本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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「近畿地方」は、伝統工芸品の品目が日本でもっとも多い京都府のほか、大阪府や滋賀県などを有するエリア。織物や刃物、陶器などのバラエティに富んだ工芸品が各地域で生産されています。近畿地方の伝統工芸品は、暮らしのなかに取り入れられるアイテムが多いのも魅力。伝統や技術の詰まった近畿を代表する品をご紹介しますので、気になるアイテムやお気に入りの品を見つけてくださいね。
お伊勢参りでにぎわう「伊勢神宮」や、スピリチュアルな雰囲気が漂う世界遺産「熊野古道」で知られる三重県には39種類の伝統工芸品が存在。陶磁器の「四日市萬古焼」や「伊賀焼」、「伊賀くみひも」「伊勢形紙」「鈴鹿墨」の5つは国の伝統工芸品に指定されています。さまざな種類のなかから、三重県を代表する伝統工芸品を2つご紹介します。
「鈴鹿墨」は、三重県鈴鹿市で作られている墨で、鈴鹿の山で採取された「松脂(まつやに)」や「膠(にかわ)」を使って作られています。
鈴鹿墨は発色や書き味の良さが特徴の品。鈴鹿墨で書かれた「書」は、時を経ても墨色が変わらず美しいまま保つことが可能です。業界ではじめての「色墨」も生産。カラフルな色合いの墨は、書道のほか日本画や塗料などに使われています。
「伊賀焼」は、忍者の里としても知られる三重県伊賀市を中心に作られている焼物。「伊賀に耳あり、信楽に耳なし」との言葉で知られ、信楽焼とは違い「耳」と呼ばれる取っ手がついているものも多く生産されています。
使われる良質な粘土は熱に強い点が特徴で、繰り返し焼いて仕上げられた伊賀焼らしい見た目が魅力。熱に強い伊賀焼で作られた土鍋を使うとおいしい料理が作れると評価を得ています。
日本最大の湖「琵琶湖」で知られる滋賀県には41種類の伝統工芸品が存在。「彦根仏壇」や「信楽焼」「近江上布」が国の伝統工芸品として指定されています。近畿地方のなかでは、京都府に次いで伝統工芸品数の多い滋賀県。国の伝統工芸品のほか、扇子や染物、提灯など、素朴な風合いの品のなかから代表的なものを2つご紹介します。
「信楽焼」は、滋賀県甲賀市信楽町周辺で生産される焼き物で、「たぬきの置物」で知られています。さまざまな粘土を混ぜて作られる焼き物はコシのある肉厚な作品が特徴。
たぬきの置物以外にも食器や花器、浴槽といった大きな品も作られています。釉をかけない技法による素朴な風合いの信楽焼は、海外の観光客からも注目を集めています。
「彦根仏壇」は、滋賀県彦根市で生産されている荘厳な仏壇です。彦根仏壇の特徴は、漆塗りと金箔を使った金仏壇である点。「彫刻師」や「漆師」など、7人の職人の技を結集させることで作り上げられます。
大型の仏壇製造が中心でしたが、時代の変化にともない小型の仏壇やデザイン性の高い品なども生産。仏壇離れもみられる昨今、伝統工芸士が木彫りのアクセサリーブランドを立ち上げるなど、伝統にとらわれない活動も展開されています。
清水寺や二条城といった世界文化遺産、京都が産地の「京野菜」などでも知られる京都府。伝統工芸品は日本でもっとも多い72種類が存在します。国の伝統工芸品に指定されているのは、「西陣織」や「京友禅」、「京焼・清水焼」など17種類。豊富な伝統工芸品のなかから京都府を代表する伝統工芸品を2つご紹介します。
「西陣織」は、京都府京都市街で生産される紋織物。「 綴織(つづれおり)」や「緯錦(ぬきにしき)」など、12の種類がある西陣織は、豪華絢爛な見た目の美しさが特徴です。
彩りの豊かさから、着物に使われる織物としても知られている西陣織。ネクタイやバッグなどの小物のほか、食器に使った珍しい品もあり、どのアイテムも西陣織の雰囲気を楽しめるものになっています。
「京焼・清水焼」は、京都の清水焼団地や宇治市の炭鉱で作られている焼物。原料となる石や土はほかの産地のものを使うなど、信楽焼や有田焼のように大きな特徴がないことが京焼・清水焼の特徴になっています。
見た目は華やかさがあり、茶碗や湯呑みなど生活に使えるアイテムも多く生産。さまざまな土地の特徴をもつ京焼・清水焼ならではの作品が楽しめます。
「天下の台所」として知られる大阪府には30種類の伝統工芸品が存在。「堺打刃物」や「大阪浪華錫器」、「大阪泉州桐箪笥」「浪華本染め」など8つが国の伝統工芸品に指定されています。関西エリアの中心地・大阪府を代表する伝統工芸品を2つご紹介します。
「堺打刃物」は、大阪府堺市や大阪市とその周辺で発展してきた伝統工芸品。抜群の切れ味と使い勝手の良さが特徴で、国内の多くの料理人が愛用している逸品です。
日本刀を製造する技術を基礎とした伝統的な製法により商品が作られており、プロ向けから家庭でも使える品までさまざま。堺打刃物の品は日本国内だけではなく海外でも高い評価を受けています。
「大阪浪華錫器」は、大阪府大阪市で作られている錫を使った製品。金属よりも柔らかい錫は機械での加工が難しいことから、ほとんどの工程は手作業で行われ、茶筒や器、タンブラーなどの商品が生み出されています。
独特な風合いや光沢があり、金属なのに錆びないことも特徴のひとつ。錫製のタンブラーやお猪口でお酒を飲むと雑味が抜けておいしくなる点も魅力です。
かばんや釣針などの産業でトップシェアを誇る兵庫県には30種類の伝統工芸品が存在。「播州そろばん」や「丹波立杭焼(たんばたちくいやき)」、「播州毛鉤」など、6つが国の伝統工芸品に指定されています。「淡路鬼瓦」や「姫革細工」など、さまざまな品があるなかで、兵庫県を代表する伝統工芸品を2つご紹介します。
「播州そろばん」は、兵庫県小野市を中心に生産されるそろばんです。職人の手作業で作られる播州そろばんは、工程を分業化していることもあり大量生産が可能。そろばんの玉を削る正確さや見た目の美しさも特徴のひとつです。
「読み書きそろばん」といわれるほど普及していたそろばんは、以前に比べ需要は減少していますが、脳トレやそろばん教室などで現在も使われています。
「播州毛鉤(ばんしゅうけばり)」は、兵庫県西脇市とその周辺で生産されている釣の疑似鉤(ぎじばり)。鮎釣りに使われることが多く、全国で販売される毛鉤の90%以上が播州毛鉤といわれるほど高いシェアを誇ります。
原料は、クジャク、ヤマドリ、カワセミなどの羽を使用。播州毛鉤は実用的な疑似鉤ですが、繊細な職人技により、美しさも垣間見える作品へと仕上げられています。
奈良時代の日本の首都でもあった奈良県には35種類の伝統工芸品が存在。平安時代に作られた「奈良筆」や「奈良墨」、「高山茶筌(たかやまちゃせん)」の3つが国の伝統工芸品に指定されています。歴史ある品が多い奈良県のなかでも代表的な伝統工芸品を2つご紹介します。
「奈良筆」は、奈良県奈良市と大和郡山で生産されている筆。ほかの筆よりも「穂先」が鋭く仕上げられた美しさが特徴です。品質が高く、昔から高級品として知られ、専門家や書道家からも高く評価されている品。
「山羊」や「馬」など、十数種類の原毛を使う「練り混ぜ法」で作られ、使用目的にあった筆を職人が一本ずつ仕上げます。
「高山茶筌」は、奈良県生駒市高山町で作られている茶筌。お茶を点てる際に使われる茶道具で、全国トップクラスのシェアを誇ります。
高山茶筌では、「黒竹(クロチク)」「淡竹(ハチク)」「煤竹(ススタケ)」の3種類の竹を使用。すべての工程を手作業で行っており、お茶の種類や流派ごとに竹を使い分けて作られています。
くだものの栽培が盛んで、温泉も豊富な地域として知られる和歌山県には10種類の伝統工芸品が存在。「紀州漆器」や「紀州箪笥」、「紀州へら竿」の3つが国の伝統工芸品に指定されています。温かみのある品が多い和歌山県の代表的な伝統工芸品を2つご紹介します。
「紀州箪笥」は、和歌山県和歌山市周辺で生産されている伝統工芸品。良質な桐を材料にして作られた高級品の紀州箪笥は、伝統的な工法で組み上げられています。
木目の美しさが際立つナチュラルな色合いで、和室を品のある空間へと変えてくれる逸品。桐は軽い素材のため、引き出しもスムーズに動かすことができ、扱いやすい点も魅力です。
「紀州漆器」は、和歌山県海南市黒江を中心に作られる漆器。黒江地区で生産されていることから「黒江塗り」とも呼ばれています。会津漆器や山中漆器とともに「日本3大漆器」の一つにもなっている室町時代に誕生した紀州漆器。
シンプルさと丈夫さをもち合わせており、黒塗りに重ねて朱漆を塗るため強度が高い点が特徴です。日常生活でも気軽に使える漆器として重宝されています。
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