本記事の制作体制
熊田 貴行BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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ビードロとは、ポルトガル語でガラスを意味する「vidro(ヴィドロ)」に由来する日本語で、室町時代末にポルトガルやオランダから長崎にもたらされた舶来のガラス器、および日本で作られた吹きガラス製品の総称です。明治・大正初めまで広く使われた言葉で、現在も津軽びいどろや肥前びーどろなど各産地の工芸品名に受け継がれています。
「びいどろ」「びーどろ」「ビードロ」はすべて同じ言葉の表記ゆれであり、意味の差はありません。産地や工房が独自の表記を採用しているため、商品によってどの表記が使われているかは異なります。
ビードロの語源はポルトガル語の「vidro(ヴィドロ)」です。16世紀にポルトガル人が日本に渡来した際、ガラス製品とともにこの言葉が持ち込まれました。同時期に伝わった南蛮貿易由来の言葉の一つであり、カッパ(capa)やタバコ(tabaco)と同様に日本語に定着した外来語です。
ブリタニカ国際大百科事典はビードロを「ガラスの古称。室町時代末にポルトガルやオランダから長崎にもたらされた舶来のガラス器の当時の呼称で、明治・大正の初めまで用いられた」と説明しています。
江戸時代、ガラス製品を指す言葉として「ビードロ」と「ギヤマン」の両方が使われていました。両者の違いは次のとおりです。
つまり、ビードロは吹きガラスの技法と国内生産のニュアンスを帯び、ギヤマンはカット細工や輸入品の高級感を帯びた言葉として使い分けられていました。ただし厳密な区別が時代や地域によって異なるため、文脈で意味が変わることもあります。
西洋ガラスが日本に初めて持ち込まれたのは16世紀のことです。1549年にポルトガルの宣教師フランシスコ・ザビエルが日本を訪れた際に遠メガネやガラスの鏡を携えてきたのが、西洋ガラス伝来の記録として知られています。1570年代には日本にガラス製造法も伝わったとされています。
なお、日本におけるガラスの歴史はさらに古く、縄文時代後期の遺跡からガラス玉が出土しており、遅くとも弥生時代後期(約2,000年前)にはガラスの加工が行われていたと考えられています。
長崎に伝わった吹きガラスの技法は、やがて大阪・江戸へと広まりました。18世紀初めには江戸でも加賀屋久兵衛が鏡や眼鏡を、上総屋留三郎が簪(かんざし)や風鈴を製作したと伝わり、ガラス工芸が庶民の生活にも浸透し始めました。
明治時代に入ると西洋式ガラス工場が相次いで設立され、工芸品としての吹きガラスと工業製品としてのガラスが分かれていきます。各地の産地が独自の技法と美意識を育て、現在の津軽びいどろ・肥前びーどろ・沖縄のガラス工芸などが形成されていきました。
喜多川歌麿が1793年ごろに制作した浮世絵「ビードロを吹く女」は、江戸時代のビードロ文化を伝える代表的な作品です。画中の女性が口にしているのは、ガラス製の玩具「ポッペン(ぽっぺん・ぽぴん)」。細い首のフラスコ状のガラス器に息を吹き込み、ガラスの弾力を利用して「ぽっぺん」と音を鳴らすものです。この絵は現在、東京国立博物館に所蔵されており、美人画の傑作として広く知られています。
ポッペンは、首が細く胴が丸いフラスコ状のガラス製玩具です。細い首の管に息をゆっくり吹き込むと、胴部分のガラスが押されてたわみ、息を止めると「ぽっぺん」という独特の音を発します。ガラスの薄さと弾力性を最大限に活かした、吹きガラス技術の精華といえる存在です。
ビードロ工芸を支える吹きガラスには、主に二つの技法があります。
産地や作品によって技法が異なり、たとえば肥前びーどろでは型を一切使わない純粋な宙吹きに加え、ガラス製の吹き棹を2本同時に使う「ジャッパン吹き」という独自技法が用いられます。この技法は佐賀市の重要無形文化財に指定されています。
ビードロ文化が日本に最初に根付いた地が長崎です。中国・ポルトガル・オランダから吹きガラスの技法が伝わり、藍色の美しいグラスや長崎ちろり(酒器)、そして玩具のポッペンが生み出されました。長崎土産の定番として今も人気があります。
青森県の工芸品である津軽びいどろは、国の伝統的工芸品にも指定されています。青森の四季の色彩──春の桜吹雪、夏の深緑、秋の紅葉、冬の雪景色──を透明感あるガラスの色で表現した美しさが最大の特徴です。グラス・花器・アクセサリーなど現代の生活に馴染むラインナップが揃い、贈り物としての人気も高い産地です。
佐賀市の重要無形文化財に指定された吹きガラス工芸。型を用いず息のみで成形する宙吹きと、ガラス製の吹き棹2本を同時に使う「ジャッパン吹き」が特色で、他産地にはない独自の技を守り続けています。
18世紀初めに江戸で始まった吹きガラスの伝統。風鈴・簪・ぐい呑みなど江戸の暮らしに根ざした品々が作られ、現在も職人によって技が受け継がれています。
明治時代に長崎や大阪の職人によって吹きガラスの技が伝えられ、薬瓶やランプなどの製造から始まりました。現在は沖縄県の伝統工芸品として認定されており、海の透明感を映したような色ガラスが人気です。
ビードロは工芸品の名称にとどまらず、青みがかった淡い緑色透明の色彩を表す言葉「ビードロ色」としても日本語に定着しています。江戸時代の吹きガラスに多く見られた淡い青緑の色が、そのまま色の名前になったものです。工芸品の名が色彩語として残るほど、ビードロは日本人の美意識に深く刻み込まれた存在といえます。
ビードロ・吹きガラスの工芸品を贈り物に選ぶとき、次のポイントを意識すると選びやすくなります。
BECOSでは津軽びいどろをはじめとする吹きガラス工芸品を、職人・工房情報とあわせて取り扱っています。産地や技法の背景を知りながら選べるのが、BECOSならではの強みです。
BECOSが厳選したビードロのおすすめです。用途や贈る相手に合わせてお選びください。
金属加工の技術を活かした藤田金属の鉄フライパンに、ブナ材のハンドルを組み合わせたセットです。鉄製フライパンは熱伝導と蓄熱性に優れ、使い込むほど馴染む一生モノの調理道具として知られています。料理好きな方への贈り物や、本格的な調理道具を揃えたい自分用として検討できます。
大西常商店の京扇子ブランドが手がける、長さ22cmまでの女性用扇子袋です。淡い水色が上品で、扇子を傷や汚れから守りながら持ち運べます。1,100円とリーズナブルなため、扇子と合わせてセットで贈る小物としても気軽に選びやすい一品です。
京扇子の老舗・大西常商店が手がける、夜桜をモチーフにした女性向けの紙扇です。京扇子は京都の職人による分業制で丁寧に仕上げられる伝統工芸品で、優美な絵柄と使い心地の良さが特徴です。浴衣や着物に合わせる夏の装いのほか、和の贈り物としても喜ばれます。
兵庫県の伝統産業・播州織の生地を使用した、折りたたみ式の晴雨兼用日傘です。播州織は先染めの糸を用いた上質な風合いが特徴で、ポルカドット柄がモダンな印象を添えます。日常使いはもちろん、こだわりの日本製アイテムを求める方への贈り物としても映える一本です。
京扇子の大西常商店が提案する「かざぷち」は、扇子の文化を活かしたルームフレグランスです。「色は匂へと」というシリーズ名が示すように、日本の伝統美と香りを室内で楽しめます。扇子文化を知る読者へのユニークな贈り物や、和の空間づくりにこだわる方の自分用としておすすめです。
金沢箔の老舗・箔一による重箱で、「KAGA SHIKISAI DEEP BLUE」の名の通り深みのある藍色が印象的な一品です。金沢箔は金沢が誇る伝統工芸で、繊細な箔加工が施された重箱はハレの日のおもてなしを格調高く演出します。お正月や記念日の贈り物としても存在感を放つ逸品です。
大西常商店の女性用扇子袋で、長さ22cmまでの京扇子に対応しています。爽やかな薄緑色は春夏の装いにも馴染みやすく、バッグの中での扇子の保護にも役立ちます。扇子と色違いで揃えたり、プチギフトとして添えたりする使い方もおすすめです。
大西常商店が手がける男性用の扇子袋で、長さ23cmまでの扇子に対応しています。落ち着いた紺色は和装・洋装を問わず使いやすく、扇子をスマートに持ち歩くための実用的な小物です。京扇子と合わせて男性への贈り物としてセットで揃えると喜ばれます。
ビードロとは、ポルトガル語「vidro」に由来する吹きガラス工芸品の総称であり、16世紀の南蛮貿易を経て日本に根付き、江戸時代には庶民の生活や文化にまで浸透しました。歌麿の浮世絵に描かれたポッペンの音、透き通った青緑の色彩、職人の息だけで生み出される薄いガラスの造形──そのすべてが、「ビードロ」という言葉に凝縮されています。
津軽びいどろ・肥前びーどろ・長崎ビードロなど、各産地が独自の技と美意識を今に伝えています。贈り物や自分への一品として、作り手の背景を知りながら本物の吹きガラス工芸品を選んでみてください。
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