本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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伝統工芸品として常に上位の認知度と人気を誇る江戸切子。今回は創業90年近い歴史を持ち、「漆黒の江戸切子」を開発し国内外で高い評価を得るなど、国産の硝子業界を牽引する「木本硝子」さんに「江戸切子はどのようにして地域ブランドを確立することができたのか」。その秘密についてお聞きしたいと思います。
東京都台東区に位置する「木本硝子」は、江戸切子をはじめとした硝子食器専門問屋です。
小売店への卸販売だけではなく、硝子製品の企画や新しい江戸切子ブランドの立ち上げなど、産地問屋という枠を飛び越えて挑戦を続けています。
今回は日本の硝子産業の原点である東京において、地域に根差したものづくりを行い、「江戸切子」という地域ブランドの次への進化を牽引してきた「木本硝子」の三代目代表取締役の木本誠一社長にお話をうかがいたいと思います。
近年、江戸切子は伝統工芸品の中でも「南部鉄器」「有田焼」に次いで人気のある地域ブランドだと思いますが、江戸切子がブランドとして認知されるようになったのはいつ頃だったのでしょうか?
実は、10数年前までは絶滅危惧種と言われていました。後継者がいないために値段が上がり、工芸品というより美術品になってしまい、その結果さらに値段が高くなり、全く売れなくなっていました。
今では信じられないような状況だったのですね。
売れ行きが下がりマーケットが小さくなる。そして益々買われなくなり、後継者も減っていく。業界単位で負の連鎖が起こっていました。
全国の伝統工芸産地で起きている悪循環と同じ状況ですね。そのような状態であった江戸切子が、どのようにして現在のブランドを確立できたのでしょうか。
日本の小売業界の歴史からお話すると、1975年頃から小売りの仕組みが大きく変わり、百貨店から大型ショッピングセンターにお客様が流れている時代がありました。まさに大規模なゲームチェンジが起きていました。その時、弊社もビジネスチャンスを掴もうと海外から仕入れたガラス製品を、大量に大手スーパーマーケットに卸していました。
イオンなどの郊外型大規模店舗が全国に広がっていった時代ですね。
そうです。しかし、2003年頃になると不景気だったということも相まって、本質的なモノの価値よりも値段(安さ)が重視されているということを感じるようになりました。
スーパーマーケットのメインの客層には、より低価格の商品が好まれそうです。
自分たちがこれまで行ってきた”海外から安く仕入れて大量に売る”という仕組みが、巡り巡って東京のガラス工場や職人を苦しめているということに気づいたのです。それに気づいてから、自分自身の地元である地域のブランド、江戸切子の販売に力を入れるようになりました。
地元に貢献したい、という想いで江戸切子に注目するようになったのですね。
はい。ちょうどその頃、江戸切子が伝統的工芸品の指定を受けたことも追い風になったと思います。地域として一体になって「江戸切子」というモノや名称を盛り上げていこうという機運がありました。
地域全体が目標を共有して進み始めた時流を掴んだのですね。
木本さんの考える地域ブランドとはどのようなものだったのでしょうか?
まず台東区の地域を支える地域ブランドを作りたいと考えました。「Made in Tokyo」にこだわり、台東区内での製作・販売へ繋げるというものです。
台東区内で製品が完成できるというのは、製造業が密集した地域の強みですね。
もともと硝子の一大産地であった東京で、現代のライフスタイルにマッチしたこれまでにない新しいモノを生み出すことで地域ブランドを創っていく。そして、地域全体の産業を発展させたいと考えたのです。
どのような効果がありましたか?
「漆黒の江戸切子」という新しい商品の製作を、従来は赤や青の江戸切子を作っている工場と職人に依頼することで、地域の工場と職人には新しい仕事を、顧客には新しい価値を提供できました。さらに百貨店などの小売店に対しては、これまでにないモダンでスタイリッシュな硝子製品という付加価値を提供できるようになりました。
地域全体で協力して新しい商品を生み出すことで、地域ブランドが確立されていくのですね。事業を進めていく上でこだわっていることはありますか?
「業界を超える」ことですね。業界を超えてミッションを設定し、ミッションに向かって共通の価値観を共有することによって一つのチームになる。そうすることで、これまでは管轄が異なるが故に見出だせていなかった日本の素晴らしいモノの価値を再発見できると考えています。
正にワンチーム!業界を超えた挑戦が成功の鍵なのですね。
木本硝子さんは、10年ほど前から地域ブランドを守ってくためのイベント「モノマチ」を主催しています。
モノマチとは
モノマチは、古くから製造/卸の集積地としての歴史をもつ台東区南部エリアのものづくり関連企業が参加して、ものづくりの楽しさを発信し、このエリアの魅力を知ってもらうためのイベント。
地元の人口減少と少子高齢化、商店街の衰退を止めるために何か貢献できないかと考え、イベントを主催しました。
どのような活動なのですか?
行政の補助金に頼らない。広告代理店を使わない。自分たちで行う。楽しくやろうがモットーです!誰が、どういう思いで、どこで作っているのかを伝える場と考えていて、普段は見ることができないものづくりの現場にも足を運んでほしいと考えています。
ものづくりに携わる企業が多い台東区だからこその取り組みですね!企画の内容はどのように決めているのですか?
台東区の皆で考えて実施しています。業種、職種、品種、年齢、経験がバラバラの人たちが街を元気にしたいという想いに共感し集まることで、新しい発想がどんどん生まれています。
イベントを続けてみて良かったことはありますか?
対外的には知名度が上がり、訪れる人が増えたことがまず良かったですね。また、副次的な効果として業界が違うからこそ生まれる発想があって、いつでも相談できる仲間が、モノマチによってできたことは大きな収穫です。業界のしがらみに縛られることなく、事業相談ができる仲間ができたことも思わぬ副産物でした。
伝統工芸業界は、産地を越えた横の交流や繋がりが弱いという点は、私がものづくりの現場の方たちとお話をする中で課題だと感じていたことでした。その点においてモノマチの取り組みは、非常に素晴らしい取り組みだと思います。本日は貴重なお話をありがとうございました!
地域ブランドを育てていくためには、一人の、一社の力ではなく、地域全体の力をどのように集結させるかが非常に重要なのだと知ることができました。
また、他業界、他業種の人達との真の意味での交流は難しいと考えがちですが、実は身近に同じ課題を感じ、同じ目標を共有できる仲間は意外とたくさんいるのかもしれません。
まずは同じ地域で違う商品を作っている方々と協力したり、地域の活動やイベントを通じて、新しいステージの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
これからもBECOSでは木本硝子さんの挑戦を応援していきたいと思います。是非あなたも実際に商品を手に取り、購入したりすることで、日本のものづくりに貢献してみませんか?
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