本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
新型コロナウィルスが世界中で蔓延している今、私たちはこれまでに体験したことのない未曾有の危機にさらされています。伝統工芸業界も大変な状況です。
いつ、終わりを迎えるのかわからない状況ですが、これからの伝統工芸業界がどのようにしていけばよいか、考えるきっかけになればなと思い、私たちにできることをお伝えしたいと思います。
飲食業や宿泊業、イベント業などは毎日のようにメディアに取り上げられ、逼迫している状況が報じられています。
そのような中で、伝統工芸業界も非常に危機的な状況にあります。
ただでさえ斜陽な業界にもあって、この新型コロナウィルスは止めを刺す一撃になることは間違いありません。
伝統工芸業界の衰退と私たちの支援方法などについて知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
現状として、何が起こっているのかというと、美術工芸品などの作家さんが自分の作品を多くの方に見てもらえる唯一と言っていい機会である、伝統工芸展などの展示会が軒並み中止になっています。
公益社団法人日本工芸会主催の展示会の中止
伝統工芸青山スクエアのイベントの中止
市区町村主催のイベントの中止
挙げればきりがないほど、多くの展示会やイベントが中止になってしまっています。
また、実際に商品を販売できる機会でもある大手百貨店の催事も中止になってしまっており、それだけではなく、百貨店の通販サイトも発送対応等ができないことから、閉鎖になってしまっております。
これらの状況の中で、中小零細企業である伝統工芸品の工房や職人は非常に厳しい状況にさらされています。
このような状況の中で、今後、伝統工芸が生き残って行くには、何をすればいいのか私からお伝えできることを4つご紹介させていただきます。
緊急事態宣言が出され、不要不急の外出が制限されているなかで、インターネットを利用する方が増えています。
NTT東日本が公開したデータによると、2月25日の週と4月20日の週を比較すると昼間帯で49%増加、夜間ピーク時で11%増加とのことで全体的にも大幅に利用が増えていることがわかります。
このような状況の中で、自身が携わっている伝統工芸品の魅力を知ってもらうには「情報発信」をもっと積極的にすべきだと思います。
メディア等にも多数取り上げられており、BECOSでも扱っている「インディゴ気仙沼」さんなどはこのような状況だからこそ、頻繁に情報を発信しています。
また、江戸切子のアクセサリーなどを製作されている「江戸切子小林」さんなどは、新型コロナウィルスの影響で直営店を休業しているということで、LINEのビデオ通話を使って直営店の商品を案内する試みをスタートされています。
このように、外出自粛の中でも、伝統工芸品の魅力を伝えるために職人さんが自ら情報を発信することは非常に重要です。
1の情報発信する理由と同じ理由からですが、インターネットの利用者が増えている状況の中でインターネットを使って自身の工芸品を販売するということが今後生き残っていく上で非常に重要になります。
ただ、長年インターネットを通して工芸の魅力を発信している私たちからお伝えしたいことは、闇雲に通販サイトを立ち上げても絶対にうまくいかなとということです。
BECOSには、多い月で10社以上の伝統工芸関連の職人さんや会社様から掲載のご相談をいただきますが「自社で通販サイトを立ち上げていたが思うように売れない」というご相談が非常に多いです。
これは、インターネット上の検索需要や購入需要を見誤っていることが原因である場合が多いです。
まずは、このようなツールを使って、自分が携わっている伝統工芸の需要を調べてみてください。
検索数チェックツール「http://aramakijake.jp/」
例えば、伝統工芸のTOPブランドの一つである「能作」を検索してみると、以下のような結果になります。
Yahoo!とGoogleを合計すると36,200回推定で月に検索されていることがわかります。
また伝統工芸品の中でも非常に人気のある「江戸切子」を調べてみるとこのような結果になります。
このようにインターネット上で既に検索ニーズのあるブランドや伝統工芸品の場合は、すぐにでも自社でECサイトを始めるべきです。
目安として、自社のブランド名で検索し月間1,000回以上ある場合または、自分たちが携わっている伝統工芸品名で検索して月間3,000回以上ある場合は、ECサイトを自社で構築するのがよいと思います。
もし検索数が全くないといった場合には、自社でECサイトを立ち上げてもほとんど見られることがありませんので、その場合は楽天市場などのプラットフォームへの出店が最も良いです。
ただ、楽天市場の場合高価格帯の商品の販売にあまり不向きですので、そういった場合はBECOSにご相談ください。
伝統工芸の中でも、伝統的工芸品産業の振興に関する法律により保護されている「伝統的工芸品」というものであれば、一般の事業者よりも手厚い援助を受けることができる仕組みになっています。
また、新型コロナウィルス対策として、新たに補正予算案を提出し伝統工芸を支援する自治体も増えてきています。
【石川県】工芸、芸能 伝統維持へ支援 県4月補正案に4億2000万円
【富山県】新型コロナ対策、県が10億円補正 19、20年度予算
日々の創作活動で忙しく、補助金や助成金などを利用するのも面倒だとお考えの職人さんも多いかと思いますが、ご自身がお住まいの地方自治体や属している伝統工芸の組合に相談してみてください。
百貨店などで開催されている伝統工芸フェアに参加すると、出店している職人さんも、参加されているお客様も年齢層が非常に高い場合がほとんどです。
やはり「伝統工芸」というとどうしても少し古臭く感じてしまう方も多いと思いますし、「七宝焼」「会津塗」「小千谷縮」などといってもピンときませんよね。
今までと違った、お客様に自分の作品や商品を見てもらいたいとお考えの職人さんには「異業種コラボ」がおすすめです。
例えば、こちらのクラウドファンディングのプロジェクトは「伝統工芸職人」×「ネイリスト」という全くの異業種がコラボしたプロジェクトです。
ネイリストが考える工芸職人応援プロジェクトの詳しいページはこちら
「七宝」や「漆」といった伝統工芸の素材をネイルとして全く新しいものに生まれ変わらせることができています。
これまで、伝統工芸品を手にとったこともなかったような若い女性でも気軽に伝統工芸と触れ合うことができる機会ができ、非常に素晴らしい活動だと思います。
新型コロナウィルスが猛威をふるう中で、伝統工芸は非常に厳しい状況を迎えていますが、一度途絶えてしまった技術を復活させるのはとても大変なことです。
今ある技術を途絶えさせないよう、今できることを私たちも一緒になって頑張って行ければと思います。
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\ BECOS編集部が厳選 /
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