本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
ガラスの表面に切りだされた繊細な模様が魅力的な切子。国内外を問わず人気の高い伝統工芸品ですが、値段の幅も広く、様々な形で手に取ることができるので、本当に良い切子の選び方とは?と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は東京ガラス工房『凛然』の職人さんに、本当に良い切子の見極め方についてお話をお伺いしてきました。
東京ガラス工房『凛然』とは
東京都江戸川区に工房を構え、切子グラスやアクセサリーの販売、製造、体験などを精力的に行う。伝統的な技法と現代的な技術を駆使し、“全てを手作業で仕上げる”ことにこだわりを持って作られた作品は、またとない輝きを放ち、多くの人を惹きつけている。
所在地: 〒132-0035 東京都江戸川区平井5丁目42−6 1F
本日は宜しくお願いします!早速ですが、そもそも“切子”とは、どのような物なのでしょうか?
“切子”はカットグラスの和名で、ガラスの表面を回転道具で削り、植物や籠目など、様々な模様を切りだしたものの総称です。
切子の代表的な産地として東京(江戸)や鹿児島(薩摩)などがありますね。
そうですね。切子の歴史は、江戸時代末期にスタートしたといわれています。江戸や薩摩などの有名な産地以外にも大阪(天満)や北海道(小樽)などにもあり、全国でつくられています。
切子の素材には、ソーダガラスとクリスタルガラスの2種類がありますね。それぞれどのような特徴があるのでしょうか?
ソーダガラスは、軽いのに石のように硬く、傷つきにくいので、たわしで洗っても大丈夫。日常生活でも使っていただきやすいのが特徴です。クリスタルガラスは、原料に鉛が含まれているので、柔らかく加工しやすい、透明度が高いといった特徴がある一方で、傷つきやすい、素材単価が高いので購入単価も高くなるといった面を持ち合わせています。
使用シーンや目的によって、適した素材が異なるんですね。切子の概要が掴めてきました!
切子といえば、均等で緻密な模様が印象的ですよね。菊繋ぎのように細かな文様の方が、難しい技術を要するものなのでしょうか?
実は細かな文様よりも、模様のズレがはっきりとわかる籠目のような文様の方が難しいと感じています。私たちの工房では、ずれのないカットを追求していますが、それぞれの工房によって、何をよしとするかの基準は異なるので、交点がずれていたり、綺麗に形が出ていないような作品が売られているのを市場で目にすることもありますね。
一目瞭然ですね。左の切子は、八角形がバラバラで不揃いですね。凛然さんの切子は、角がしっかりあってきれいです。そういった技術の差は、職人歴に左右されるものなのでしょうか?
職人歴というより、作業のスピード差によるものが大きいと考えています。職人歴が長くなれば、スピードと美しさの両方を担保できるようになりますが、そうでない職人が効率ばかりを追求して、制作にあたるとクオリティがどうしても下がってしまいます。美しさを追求した作品を生み出すためには、それ相当の時間を費やすことが重要だと思います。
効率的に製作することも大切ですが、美しい完ぺきな切子をつくるためには時間も必要なのですね!
文様のカット技術に関してはまだ私たちも完ぺきとは言えず、すでにある程度の綺麗さを出せていたとしても、基準をさらに引き上げる事でよりカット技術を洗練させたいと考えています。より美しく、より整った切子に仕上げるため、基準を上げ続ける努力を日々しております。
これほど美しく見えてもまだ発展途中なんですね!ちなみに、素人の私でも美しい、良い切子を見分けられるようになるには、どうしたらいいのでしょうか?
レベルの高いものと比べることで、初めてそうでないものとの違いがわかると思います。格安で販売されている切子も一見きれいに見えるのですが、どうしても短時間で大量に製造しなければいけないので、手作業の部分が雑になります。カットする部分の交点が大きくずれてしまっているものも見かけますね。
確かに、赤い切子の方はカットは細かくないのに、交点がずれてしまっていますね。凛然さんの切子は、細かいのにぴったりと合っています。神は細部に宿ると言いますが、商品の細部までよく見て選ぶことが重要ですね。
そうですね。“有名な方がつくられた作品だから、この作品は良いものに違いない”“有名なブランドのものだから”といった先入観を一度捨てて、ご自身の目で本物を見極める力をつけていただくためにも、店舗やショールームなどで多くの作品を実際に目にしていただくのが一番だと思います。
確かに、伝統工芸品だから高品質だと思いがちですが、しっかりと自分で判断することが大切ですね!ちなみに凛然さんでは、実際に作品を見ることができるショールームを運営されていますよね!店舗を持っていない職人さんも多いですが、どういった思いから店舗を構えられたのですか?
ブランドがスタートしたばかりで、店舗を構えるのは大変だったのですが、実際に実物を見て商品の違いを知っていただきたいと思い、店舗兼ショールームを構えました。
大きな決断ですね!駅からも近いので、実際に凛然さんの切子の実物を見てみたいとお考えの方はぜひ行ってみてください。
店舗名:東京ガラス工房 凛然
所在地:〒132-0035 東京都江戸川区平井5-42-6 1F
連絡先:Tel. 03-6231-9407
Email:info@rin-zen.com
営業時間:10:00 – 19:00
定休日:月曜日
駐車場:駐車場のご用意はございません。そのため、近隣のコインパーキングのご利用をお願いしております。
切子には表面に磨きをかけ、艶を出す工程がありますね。“手磨き”と“酸磨き”という方法があるようですが、どのような違いがあるのでしょうか?
カット後のガラスは曇ったような状態なのですが、それに磨きをかけることで、艶や輝きを出すことができます。“手磨き”は手作業で、一点ずつ磨いていきます。“酸磨き”は硫酸とフッ化水素という薬品にガラスをつける方法で、一度に多くの製品を加工することができます。
凛然さんでは、手磨きによる仕上げをされていますね。手磨きには、どのぐらいの時間がかかるものなのでしょうか?
一発で磨けないものが多く、一度磨いてはチェックをしてという作業を繰り返すので、カットにかかる倍の時間が手磨きにはかかるイメージです。
磨き方の違いによって、仕上がりに影響はあるのでしょうか?酸磨きで仕上げたものは、色褪せているといったことを耳にしたこともあるのですが…。
酸磨きとひとくちにいっても、様々なレベルがあるので、必ず色褪せるとは言えないと思います。酸磨きを否定するような意見も世の中にはありますが、酸磨きでも素晴らしい作品はたくさんあります。ですが、手磨きの方がより仕上がりの美しさを追求できるという風に私たちは考えています。またケシといってマットな状態の部分を残し、輝きのある部分とそうでない部分のコントラストを楽しむことができるのも、手磨きならではなんですよ。
磨き方によって、出来るデザインや仕上がりの雰囲気も変わってくるんですね!
ネットなどでよく見かける安価な切子は中国製のものが多いと感じているのですが、値の張る国産のものとは何が違うのでしょうか?
ネットでは1,000〜2,000円の切子も出回っていますが、それでは素材単価と同等なので、そういった価格帯の切子はそもそも作れないはずなんです。安価なものは安い素材を使っていて、人件費も削っているから成り立っているのであって、結果クオリティも低い…というわけです。
安価なガラスを使うとどのような違いが出てくるのでしょうか?
色や削って磨いた時の透明度が全く異なるんですよ。
そもそも切子の作品の値が張る理由とは何でしょうか?
手作業で大量生産が難しいゆえに、価格設定はどうしても高くなってしまうんだと思います。またブランドネームの有無によっても価格差が生まれますね。
そういった意味でも、やはりブランドネームに踊らされることなく、商品自体をしっかりと見極める力を持つことが、納得のいく作品を手にするためには必要なんですね!
色々とお話をお伺いしてきましたが、切子を購入する際に、これだけは押さえておいた方がいいというポイントは何でしょうか?
磨き方のことを知っておけば、どこの切子屋さんに行っても、“どうやって磨いてるんですか?”といった質問ができるので、そういった前知識を持っていただくと、より切子を見るのが面白くなると思いますよ。
どちらかというとカットに目が行きがちですが、磨きに注目することも大事なんですね!
手磨きは、どうしても時間がかかりますし大量生産には向いていないやり方なのですがその分、切子の美しさや輝きは抜群だと思います。もちろん、酸磨きの切子でもデザインがよかったり、価格のバランスがよかったりという点で選ばれる方もいると思いますが、美しい切子を選びたいという方には手磨きの切子を選ぶことをおすすめします。
選び方の重要な基準になりますね!ありがとうございます。私も切子を購入する際は手磨きかどうかを一つの判断基準にしたいと思います。
切子の見分け方について、色々とお話をお伺いしてきましたが、『凛然』について、詳しく教えてください。印象的なブランドネームの由来は何ですか?
“威風凛然”という4文字熟語から“凛然”の部分を切り取っているのですが、この言葉の持つ堂々としていて凛々しい雰囲気が、手磨きでカットされ、エッジが残ったガラスが持つキリッとしたイメージに近いと思い、この名前を選びました。
凛然さんが生み出す作品は伝統的な技法とモダンなデザインのバランスが秀逸だと感じるのですが、デザインはどういったところから着想されるのでしょうか?
オリジナル性に富んだ作品を作りたいと常に思っているので、あえて伝統的な切子を見ないようにして、別ジャンルの絵や動植物、襖、組子といった他の伝統工芸品からも着想を得るようにしています。
グラスや花器、アクセサリーなど様々な作品を発表されていて、サイトを拝見するとそれぞれの美しさにワクワクしてしまいます!凛然ならではのこだわりやこれから、取り組んでいかれたいことはありますか?
パッと見て“綺麗だな”と感じていただける作品を生み出すための努力は惜しまない、妥協しない、ということに強いこだわりを持っています。また切子は新しい文様が生まれていないのが現状なので、新たな文様を生み出すことにも挑戦していきたいですね。
新たな文様が施された、凛然さんならではの作品を目にする日が楽しみです!
一生モノの本物を手に入れたい方には、ぴったりのブランドです。縁起の良い柄も豊富で、プレゼントにもおすすめです。
凛然
切子
根強い人気のある伝統工芸品だからこそ、豊富な商品数やブランドネームに流されず、しっかりと自分自身で本物を見極める目を育てる必要があるという新たな気づきがありました。多くの作品の中から、自身の力で選び抜いた一品は、生涯大切にしたい特別なものになること請け合いですね。
1位
「彩-irodori-」バスタオル2枚 & フェイスタオル2枚セット。あらゆる贈答シーンに対応し、どのような方も思わず笑顔にさせる大満足の逸品です。
税込 16,500 円
★★★★★
(1レビュー)
4位
【牛刀】210mm 高炭素ステンレス鋼割込 磨きダマスカス 樫八角柄-柿渋仕上- | 堺刃物 | 。「縁起の良い贈り物」として包丁のプレゼントはおすすめです。
税込 24,750 円
★★★★★
(3レビュー)
\ BECOS編集部が厳選 /
伝統工芸品おすすめランキング発表
\ BECOS編集部が厳選 /
伝統工芸品おすすめ
ランキング発表
1位
「彩-irodori-」バスタオル2枚 & フェイスタオル2枚セット。あらゆる贈答シーンに対応し、どのような方も思わず笑顔にさせる大満足の逸品です。
税込 16,500 円
★★★★★
(1レビュー)
4位
【牛刀】210mm 高炭素ステンレス鋼割込 磨きダマスカス 樫八角柄-柿渋仕上- | 堺刃物 | 。「縁起の良い贈り物」として包丁のプレゼントはおすすめです。
税込 24,750 円
★★★★★
(3レビュー)
\ BECOS編集部が厳選 /
伝統工芸品おすすめランキング発表
\ BECOS編集部が厳選 /
伝統工芸品おすすめ
ランキング発表