日本各地の焼き物の種類と歴史!焼き物を知ってもっと楽しむ

日本には産地の土の持ち味を生かし、その土地の歴史とともに発展してきた伝統的な焼き物がたくさんあります。どんな種類があるのかや、それぞれの特徴、歴史を知ると焼き物をもっと深く楽しめるようになりますよ!今回は、日本各地の代表的な焼き物についてくわしく見ていきます。

目次
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まずは焼き物の基本をチェック

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陶器・磁器など焼き物には種類がある

焼き物は陶磁器とも呼ばれますが、石を原料とする「磁器」や土を原料とする「陶器」などなどさまざまなものがあります

磁器は丈夫でふだん使いしやすいのが魅力。吸水性がほとんどないため、食材によるシミやにおい移りもあまり気になりません。一方陶器は、磁器にくらべると強度が低く、吸水性がある性質からやや扱いに気を使う必要があります。しかし、土の風合いが感じられあたたかみがある焼き物で、保温性の高さなども特徴です。

ほかにも、陶器と磁器の中間的な特徴をもつ「せっ器」もあります。焼き物を選ぶ際は、種類による違いも把握して上手に使っていくといいですね。

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日本の焼き物の歴史

日本における焼き物の歴史は古く、縄文時代の土器にスタートします。古墳時代には朝鮮からろくろで成形し窯で高温で焼く須恵器(すえき)の技術が伝わり、奈良時代には中国からカラフルな色の釉薬(ゆうやく)を使う技術ももたらされました。

室町時代から安土桃山時代には茶の湯が流行。焼き物が日本独自の特色を持つようになり、焼き物文化に大きな影響を与えました。

江戸時代には磁器も登場。絵付けをした色絵磁器は海外にも輸出され、王侯貴族をとりこにしたそうです。また、明治には日本の焼き物が万博に出展され、ジャポニズムブームも巻き起こりました。

このように、歴史の中でさまざまな技術を取り入れ、文化と深くかかわりながら日本の焼き物は発展してきました。

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日本の有名な焼き物の種類と歴史を知る

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石川県の焼き物「九谷焼」
インパクト大!色彩豊かな色絵が魅力

九谷焼の特徴

九谷焼は石川県の伝統的な陶磁器。陶器と磁器の両方が作られています。「九谷五彩」と呼ばれる緑・黄・赤・紫・紺青の5色の和絵具を使った、鮮やかで大胆な色絵が特徴。存在感があって食卓のいいアクセントになりますよ。

海外でも「ジャパンクタニ」として知られる焼き物。海外の方へのプレゼントにもぴったりです。

九谷焼の歴史

九谷焼は1655年ごろ、加賀市山中温泉九谷町で陶石が発見されたことをきっかけに作られはじめました。しかし、わずか50年ほどで廃窯。なぜ廃窯されたのかは今もくわしく分かっておらず、ミステリアスな歴史も関心を集めています。この時期に生産された焼き物は「古九谷(こくたに)」と呼ばれますが、およそ100年後に金沢などで磁器づくりが再開され、古九谷の伝統を受け継いだ多くの窯が作られました。

現在では、日本の伝統的な美術工芸品としてのブランドを確立し、宮内庁からの贈答品としても使われています。九谷焼といっても作り手によってテイストがだいぶ異なり、近年は伝統の和絵具や技術を活かしながら現代的なデザインのモダンでかわいらしい九谷焼を展開するブランドも。ぜひ好みのものを探してみましょう。

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岐阜県の焼き物「美濃焼」
さまざまなかたち・色で種類が豊富!

美濃焼の特徴

美濃焼とは、岐阜県の美濃地方東部で作られる陶磁器の総称。洋食器やタイルなども作られていますが、それらもすべて美濃焼と呼ばれ、特徴がないことが特徴と言われるほど種類が豊富です。代表的な「織部」「志野」「黄瀬戸」など15種類が国の伝統的工芸品に指定されています。

食器類の生産量は全国で約6割のシェアを占め、私たちの食卓にとっても身近な焼き物です。

美濃焼の歴史

良質な土に恵まれた美濃地方東部では、1300年以上も前から焼き物が焼かれてきました。とくに、茶の湯が盛んだった安土桃山時代に大きく発展。文様や釉薬によって豊かな色彩が施された陶器「桃山陶」(志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部など)が生まれ、茶の湯の陶器として人気を集めました。

のちに登り窯の技術が伝わり大量生産できるようになり、日用品なども生産され全国に流通するように。江戸時代後期には磁器も焼かれるようになり、現在も多様な焼き物が作られ続けています。

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三重県の焼き物「四日市萬古焼」
土鍋や急須が有名

四日市萬古焼の特徴

四日市萬古焼(よっかいちばんこやき)は、三重県の四日市市や桑名市、鈴鹿市などで生産されている焼き物。土鍋が代表的で、ペタライトという鉱物を配合し、高火力のガスでも割れにくいとして広まり、全国で80%ものシェアを占めています。土鍋はゆっくり熱が伝わり食材のうまみを引き出してくれるほか、蓄熱性を活かしエコ調理も可能。土鍋料理に挑戦したいならぜひ四日市萬古焼の土鍋をチェックしてみましょう。

また、「紫泥急須(しでいきゅうす)」というあずき色の急須も有名。鉄分の多い土を使い、窯の中の酸素を少なくして焼成する「還元焼成」という方法で焼かれていて、お茶の渋みをやわらげうまみ成分を生かし、お茶をおいしくしてくれると人気です。

四日市萬古焼の歴史

1736年~1740年ごろ、茶人であった沼波弄山(ぬなみろうざん)という商人が趣味の茶道のために窯を開いたのがはじまり。弄山が焼き物に、作品が変わらず永遠に残るよう願いを込めて「萬古」「萬古不易」と印を押したため萬古焼と呼ばれるようになりました。

四日市萬古焼は、食器や花器なども作られているほか、陶器、磁器、せっ器も焼かれ種類が豊富ですが、この萬古の印があることが四日市萬古焼の特徴だと言われています。

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滋賀県の焼き物「信楽焼」
自然に生まれる色合い・模様が持ち味

信楽焼の特徴

信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町周辺で作られている陶器。「窯変(ようへん)」と呼ばれる、焼成する工程で自然にできる色合いや模様が大きな特徴で、土の温もりを感じられる味わい深い焼き物です。

窯変には、炎が表面に焼き付いてピンクやうすい赤色に発色する「火色」(「窯あじ」とも呼ぶ)や、原料に含まれる長石という石が溶けて白いつぶつぶができる「あられ」、灰が溶けて透明感のある青緑色になる「自然釉」などがあります。

信楽焼の歴史

信楽焼は「日本六古窯(にほんろっこよう)」と呼ばれる歴史ある窯のひとつ。鎌倉時代の中ごろに水がめや種つぼを焼いたのがはじまりとされます。室町・安土桃山時代にはその素朴さがわびさびの精神を重んじる茶人に愛され、茶の湯の道具として人気を集めました。現在はテーブルウェアや花瓶などのほか、タイルや浴槽など時代に合わせてさまざまな焼き物が作られています。

ちなみに、信楽焼といえばたぬきの置き物が有名ですが、1951年に昭和天皇が訪問した際、たぬきの置物を並べ迎えたことを天皇が歌に詠んだことがきっかけで全国的に知られるようになったそう。ほかにも国会議事堂のピラミッド屋根のタイルなど、有名な建築物にも信楽焼が使われています。

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京都の焼き物「京焼・清水焼」
作家・窯元の個性あふれる焼き物

京焼・清水焼の特徴

京焼・清水焼とは、京都で焼かれる焼き物の総称。京都では原料となる陶土や陶石がほとんど採れず、ほかの地域から取り寄せ独自にブレンドします。また、有田焼や備前焼などのように決まった技法もなく、作家や窯元の個性が強く表れた個性的な作品がそろい多様なのが特徴です。

京焼・清水焼の歴史

京都では古墳時代から焼き物が焼かれていたようですが、京焼・清水焼のはじまりについてはさまざまな説がありはっきり分かっていません。茶の湯の流行とともに発展した伝統的な焼き物で、野々村仁清・尾形乾山・青木木米などの名陶工たちの手で技が磨かれ、明治以降は諸外国の技術も全国に先駆け積極的に取り入れながら発達してきました。

かつては清水寺参道付近で焼かれた焼き物を「清水焼」と呼び、ほかにも京都で焼かれていた焼き物をまとめて「京焼」と表現していましたが、現在ではほぼ区別なく「京焼・清水焼」として呼ばれています。

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岡山県の焼き物「備前焼」
釉薬をかけずに焼く素朴な焼き物

備前焼の特徴

備前焼は、岡山県備前市を中心に焼かれるせっ器。土地で採れる「ひよせ」と呼ばれる良質な粘土を原料とした陶土で成形したあと、釉薬をかけず、絵付けもせずに焼き上げられます

粘土独自の味わいと、焼くときにできる自然の色・模様(窯変)が魅力。ひとつとして同じものができあがらないというのも、愛着がわきますね。

備前焼の歴史

備前焼は、古墳時代に朝鮮から伝わった須恵器(すえき)という土器が変化し発展したのもで、平安時代の終わりごろにお椀などが作られるようになったのがはじまりとされています。歴史ある窯のひとつとして、越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波と並んで日本六古窯のひとつに数えられます

安土桃時代には茶の湯にも用いられ茶人に愛されましたが、有田や瀬戸などで磁器の生産が盛んになると人気が衰退。昭和初期まで厳しい時代が続きましたが、伝統的な作風が再び人気を集めています。

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山口県の焼き物「萩焼」
色合いが変化!「萩の七化け」を楽しむ

萩焼の特徴

萩焼は、山口県萩市を中心に作られる陶器。おもに地元でとれる「三島土」「金峰土」「大道土」という3種類の土を混ぜたものを原料とし、あたたかみのある色合いが特徴です。

低温でじっくり焼かれる萩焼は土があまり焼きしまっていません。そのため釉薬の表面に貫入(かんにゅう)と呼ばれる細かなヒビが入っていて、使い込むうちにお茶などが染み込んで色合いが変化します。この「萩の七化け」と呼ばれる経年変化も楽しみのひとつ。

萩焼の歴史

1604年に毛利輝元が萩城を築城したあと、藩の御用窯として開かれたのが萩焼のはじまり。茶道で使われる茶碗を中心に発展しましたが、これは毛利一族が茶道と深いかかわりがあったことに関係していると考えられています。茶道の世界では茶人が好む抹茶椀の格付として「一楽二萩三唐津」という言葉もあります。

佐賀県の焼き物「有田焼」
白い磁肌と華やかな絵付けの美しい磁器

有田焼の特徴

有田焼は、佐賀県有田町周辺で作られている磁器。白い磁肌を活かし、赤・青・金などの絵の具で華やかに絵付けをした「色絵」の焼き物が代表的です。ほかにも、透明な釉薬をかけて焼いた「白磁」や、青色に発色する呉須(ごす)と呼ばれる絵の具をまぜた釉薬で瑠璃色に発色させた「瑠璃釉」などさまざまな表現方法があります。

磁器なので丈夫で扱いやすく、ふだん使いしやすい点も魅力です。

有田焼の歴史

約400年前から作られている有田焼は、日本ではじめて作られた磁器。17世紀中ごろには複数の絵の具で模様を描く上絵つけの技法が登場しますが、代表的な「柿右衛門(かきえもん)様式」は高く評価され、ヨーロッパなどにも輸出されるように。ドイツのマイセンなどの色絵磁器にも影響を与えたと言われています。

近ごろは、洋食にも合うシンプルでモダンな有田焼の器なども販売されているほか、薄く作れて強度に優れた磁器の特性を活かして、指輪やブレスレットなどのアクセサリーを制作している作家さんもいます。

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伝統工芸品の焼き物はほかにもたくさんある!
伝統的工芸品の陶磁器一覧

日本にはほかにもたくさんの伝統的な焼き物があり、国によって「伝統的工芸品」に指定されているものだけでも32品目(2021年1月時点)もあります。特徴や歴史を調べたり、手に取ったりしていろいろな焼き物を楽しんでみましょう。

北海道・東北地方 大堀相馬焼(福島県)、会津本郷焼(福島県)
関東地方 笠間焼(茨城県)、益子焼(栃木県)
中部地方 九谷焼(石川県)、美濃焼(岐阜県)、常滑焼(愛知県)、赤津焼(愛知県)、瀬戸染付焼(愛知県)、三州鬼瓦工芸品(愛知県)
近畿地方 四日市萬古焼(三重県)、伊賀焼(三重県)、越前焼(福井県)、信楽焼(滋賀県)、京焼・清水焼(京都府)、丹波立杭焼(兵庫県)、出石焼(兵庫県)
中国地方 石見焼(島根県)、備前焼(岡山県)、萩焼(山口県)
四国地方 大谷焼(徳島県)、砥部焼(愛媛県)
九州・沖縄地方 小石原焼(福岡県)、上野焼(福岡県)、伊万里・有田焼(佐賀県)、唐津焼(佐賀県)、三川内焼(長崎県)、波佐見焼(長崎県)、小代焼(熊本県)天草陶磁器(熊本県)、薩摩焼(鹿児島県)、壺屋焼(沖縄県)

種類や歴史を知って日本の焼き物を楽しもう!

日本の焼き物にもさまざまな種類があり、歴史の中で文化と深く関わりながら育まれてきました。特徴や歴史を知ると、ますます焼き物がおもしろく感じられますよ。ぜひいろいろな焼き物を知って、焼き物のあるくらしをもっと楽しんでみてくださいね!

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