
東京オリンピックや大阪万博をはじめ、年々日本を訪れる外国人観光客が増加しています。そんな外国人たちに評判となっているのが「藍染」の美しい青。江戸時代にはすでに普及していたというこの藍染が、近年Tシャツなどの今風なファッションとして注目されています。
私も藍染がとても好きで、ストールやTシャツを愛用しています。使い始めは深い紺色が段々と薄くなっていく感じは、ジーンズを育てる感じにとても似ていて、とても愛着が湧きます。
そこで今回は、人気の藍染Tシャツについて紹介していきたいと思います。
藍染のストールにも興味がある方はこちらの記事も参考にしてみてください。
目次
藍染とは
藍染の原料

藍染の原料「藍」
藍染とは、タデ科の植物の藍を使用して色を染める方法のことを言います。この藍に含まれている「インディゴ」という成分で色をつけていきます。
日本では着物やのれんなどの布、アメリカではジーンズを染めるのに使われていることで有名。
繊維にずっとは定着しにくい成分のために、何度も洗濯をしているうちに少しずつ色が薄くなっていきます。また、不溶性であることから顔料として使用されることもあります。
藍染の歴史
藍染は非常に歴史が古く、紀元前2000年ごろに建設されたエジプトのピラミッドから藍染が出土したという例もあり、日本国内でも奈良時代ごろには行われていたとされています。
中世ヨーロッパではインディゴは非常に貴重でしたが、大航海時代にインド洋航路が発見されてインドや東南アジアにヨーロッパが進出してきたことで、大量にヨーロッパに持ち込まれることになりました。
日本ではタデ科の蓼藍が多く使われてきましたが、江戸時代にベロ藍が輸入されるようになると、こちらが主流に。
19世紀末には合成インディゴの開発が行われ、現在は全世界で使用されているインディゴの多くが合成インディゴとなっています。
日本で行われている天然の藍をつかった藍染はとても貴重です。
職人技であった藍染
江戸時代中ごろの日本の衣類は、約80%が藍で染められたものでした。大きな町には必ず紺屋と呼ばれる染物屋があり、そこで藍染が行われていました。
衣類自体は自分で作って、それを紺屋にもっていって染めてもらっていたのです。それは藍染が高度な技術が必要な職人技であったからです。
藍染には中間原料である「すくも」が必要となります。これは大量の藍の葉を乾燥させて発酵分解したものです。
しかしこの「すくも」の状態ではまだ染めることはできません。すくもに灰汁や酒、糠などを加えて熱を加えていきます。この作業を「藍建て」と呼び、職人技の一つです。
そして発酵に必要な30度前後の温度を保ちながら、1日に1回適度にかき混ぜながら2週間ほど発酵させて染色液を作り出します。それぞれの職人によって作り出す色が違い、江戸時代の熟練した職人は約20色もの色を使い分けて染物をしていました。
布は数分間付け込んだあと引きあげて空気に触れさせます。この工程を何度も繰り返すことで色合いを調節。
この調節は理屈通りにはいかないことが多く、経験が大きく影響する部分で、現在できる職人の数が年々減っています。
職人が手作りする!藍染のTシャツ4選
職人が一つひとつ、手染めする天然藍を使ったTシャツを紹介します。
琉球藍染めVネックTシャツ(段染)
>「琉球藍染めVネックTシャツ(段染)」をもっと詳しく見てみる。
琉球藍は本州の蓼藍とは違って、古くから独自の色合いを出してきました。原料は原産地が東南アジアのキツメノマゴ科の多年草植物で、タイやインド、台湾などで分布していて、日本では沖縄で栽培されている藍です。
その気候から虫が多いことでも有名な沖縄ですが、藍には高い防虫効果があると言われていることから、着物などに利用されてきました。
こちらのTシャツは、琉球藍の産地である沖縄県本部町伊豆味で作られた泥藍を使用して作成されています。
この藍は琉球藍製造において唯一の「国選定保存技術者」である伊野波盛正氏の作った藍を使用しており、品質には圧倒的な信頼ができるもの。琉球藍の中に布を入れて、十分に色素が入るように揉みこんだら布を引き上げ、酸化して発色したらまた染め込みます。
この作業を丁寧に繰り返すことで味わいのある深い色合いになっていくのです。
着丈 | 身巾 | 肩巾 | 袖丈 | |
Sサイズ | 59 | 42 | 41 | 16 |
Mサイズ | 62 | 44 | 42 | 17 |
Lサイズ | 64 | 47 | 44 | 18 |
LLサイズ | 68 | 49 | 47 | 19 |
料金:7,800円 (税込 8,424 円)
産地:沖縄
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琉球藍染めオーガニックコットンTシャツ
>「琉球藍染めオーガニックコットンTシャツ」をもっと詳しく見てみる。
こちらも人気の琉球藍を使用したTシャツですが、完全受注生産となっているものになります。
人気の理由は「抜染」と呼ばれる手法。これは先に、藍色で無地染めした布の一部分の色を抜いていくという方法です。型紙をおいて、その上から抜色剤を含む抜染糊を置いて蒸気処理で脱色することで、布などに模様や柄を描くことができます。脱色と同時に他の色に染めることも可能です。
また、その特徴を利用して、グラデーションのように微妙に色合いを変化させていくことで作品にいかしていくこともできるようになっています。
その技法を使ったこちらのTシャツはこのために完全受注生産となっているのです。
着丈 | 身巾 | 肩巾 | 袖丈 | |
Mサイズ | 68 | 46 | 42 | 20 |
Lサイズ | 70 | 48 | 44 | 21 |
XLサイズ | 73 | 50 | 46 | 22 |
料金:7,800円 (税込 8,424 円)
産地:沖縄
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手染メ屋 手染め色無地 吊オーガニックTシャツ 半袖
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「手染メ屋」は、京都で天然染料や質の良い素材にこだわって染めものをしている工房です。布地には「フォックスファイバー」と呼ばれるアメリカ産のオーガニックコットンを使用しています。
こちらの糸は脱脂や漂白といった人工的な作業がほとんどおこなわれておらず、天然の成分をそのままにしているために様々な不純物をふくんだままにされています。それだけに天然の染料と相性が良いというメリットがあります。
また、その糸を使って古い編み機である「吊編み機」を使って生地をつくっています。現在の一般的な編み機と比べると生産スピードは非常に遅いのですが、糸をふんわりと優しく編むことができるために、貴重な生地である「吊天竺」を作ることができるのです。
その貴重な生地に天然染料で1点ずつ丁寧に染め上げてできるのが、こちらのTシャツなのです。素材、染料などの圧倒的な質の良さで評判になっているのが納得の品と言えます。
着丈 | 身幅 | 袖丈 | |
155サイズ | 54 | 39 | 18 |
165サイズ | 58 | 45 | 20 |
170サイズ | 65 | 47.5 | 22 |
175サイズ | 69 | 49 | 22 |
185サイズ | 75 | 55 | 23 |
料金:7,500円 (税込 8,100 円)
産地:京都
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正藍染 メイドインアースのTシャツ
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徳島の藍師の手により藍の種まきから300日かけてつくられた阿波藍のみを使い、日本古来の手法で一つひとつ手染めしたTシャツです。
使い込んでいくごとにだんだんと色がへんかしてゆき、味わいのある色になります。
天然素材のみを使い肌に優しいつくりになっています。また、生地にもこだわりオーガニックコットンの30番手の糸を贅沢に使っています。(通常Tシャツに使われる糸は、20番手くらいが多い)
ゆったりと、着れるので男女ともにおすすめの藍染Tシャツです。
着丈 | 身幅 | 袖丈 | |
Mサイズ | 59cm | 62cm | 17cm |
Lサイズ | 62cm | 65cm | 18.5cm |
15,950円(税込)
>正藍染 メイドインアースのTシャツをもっと詳しく見てみる。
まとめ
藍染は色合いが美しいだけでなく、防虫効果や消臭効果といった実用的な効果もあって、日本では古来より愛されてきた色染めです。
またこの色合いは「ジャパンブルー」として東京オリンピックの公式エンブレムに採用され、サッカー日本代表のユニフォームの色としても有名。
この藍染を使ったTシャツは色合い、着心地などから大人気となっています。まだ手にしたことがないという人はぜひ一度試してみてください。