本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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今回は、山梨の伝統的な織物にルーツを持ち、最高級ネクタイををつくる「山崎織物(株)」の山崎博之さんに、日本の高級ネクタイ生地の魅力について教えていただこうと思います。
「ネクタイは海外発祥だから、アメリカやイギリス製の方が品質が良い」
「ネクタイは高級ブランドが一番、イタリアの最高級ブランドを買っておけば間違いない」
などと考えてしまいがちですよね。
私も、ネクタイが好きで「TIE YOUR TIE」や「E.MARINELLA」「Drakes」のネクタイを好んで買っていました。
確かに、海外で非常にこだわったネクタイづくりをしているブランドもたくさんあります。一方で、実は日本の高級ネクタイ生地には、世界からも注目される魅力があるのです。
今回は、その魅力を実際にネクタイ製作に携わっている山崎さんから伺ってきました。
『富士桜工房』は、1916年(大正5年)に織物生地の仲買商としてスタートした山崎織物株式会社の四代目、山崎博之さんが2011年に立ち上げたファクトリーブランドです。
100年以上の歴史を持つ山崎織物では繊細な糸を使い、山梨県の国中・郡内地方で作られる「郡内織(ぐんないおり)」による製品をつくり続けてきました。
郡内織(ぐんないおり)とは、郡内地域(吉田市・西桂町・都留市・大月市・上野原市)でつくられる織物のことで、江戸時代には羽織裏地に用いる高級絹織物の代名詞となっていた織物です。
富士桜工房では主に、高級ネクタイやスカーフを製造・販売しています。
和の心あふれる伝統的なデザインには「心に花を咲かせたい」というメッセージと、日本のものづくりへの熱い思いが込められているのです。
富士桜工房の名は山梨県の県花である富士桜※が由来でネクタイの裏地やブランドネームにも富士桜がシンボルに使われています。
※:花は小さく、香りもひかえめな可愛らしい桜。
山奥だったので、江戸まで運びやすく、高値で取引される絹織物が重宝されたという歴史があります。
高級ネクタイには、糸の段階からこだわって厳選した生地が使われています。
シルク生地が代表的ですが、シルクの他にもカシミア・ウール・リネン・コットン・ニットなどからも日本の高級ネクタイはつくられています。
それぞれの生地の特徴や合わせる服、ネクタイを使うべき季節やシーンなどについてもチェックしておきましょう。
シルクは蚕蛾(かいこが)の幼虫蚕が吐き出す1本の糸でつくられる”繭(まゆ)”を原料にした繊維の総称。
高級ネクタイには必ずと言って良いほどシルク生地が使われていますよね。シルクは匁(もんめ)という、規定面積あたりの重さの単位であらわすことができます。
匁(もんめ)の数字が大きいほど、目のつまった高級シルク生地である証です。
カシミアはカシミアヤギから取れた毛や、それらを織ってつくられる毛織物です。
ストールやニットなどに使われることが多い高級素材ですが、ネクタイにカシミア生地が使われることもあります。
日本製ネクタイの場合はカシミア単体ではなく、ウールなど天然素材との混紡でつくられることが多いです。
秋冬の暖かなジャケットやシャツなどと相性が良い生地ですね。
ウール生地は羊毛が原料になった素材です。シルクのような光沢はなく、マットな質感が特徴で温かみのある印象を与えられます。
光沢のないジャケットやスーツ、シャツとの相性が抜群です。
秋冬モノの素材と良くマッチするので、さらに季節感を出したいならフランネルやツイードなど紡毛素材とのコーディネートがおすすめ。統一感のあるスタイルになりますね。
リネンは亜麻布とも呼ばれ、亜麻の繊維を原料にした織物の総称です。リネンは英語でフランス語ではリンネルと発音します。
リネン素材のネクタイは春夏の季節感が楽しめるのが特徴。シャリっとした薄手の生地なので、見た目にも爽やかさを演出できます。
夏らしい薄手ジャケットやスーツとの組み合わせがおすすめです。チェックやストライプのシャツとの相性もよく、カジュアルにネクタイのおしゃれが楽しめます。
リネンは吸水性や強度も高い丈夫な素材。劣化しにくいので長く使えるのも嬉しいですね。
コットンは木綿生地のことで、ワタの種子から取れる繊維からつくられます。コットン生地のネクタイにはシルクの華やかさやウールの重厚感はありませんが、素朴な質感が魅力です。
全体に落ち着いた風合いや色合いに仕上がるので、選ぶ色・柄によってはビジネスシーンからカジュアルまで幅広く使えますよ。
コットン単体ではなく、シルクや化学繊維との混紡素材でつくられることも多く、マットな雰囲気が漂うネクタイです。
高級ネクタイは素材に高級なモノが使われるだけでなく、織り方でも見た目の印象や質感に大きな違いが出ます。
織物の代表的な『三原組織(さんげんそしき)』平織・綾織り・朱子織りに分けて、織り方の違いと特徴をチェックしていきましょう。
平織(ひらおり)はポプリンとも呼ばれ、経糸※¹と緯糸※²が一本ごとに交差する組織です。
織物の中では一番単純で多く使われている織り方で、左右対称なのが特徴。糸の交差部分が多いので丈夫で耐久性にも優れています。
ネクタイの場合、たて・よこで太さの違う糸を使い、柄や畝の表情に変化を付けることも多いです。
織り目は表も裏も同じ柄に見え、碁盤の目のように規則的。凹凸が少ない薄手の生地になっています。
綾織は斜文織(しゃもんおり)とも呼ばれ、経糸と緯糸が3本以上で組み合った斜織の表現を出す組織。
平織りに比べると柔らかな風合いでシワになりにくく、糸の密度を増してつくる綾織は光沢感が高まります。
綾織をネクタイ生地にするときは、経糸・緯糸4本以上の間隔で糸を交差させたものが多く、オールシーズン使える素材や秋冬物の高級ネクタイに多く使われます。
朱子織(しゅすおり)は繻子織とも呼ばれ、綾織のように斜線があらわれない表面がなめらかな組織。
サテン生地など裏地やスカーフなどにも朱子織が多く使われています。ネクタイの場合、部分的に朱子織が用いられることが多いですが、礼装用の黒ネクタイは全体が朱子織でつくられています。
経糸・緯糸が5本以上から構成され、密度が高い厚手の生地になります。
経糸か緯糸いずれかの糸が長くなっており、コットン・ウール・ポリエステルなどあらゆる素材で織ることができます。
※¹:たて糸、※²:よこ糸
ジャガード織りっていうのもよく聞きますが、これらの織りと同じようなものですか?
ジャガード織りというのは、システムで例えると組み上げられた一つのプログラムのようなイメージです。そのプログラムを構成する要素として、平織や朱子織があります。
ネクタイで良く知られているものだと、ヨーロッパやアメリカのブランド物などが思い浮かぶという人も多いでしょう。
しかし日本製の高級ネクタイの生地は、素材のすばらしさや技術の高さから、世界中から注目されています。
デザインや繊細な織り、縫製はもちろんですが、生地そのものの”品質”が違うのです。日本の高級ネクタイの生地にはどのような特徴があるのかを紹介しますね。
シルク生地を例にとると、現在シルクの99.9%は中国やブラジルでつくられています。それらを製糸工場で糸にしたものが、世界中に輸送され織られて生地になるのです。
そのため原材料自体の違いはさほど大きくはありません。
しかし、織って布にする工程から製品化して市場に出るまでの工程は、外国に比べ日本製の方が、ものづくりへのこだわりが強い分『品質基準が厳しい』ものになっているのです。
たとえばヨーロッパ製品などが「天然素材だからキズや均一に仕上がらなくて当たり前」で販売できても日本ではキズモノとして除けられるような違いです。
日本だけに限ったことではありませんが、織物技術は生産性の効率化やコスト削減の方向にどんどんシフトしています。
織物の機械も高性能になり、あらゆる工程で機械化が進んで安価な織物製品が広まったのです。
しかし、日本の織物技術の特徴は製作スピード重視ではありません。
繊細な糸を生かしきる丁寧な作業、裏地や刺繍など見えない細かいところまで気を配る『粋』な心も一緒に織り込まれているのです。
織物技術のレベルがずば抜けている日本の織物製品は、生地がしっかりとしていて品質が高く長く使える。美しくて肌触りが良いのに丈夫。結果的にコスパも良いんですね。
日本での織物・繊維産業の現状ははっきり言ってかなり厳しいです。
繊維の一大産地である山梨県で現在も繊維業を営むのは300件ほどですが、昭和中期あたりの全盛期に比べるとその数は約10分の1にまで減っています。
シルク糸から生産しているのは日本の中でも2軒程度。高齢化も進み先が見えない状況になっています。
コストを安くつくることだけ考えると東南アジアや中国に敵いません。
そのような現状の中で生き残っていくためには”ファクトリーブランドを生み育てて行くことが大切だ”と感じています。
「あそこでつくっているネクタイだから欲しい」と言われるような、ご贔屓(ひいき)感覚を大切にしたいですね。
ファクトリーブランドを成長発展させていくためには、大量生産ではなく丁寧につくられたネクタイの良さを”知ってもらう努力”も必要なのですね。
富士桜工房がつくるネクタイは、富士山の清廉な湧水を使用して丁寧に先染めした糸を使って織り上げます。ほかの日本製高級ネクタイにはないオリジナルな魅力があります。
最も品質が高いものは「33匁のシルク」を使っています。
調べたところ、ウエディングドレスで知られる高級シルク”ミカドシルク※”が34匁ですから、まさに贅沢品と呼べる高級シルク生地が使われているのですね!
※:キングオブシルクと言われる光沢感と柔らかな手触りが魅力。
このほか、必勝祈願とんぼグッズなども取り扱っています。桜柄やえんきものなど日本ならではの柄ネクタイは、海外の人へのお土産としても大変喜ばれていますね。
●富士桜工房のネクタイ基本仕様
大剣幅8.5cmは、細身ネクタイの流行時には少し太めに感じる方もおられたようですが、流行りに振り回されない定番的な幅。
流行に流されずどんな場面にもしっくりとくる「おさまりの良い幅」として愛されています。
裏地には専用のシルクジャガードを使い、富士桜が織られています。見えない部分にも気を配る遊び心あふれる高級ネクタイなのです。
これ、刺繍じゃなくて、織りなんです。織りでこれだけの色数のある桜を表現しようとすると、費用がかなりかさむのです。日本人には、裏地や見えないところにこだわる文化があり、”裏勝り(うらまさり)”という言葉をご存知ですか?
聞いたことがないです。どんな意味なんですか?
江戸時代、幕府が贅沢禁止令を出し、派手な着物を着ることが出来なかった時代がありました。人々は、どうにかしてお洒落をしようと考えから、豪華な絵柄を裏地やに忍ばせることが流行し、『裏勝り』の美学になったんです。
見えない裏地のお洒落が「粋(いき)」というのは、そのような経緯で文化ができあがったのですね。他にはどのようなところにこだわっているのですか?
シルクの生地自体が、厚みがあるので芯地に使うウールは、通常のネクタイよりも薄めの生地を使い、結び下げたときの軽やかさが演出できるようにしています。
富士山麓の郡内地域に伝わる「郡内織」のネクタイです。最高級品質の33匁シルクを使用しています。裏には桜の模様を施され、裏地にもこだわった遊び心のある逸品です。
華やかな装いにも、落ち着いた装いにも合わせやすい万能な一枚です。使いやすい飽きのこないデザインですので永くご愛用いただけます。
富士桜工房
【ネクタイ】ネイビー 雅 33匁シルクサテン | 郡内織物 | 富士桜工房
落ち着いた上品さが特徴のネクタイです。ワインレッドの深みのある色合いは、ビジネスシーンはもちろん、フォーマルな場面でも活躍します。シルク100%の上品な光沢感があり、結び目が綺麗に決まります。
手触りも滑らかで、快適に着用できます。大切な場面での華やかな装いを演出する、ネクタイは贈り物にもおすすめの逸品です。
富士桜工房
【ネクタイ】ワインレッド 雅 33匁シルクサテン | 郡内織物 | 富士桜工房
ゴールドブラウンがシックで上品な印象を与えます。先染め高密度ジャカード織のシルク100%で、しっとりとした手触りが特徴です。流行に左右されない基本的な太さで仕上げていますので、永くご愛用いただけます。
ビジネスシーンはもちろん、フォーマルな場でも活躍する、上質で洗練されたネクタイです。贈り物としても喜ばれること間違いなしです。
富士桜工房
【ネクタイ】ゴールドブラウン 雅 33匁シルクサテン | 郡内織物 | 富士桜工房
深みのあるダークシアンのカラーが、落ち着いた雰囲気を演出してくれます。光沢感のあるシルク100%の素材は、ワンランク上の装いを叶えてくれます。
ビジネスシーンはもちろん、結婚式やパーティーなど、フォーマルな場でも活躍すること間違いなしです。シンプルなデザインでありながら、上品な印象を与えるネクタイは、男性のスタイリングを格上げしてくれます。
【ネクタイ】ダークシアン 雅 33匁シルクサテン | 郡内織物 | 富士桜工房
ビジネスのシーンやあらたまった席、カジュアルジャケットに気軽に合わせるなど、ネクタイを使ったおしゃれは大人ならではの楽しみの一つです。
今回お話を伺った『富士桜工房』のネクタイは、富士山麓の綺麗な水とともにつくられる日本が世界に誇れる高級ネクタイ。
糸の扱いや織り方などに手間暇かけているので、素材の質が違います。
海外ハイブランドのネクタイも素敵ですが、世界からも注目される日本の高級ネクタイ生地の魅力をあなたの手や肌で感じてみませんか?
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