本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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漆器は世界の人から称賛され、英語で「japan」とも呼ばれる日本を代表する素晴らしい伝統工芸品。
今回は、漆器とはどんなものかを、特徴や作り方、歴史を通して見ていきます。
また、現代のライフスタイルにぜひ取り入れたい、モダンな漆器のおすすめ商品もご紹介するので、漆器に興味がある方はぜひ最後までご覧になってくださいね!
「漆器」とは、漆を塗った器や道具のこと。カシュー塗装やウレタン塗装のものも含めて漆器と呼ぶ場合もありますが、これらは合成漆器に分類されるもので、伝統的な漆器には天然の漆が使われています。
東アジアから東南アジアに生育するウルシの木には、人の血液のように、傷がつくと乳白色の樹液を出して固まり、傷を保護する性質があります。漆とはこの樹液のことで、固まると優れた機能性を発揮することから、塗料や接着剤として古くから人々の生活に活用されてきました。
漆を採取する技術を漆掻き(うるしかき)といいますが、6月ごろに木に傷を付け、10月ごろまでかけてにじみ出た樹液を採取します。採取後は木が枯れてしまうためその年に伐採することになりますが、15年~20年育てたウルシの木一本からわずか200gほど、汁椀を数個作る分しか取ることができない貴重な天然樹脂です。しかし、その機能性は高く、今も漆を上回る合成塗料はないとも言われています。
ろ過してごみを取り除いただけの「生漆」、熱を加え水分を少なくした「透き漆」、透き漆に顔料などを混ぜた「色漆」など用途に応じて使い分けられます。
漆は一度固まると塩酸や硫酸でも溶けないくらい強固で、金属をもくっつけてしまう高い接着力で金継ぎにも使われます。漆で塗装された漆器は酸のほかアルカリ、アルコール、塩分にも強く、耐久性に優れていることが特徴です。
また、漆を塗り重ねるほどに頑丈になるほか、万が一欠けてしまっても塗り直して修理することもでき長く使用できます。
漆は固まると、水をはじく皮膜を作ります。漆器といえば木材を素材とした汁椀なども定番ですが、汁物も安心して入れることができます。
漆は熱を伝えにくい性質を持っています。漆器の器に熱いものを入れても無理なく持つことができるほか、あたたかいものはあたたかいまま、冷たいものは冷たいまま温度をキープできるのも魅力です。
漆の抗菌作用については古くから多くの言い伝えがありますが、近年さまざまな試験検証で漆の抗菌作用が科学的に実証されています。たとえば、京都漆器工芸協同組合が行なった調査では、漆コーティングしたプラスチックに大腸菌やMRSA(黄色ブドウ球菌)、サルモネラ、腸炎ビブリオを放置したところ、24時間後にはゼロになったという調査結果が得られたそう。
赤ちゃんや小さい子どもが使う食器など、衛生面に気をつけたいときに活用するのもよさそうですね。
漆は機能性を高めるだけではありません。漆を塗ることで生まれる上品な艶も漆器の魅力のひとつ。また、使い込むほどに美しい光沢が生まれ、味わいが増すのも特徴です。色漆や金箔などで飾りを施す「加飾」も行なわれ、その芸術的な美しさで日本文化を彩ってきました。
漆器の特性として、極度の乾燥や湿気、急激な温度変化に弱いことがあげられます。また、漆が剥げてしまわないよう、ていねいに扱う必要があります。そうしたことから漆器は扱いにくいというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、少しコツを押さてじょうずに取り入れれば、優れた機能性と美しさでくらしを豊かにしてくれるでしょう。
漆器を扱う際は、以下のような点に注意するといいですね。
つぎは、漆器がどうやって作られるのかを見ていきましょう。漆器の作り方を知ると、高度な技で手間暇かけて作られる素晴らしい工芸品であることが分かり、ますます価値を感じられるようになりますよ。漆器作りには、大きく分けて「木地作り」、「下地塗り」、「中塗り・上塗り」、「加飾」という4つの工程があります。
まずは、「木地作り」という形を作る工程からスタートします。漆器の素材としておもに使われるのは木材。ヒノキやケヤキ、キリなどがよく使われます。加工にはろくろで回転させて刃物で削る方法や、板状に仕上げた木を組み合わせる方法、帯状の木を輪にして組み合わせる方法、ノミでくり抜く方法などがあり、「木地師」と呼ばれる専門の職人が、何を作るかに応じてさまざまな技で成形します。
木製品のイメージが強い漆器ですが、素材は天然木だけではありません。木粉と合成樹脂で作る加工品やプラスチックなどの合成樹脂、金属や陶磁器などさまざまな素材が使われます。
丈夫な下地を作る「下地塗り」は、製品の品質を左右する重要な工程です。木地を強くするため作品の素材全体にヘラやハケで生漆を塗るほか、木地のもろい部分を麻布で補強する「布着せ」という技や、木の粉や地の粉(焼いた粘土や瓦を粉にしたもの)を混ぜた漆を塗るといった手法が用いられます。
下地作業のあとに行なわれるのが「中塗り」と呼ばれる工程。下地を塗ったうえから透き漆や色漆を塗り、乾いたら研ぐ作業を数回くり返して美しい表面に整えていきます。漆は水分が蒸発して乾くのではなく、成分に含まれる酵素が活性化することで固まる性質を持つため、乾燥には漆が乾きやすい温度と湿度を保った「漆風呂」と呼ばれる部屋が使用されます。
塗りの仕上げの工程が「上塗り」。ほこりやハケの跡が付かないよう細心の注意が必要な作業です。塗ったままで仕上げる場合もあれば、磨いて仕上げる場合もあります。
漆の塗りはそのままでも上品で美しい仕上がりですが、色漆や金箔などで装飾を施す「加飾」とよばれる技法もあり、漆器は華やかに装飾されていきます。加飾にはさまざまな技法がありますが、いくつか代表的なものを見ていきましょう。
「蒔絵(まきえ)」とは、細い筆を使って漆で模様や絵を描いたあと、漆が固まらないうちに上から金・銀・錫(すず)の粉をまいて定着させる技法。蒔絵は、日本独自に発達した漆芸の代表的な技法で、1200年ほど前から行われていると言われています。
漆の地色から描いた模様が浮かぶ上がる様が美しく、400年以上前からヨーロッパなどにたくさん輸出されてきました。今も海外で「Maki-e(まきえ)」と呼ばれています。
「沈金(ちんきん)」とは、漆を塗ったあと刃物などで模様を彫り、彫った溝に金箔やこまかい金粉をすり込む技法。繊細な模様を表現できます。600年ほど前に中国大陸から伝わったとされる技法です。
銀を使ったものを「沈銀」、朱の色を入れたものを「沈朱(ちんしゅ)」といいます。
「螺鈿(らでん)」とは、貝を使って模様を付ける技法。1300年ほど前に中国大陸から伝わったとされています。アワビや夜光貝、白蝶貝などの貝の輝いた部分を薄くして使用。仕上げた漆器の表面に模様を彫って貝をはめ込んだり、貝の裏に漆を塗って貼り付けたりします。貝の輝きと漆の色の組み合わせが魅力。
漆という優れた天然の塗料で作られる漆器は、古くから日本人のくらしに欠かせない道具として使われてきました。漆器がいつから日本で使われはじめ、どのように発展してきたのか漆器の歴史を見ていきましょう。
漆器の歴史は古く、縄文時代にさかのぼります。接着剤としては石器時代から使用されていたようですが、9000年前の縄文遺跡から赤い漆が塗られた装飾品が出土していることなどから、塗料としての使用は縄文時代にスタートしたと考えられてます。
漆器は日本以外でも見られ、ウルシの木や漆器の技術は中国から伝来したと考えられてきました。しかし、福井県若狭町の鳥浜貝塚から約1万2600年前のウルシの木片が出土したことなどから、ウルシの木はもともと日本に自生していて、漆器などの漆文化も日本独自のものという説も浮上しています。
飛鳥時代・奈良時代ごろになると、大陸からさまざまな漆芸の技が伝わりました。塗料として単純に塗るだけでなく、漆の特性を活かした複雑な漆器の技術でさまざまな造形が作られ、時代の文化を支えたようです。
飛鳥時代には、仏教が伝来。漆は寺院や仏像、仏具の装飾に用いられるようになりました。法隆寺が所蔵する飛鳥時代を代表する工芸品「玉虫厨子(たまむしのずし)」にも漆を用いた漆絵が描かれています。
また、奈良時代には大陸から伝わった「脱活乾漆 (だっかつかんしつ)」という技法で多くの仏像が作られました。これは麻布を漆で貼り重ねて成形する技法で、有名な興福寺の「阿修羅像」も脱活乾漆で作られています。
平安時代になると、蒔絵や螺鈿で華やかに装飾された漆器の調度品が貴族のくらしを飾るようになりました。平安時代末期に建立された「中尊寺金色堂」のお堂にも、全体に蒔絵や螺鈿が施されていてます。
鎌倉時代には、僧侶が日常的に使う器や、兜や鎧など武士の武具にも朱漆や黒漆で装飾が施されるようになりました。このころ誕生したとされる技術で有名なのが「根来塗(ねごろぬり)」。和歌山県岩出市にある根来寺の僧がはじめたとされる技法ですが、黒漆を下塗りした上に朱漆を重ねることで、使い込むうちに上の朱漆が摩耗して黒漆が表面に表れるさまが今も珍重されています。
室町時代は、幕府主導で対明貿易が行われていた時代。中国漆器をまねて鎌倉彫が生まれたり、沈金の技法が発達したりと技術が発展しました。また、蒔絵の技術もさらに精巧になるなど、この時代にほぼすべての技法が出そろったと言われていて、いくつもの技法を組み合わせた複雑なデザインの漆器が見られるようになります。
戦が少なかった江戸時代は、さまざまな文化が花開いたとされる時代。多くの芸術家が登場し作品を残したほか、漆器が庶民にも広まっていきました。
また、日本各地で藩が漆器の産業育成に力を入れ、各地で特色ある漆器が作られるように。現在も地域が誇る伝統の技として受け継がれ、石川県の「輪島塗」や青森県の「津軽塗」など23品目の漆器が国の伝統的工芸品に指定されています。
明治時代以降、漆器はヨーロッパの博覧会に出品されるなど、日本の代表的な工芸品として世界で認められる一方、近代化によって衰退し、漆器の需要も減少してしまいました。現在はほかの工芸品と同様に、後継者不足などの課題に直面しています。
また、漆器に欠かせない漆も、現在は90%以上を海外からの輸入品に頼っているのが現状です。わずかに生産される国内産漆は、おもに文化財や伝統建築物などの補修に使用されていて、日本産漆の存続も課題になっています。
ここからは、モダンで日常使いしやすいおしゃれな漆器アイテムを紹介していきますので、ぜひチェックしてくださいね。
日常使いしやすい漆器アイテムを展開している「87.5」。全6色、2サイズから選べるカラーディッシュは、漆塗りでは珍しいモダンなリム付き。
木製で軽いため、小さなお子さんが使うのにもぴったり。サイズ・カラー違いで、数枚揃えて使うのもおすすめですよ。
87.5
カラーディッシュ (21cm, 24cm)
「越前漆器」と、人気ブランド「サーモマグ」のコラボアイテム。タンブラーながら、高い保温性・保冷性・密閉性で持ち運びしやすいのが魅力です。
自分用としてはもちろん、大切な方へのプレゼントにもおすすめ。縁起の良いデザイン4種類、2色から選ぶことができますよ。
匠市
thermo mug × 土直漆器 うるしモバイルタンブラー
同シリーズの水筒『アンブレラボトル』も人気のアイテム。タンブラーよりも水筒を!…という方は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
天然木を使用した若狭塗の夫婦箸と、波佐見焼の箸置きセット。夜空にきらめく星を、熟練の職人が筆で絵付けしました。
名入れもでき、特別なシーンの贈り物に最適。食洗器対応で(名入れした場合は使用不可)、現代のライフスタイルにも合った逸品です。
結晶
【箸】ペア 夜空 箸置付(22.5cm)
様々なカラーと、個性的なデザインがおしゃれな津軽塗のスプーン。天然木で手に馴染みやすく、使い勝手も抜群です。
何重にも色漆を重ねることで、木製ながら丈夫なのも魅力。大小セットや色違いを組み合わせて、プレゼントするのにもおすすめです。
J.Flavor * 増川泰治
津軽塗 スプーン
船乗りが、船の上で使っても転ばない椀を…と考案された、「クラワンカ型」の飯椀。安定感抜群で、保温性が良いのがポイントです。
深みのある色合いに、うっすら透ける木目が特徴的な利休塗。単品での購入はもちろん、大小2個セットは結婚祝いなどにもおすすめですよ。
87.5 (川口屋漆器店)
飯椀 クラワンカ型 (小・大)
「白檀塗(びゃくだんぬり)」の伝統技法を用いた名刺入れ。使うほどに蒔絵の絵柄がゆっくりと浮かび上がり、経年変化を楽しめるのが魅力です。
耐久性にも優れ、長く愛用できるのもポイント高。漆の美しいツヤと飴色の輝きが、名刺交換の場で話題作りに一役買ってくれますよ!
匠市
土直漆器 うるしの名刺入れ VYAC CARD CASE
日本が誇るべき素晴らしい工芸品、漆器。現在、私たちの暮らしからやや遠ざかりつつありますが、このまま衰退させてしまうのはもったいない素晴らしい文化です。
BECOSでは、現代のライフスタイルにもマッチする、おしゃれでモダンな漆器アイテムを多くラインナップ。ぜひ、暮らしのなかに上手に取り入れてみてくださいね!
漆器(漆器の意味)は、漆を塗った器や道具のことを言います。また、漆器は世界的にも名を知られており、英語で「japan」とも呼ばれる日本の伝統工芸品です。漆器についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
漆器の大きな特徴は、耐久性・耐水性・断熱性・抗菌作用に優れていることです。そこに、見た目の美しさも加わり、日本の伝統工芸品として親しまれてきました。手入れが難しいという印象を持っている方も多いですが、近年ではお手入れが簡単で日常使いしやすい漆器アイテムが多くなっています。詳しくは、こちらの記事を参考にしてみてください。
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