙を表していると言われていて、強力なパワーを秘めいます。
籠目紋においては、個々の八角形は銀河と見なすされています。
酒を注ぐ行為は充足であり、それを飲み干すことは挑戦を意味するなど、非常に深い意味がある模様となっています。
④菊繋ぎ
菊繋ぎとは、菊の花が連なっているように見える模様を採用しています。
菊は、天皇家の紋章にも取り入れられるなど由緒正しい花であり、あまり知られていませんが不老長寿を表す花です。
菊繋ぎは「喜久繋」とも表現されて、喜びを久しく繋ぐとも言われる縁起の良い模様です。
日本らしい模様としても高い人気を誇っています。
⑤菊花
先に紹介したとおり、菊花は不老長寿を期待して模様として取り入れられています。
複数の菊花を組み合わせてデザインするのも良いですが、菊の美しさをより実感できるのが菊花です。
カットも大柄になるので、大胆なイメージもありますが、江戸切子らしい美しさも実感できます。
⑥麻の葉
麻の葉を模して彫刻される文様のことをさします。
平安時代の仏像の切金文様でもすでに取り入れられるなど、日本伝統の模様でもあります。
丈夫で真っすぐ成長するのが麻の特徴であり、主に健やかな成長への願いが込められています。
同時に、魔除けの力を持っているとされており、江戸時代には町娘の衣装において人気となった模様でもあります。
⑦矢来
矢来は、竹や丸太で造った囲いの形が印象的です。
矢来は防護柵となっていて、その紋様を刻み込んだ酒器には魔除け効果を期待できます。
また、激しく降る雨を模した紋様にも見えますが、その中に注がれる酒は、どのような鋭い攻撃に対しても防御できる力を持ち合わせていると言われています。
⑧七宝
輪が四方に広がっている七宝は「しっぽう」とも言われており、どこまでも繋がっているのが特徴です。
これによって、限りなく伸び広がっていく縁起の良い模様であり、日本では古くから親しまれています。
見た目も美しく、特に女性にとって人気の模様となっています。
⑨亀甲
亀甲は、古代からある文様として有名です。
文字通り、亀は万年と言われるおめでたい文様であって、お祝い事等にも重宝されています。
インテリアというよりは、祝い事などでプレゼントするのにも最適な模様として有名です。
江戸切子職人になるためには
江戸切子職人になるためには、先に紹介したとおり江戸切子をネーミングできる要件を満たす必要があります。
では、職人という目線では他にどのようなスキルなどが必要なのでしょうか?
明確な定義はない!
江戸切子の職人になる要件としては、先に紹介した江戸切子の要件を満たすものを作り上げる事ができれば、誰でも職人となることができます。
これを聞くと簡単に聞こえるかもしれませんが、実際に江戸切子のような緻密な模様を描けるようになるには、非常に長い年月をかけて技術力を磨く必要が生じます。
伝統工芸士とは?
江戸切子などの伝統工芸を作る者として、伝統工芸士というジャンルが存在しています。
伝統工芸士は、実は国家資格があり1974年から制度がスタートしています。
伝統工芸士の大事な職務としては、産地それぞれの伝統工芸の保存がありますが、他にも技術や技法を保存するという点も重要です。
独自のアレンジを加えるというよりは、昔ながらの技術を守り続けることが重要なのです。
後任に対して伝承することが社会的にも認められており、伝統工芸士の責務である活動を続けることを目的として、補助金を受給することも可能です。
他にも、年齢を問わず自分の腕だけで勝負できる世界ということもあり、その点も魅力に感じて伝統工芸士になるという方も多くいらっしゃいます。
2011年現在では、伝統工芸士4,000人以上も存在していますが、女性も600名近く存在しています。
サラリーマンのように定年制度も無く、自分の思う存分働けるという点、そして資格手当のような特別給与が支給される場合がある点も魅力となっています。
伝統工芸士になるには?
伝統工芸士になるためには、伝統的工芸品産業振興協会が実施している認定試験を受験することになります。
試験に無事合格すると、晴れて伝統工芸士となることが可能ですが、試験の合格率は受験者の6割程度と誰でも取得できるわけではありません。
また、伝統工芸士の試験を受験する要件として、経済産業大臣が指定している伝統的工芸品の製造実務における経験が12年以上あり、かつ産地内に居住している必要があります。
試験内容としては、知識試験、実技試験、面接試験があります。
いくら技能を持ち合わせていても、知識がなければなりませんし面接によってコミュニケーション能力も問われます。
江戸切子の実務経験を積んで、伝統工芸士になることで、江戸切子の職人となったと認められることになります。
江戸切子体験ができる場所は
江戸切子は、ただ販売しているだけでなく体験できるスポットも多く存在しています。
ここでは、主な体験スポットを5つに絞って紹介します。
おすすめスポット①:東京ガラス工芸研究所
東京ガラス工芸研究所では、初心者でも簡単に江戸切子を体験できるスポットとして人気を博しています。
職人の繊細な技が光る江戸切子の世界を手軽に味わえるのも魅力的です。
火を使用しないので、小学校1年生から参加することもできます。
東京ガラス工芸研究所では、ガラスのプロ作家を育成するコースもあり、江戸切子だけでなく気軽にガラス工芸を体験できます。
また、ガラスに関しての知識を学ぶことも可能です。
住所: 東京都大田区東六郷1-26-13
おすすめスポット②:清秀硝子工房
清秀硝子工房では、透明のお皿に切子を施す体験を行えますし、色被せのグラスに対して切子を入れる体験の両方を味わえます。
準備段階から体験、完成に至るまで全ての工程を体験することが可能となっています。
自分で作ったお皿とグラスについては、一生の思い出となること間違いありません。
また、日常でも使う楽しみも味わえます。
デートスポットとしてもおすすめですよ!
住所: 東京都江東区亀戸5-13-11
おすすめスポット③:創吉
創吉は、10種類のコップから好きなガラスを選んで江戸切子を刻むことができます。
模様のお手本が用意されていて、コップにマジックで書いていきます。
先生のお手本があって、実際に自分でカットして江戸切子を作り上げていきます。
江戸切子と言えば繊細な作業もあるイメージですが、講師が丁寧に指導してもらえます。
また、作業中もサポートしてもらえるので、不器用な方であって仕上がりの美しさ、クオリティの高い作品を作ることができます。
記念のメッセージなども掘ることも可能ですよ。
住所:東京都台東区雷門2-1-14
おすすめスポット④:浄玻璃工芸社 がらすびと工房
浄玻璃工芸社 がらすびと工房は、横浜で江戸切子を体験できるスポットとして有名です。
ガラスの持つ繊細な美しさを皆様に伝えることを目的として、様々なガラス工芸品やモニュメントが用意されています。
江戸切子体験においては、本格的な江戸切子で小鉢を1つ作成することができます。
実際に職人が使用している工具などを使用でき、職人気分を味わいながら作品を作ることが可能です。
住所:神奈川県横浜市鶴見区江ケ崎町3-54
おすすめスポット⑤:すみだ江戸切子館
すみだ江戸切子館は、江戸切子の歴史を学べるスポットとして人気です。
川井 更造氏の美しい作品を味わえるので、見ているだけでも楽しくなります。
実際に体験も可能ですし、小学生向けにアレンジされた体験素材を用意されている点も良いですね。
住所:東京都墨田区太平2-10-9
江戸切子を買える場所は
江戸切子を自分で作るのも楽しいですが、やはり職人が作り上げるものには匹敵しません。
数ある江戸切子を作り上げている工房の中でも、特におすすめできる場所を5つ紹介します。
おすすめの場所①:江戸切子の店華硝
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江戸切子の店華硝は、江戸切子の工房の中では多く13名のスタッフさんが居るお店です。
それぞれのスタッフさんが、それぞれの分野でプロフェッショナルの仕事をしているのが特徴です。
想像以上に若いスタッフさんが多く、すべてスタッフさんが企画、運営し、作品のデザインを行っています。
そのため、伝統を重んじつつも独創性のある江戸切子を楽しめます。
住所:東京都江東区亀戸3-49-21
おすすめの場所②:亀戸梅屋敷
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亀戸梅屋敷は梅の名所として有名で、多くの浮世絵で題材となっています。
その中で、浮世絵師である歌川広重が1857に描いた「名所江戸百景」の「亀戸梅屋敷」は、世界中でも有名なスポットとなりました。
当時のイメージそのままに賑わいの場として、また歴史と文化を世界へ発信する拠点として亀戸梅屋敷と命名されています。
数多くのイベントを開催しており、2019年春には東京農大による大根祭りを開催しています。
江戸切子の販売にも力を入れており、独特な作品には高い評価が集まっています。
おすすめの場所③:彩り硝子工芸江戸切子製造販売店
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彩り硝子工芸江戸切子製造販売店では、御蔭様で江東ブランドに認定されたり、全国推奨観光土産品審会で最優秀賞を受賞するなど、コンテストでも高く評価されているお店です。
江戸切子だけでなく、様々な切子商品を販売しており、お店も非常に華やかな雰囲気があります。
夏休みには、体験教室も開催するなど子供連れでも来店しやすいのも魅力的です。
住所:東京都江東区亀戸4-19-13サニービル2F
おすすめの場所④:浅草江戸切子 おじま
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浅草江戸切子 おじまは、過去多くのメディアでも取り上げられている工房として有名です。
決して大きなお店ではありませんし、家族経営に近いのですが、体験教室も開催しています。
至ってシンプルでありながらも、目立つ江戸切子を多く手がけているのが印象的です。
住所:東京都台東区浅草4-49-7
おすすめの場所⑤:江戸切子 小林
江戸切子 小林は、1908年から江戸切子を作り続けている歴史のあるショップです。
エマニュエル・ホープトマン氏から十数名の日本人がカット技術の指導を受けて江戸切子が形成されていますが、その一人に大橋 徳松氏がいますが、大橋 徳松氏に弟子入りした小林 菊一郎が創業して、今は4代目が作り続けています。
銀座三越のジャパンエディションにて親子展を開催した実績がありますし、新宿伊勢丹でも店舗を構えるなど、外国人にも好評です。
住所:東京都江東区猿江2-9-6
江戸切子の有名ブランドは
工房だけでなく、江戸切子には有名なブランドも多数存在しています。
その中でも、人気が高いブランドとして、次の2つが挙げられます。
人気ブランド①:カガミクリスタル
江戸切子を製造するメーカーの中で、特にメジャーな存在となっているのがカガミクリスタルです。
多くのガラス製品を取り扱っており、皇室御用達のメーカーとして名を馳せています。
ガラス素地も自社で賄っているので、江戸切子に最適な素材から美しいものが誕生しています。
カガミクリスタルでは、職人がすべて手作業で作り上げていますし、江戸切子協同組合に所属している伝統工芸士に依頼して製造したものも多数存在しています。
人気ブランド②:加工所製作所
加工所製作所は、江東区や墨田区、江戸川区などの下町でガラス細工に特化して製造している工房です。
基本的に他で買い付けたガラスを用いてカットのみを担当していますが、少量ながらも吹きガラス工房も持ち合わせています。
工房によって特徴がそれぞれ異なり、特にカラーリングは非常に個性があってそれも人気となっています。
江戸切子のお手入れ
江戸切子は非常に美しいデザインを取り入れていますが、いつまでもその美しさをキープするためにはお手入れも必要です。
特に、コレクションとして飾っているわけではなく、実際に食器などとして使用されている場合、余計に日々のお手入れが重要になります。
ここでは、江戸切子のお手入れ方法について紹介します。
優しく丁寧に取り扱う
基本的に、江戸切子はガラス商品なのでダメージを受けやすい傾向があります。
よって、他の食器などと一緒に持ち運ばず、一つづつ丁寧に扱ってください。
また、保管する際には開口面を上向きになるように保管してください。
これは、内部に湿気が溜まってしまい見た目が損なわれるためです。
保管しておく場合でも、3ヶ月を目処に一度洗ってきれいな状態をキープすることも重要です。
他では、劣化が信仰するので日に当たる場所には置かないように保管しましょう。
江戸切子の洗浄方法は?
江戸切子を洗う際には、食器用の洗剤をぬるま湯に薄めてたもので、ガラスを浸けておきます。
しばらく漬けておいたら、スポンジまたはやわらかい布を用いて、1個ずつ丁寧に洗います。
カット面は布などの場合は布がほつれる可能性があるので、やわらかいブラシを使います。
硬いブラシですと、細かな傷が付いてしまう可能性があるので注意してください。
日々のメンテナンスでは黄ばみが蓄積されていくものですので、黄ばみが目立つようになったら薄めた漂白剤の中に数分間漬け込んでおくことで、元のきれいな状態を取り戻すこともできます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
江戸切子の世界は非常に奥深く、歴史を学ぶだけでもその魅力をより感じることができます。
ルーツは海外からもたらされたものですが、江戸切子自体は日本の伝統工芸にまで登りつめたというのは、感慨深いものがあります。
江戸切子には様々な思いが込められていて、模様によってもその思いが異なっています。
また、職人によって大きく見栄えがことなっていて、独特な個性も楽しむことができます。
江戸切子は、グラスを中心として食器などの実用性が高いもの、そして花瓶などのインテリアとしても楽しめします。
江戸切子の良さを実感して、職人技を目の当たりしにしてみてはいかがでしょうか?