本記事の制作体制
BECOS執行役員の熊田です。BECOSが掲げる「Made In Japanを作る職人の熱い思いを、お客様へお届けし、笑顔を作る。」というコンセプトのもと、具体的にどのように運営、制作しているのかをご紹介いたします。BECOSにおけるコンテンツ制作ポリシーについて詳しくはこちらをご覧ください。
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「越前打刃物(えちぜんうちはもの)」とは、福井県越前市で作られる金工品のこと。独特な技法が光る刃物として高く評価されています。ここでは、越前打刃物とは何か、歴史や特徴からおすすめの包丁までご紹介していきます。
越前打刃物の歴史は古く、700年前に遡ります。1337年(南北朝時代)に、京都の刀匠「千代鶴国安(ちよづるくにやす)が刀剣製作に適した地を求め府中(現:越前市)に移り、刀を作るかたわら近郊の農民のために鎌を作ったのがルーツとされています。
江戸時代には、福井藩の保護政策によって株仲間が組織され発展。また、福井県にはほかにも有名な伝統工芸として「越前漆器」がありますが、漆器に使われる漆を求めて漆かき職人が全国に出かけていく際に刃物を各地で販売したことで、販路も全国に及んでいきました。
明治時代になると、福井藩の保護がなくなり株仲間も解散。しかし、明治7年の越前の鎌の生産量は97万丁と全国の鎌生産量の3割近くを占め、包丁もおよそ25%のシェアを誇るほど全国に広まっていました。
現在でも、越前打刃物では古くから伝わる火作り鍛造技術や手仕上げを守りながら、おもに鎌や刈り込み鋏、包丁などが製造されています。
越前打刃物の誇れるポイントとして、昭和54年に業界で最初に国の伝統的工芸品の指定を受けているということがあげられます。
指定されている品目は、両刃包丁、片刃包丁、なた、鎌、はさみの5品です。
伝産法の対象となる伝統的工芸品には、6つの要件が必要です。
単に技術的に優れているだけでなく、歴史があることも伝統工芸品となるために必須となりますが、越前打刃物はその基準もクリア。日本の優れた伝統の技を感じられることも越前打刃物の魅力のひとつになっています。
越前打刃物には、千代鶴国安にまつわるある逸話があります。
それは、「刀は人を殺すための武器ではなく武士の象徴であってほしい」という願いで、刀をつくるたびに狛犬を彫って井戸に沈めたというものです。
長らく伝説のように語り継がれてきたのですが、最近になって越前市京町にある千代鶴神社の千代鶴の池から、刀2本と狛犬が十数体発見されました。
これによって、越前打刃物の産地に伝わる逸話が事実であることが実証されています。
ここからは、越前打刃物の包丁がほしいという方のために、越前打刃物の包丁を選ぶ際のポイントについて見ていきます。
越前打刃物は、福井県越前市で作られる伝統的な刃物。昔ながらの鍛冶技法で作られています。1979年に国の伝統的工芸品に認定されました。伝統的な製法によって生まれる鋭い切れ味と魅力によって日本全国で多くの人に愛用されています。
ただし、越前打刃物の包丁を選ぶ際は、本物の越前打刃物であることを確認して購入することが重要です。残念ながら、越前打刃物という名前を語っていながら実際は偽物であるケースもあります。
偽物であるかを見極めるためには実際に手に取っ手みて質感などを確認するのが一番ですが、通信販売ではそれも叶いません。そこで確認したいのが製造している工房の情報。また、伝統工芸士の指定を受けている工芸士が作っていることなどでもチェック可能です。越前刃物について詳しくこちらのページで特集しているので、もっと深く知りたいという方はこちらへ。
越前打刃物では、廻し鋼着けによって薄く製造できることもあり、軽量な点が評価されています。包丁の場合、重量があると長時間使っているうちに手や腕に疲労感を感じるため、軽量さは使い勝手に影響を与える重要なポイント。越前打刃物の中でも重さの差はあるので、選ぶ際は軽量で扱いやすいかどうかを判断基準のひとつにするといいでしょう。
一方で、軽すぎると用途によっては逆に扱いにくい場合もあります。たとえば、出刃包丁のようにある程度体重をかけてカットする場合は、適度な重量があるもののほうががベター。包丁の種類によっても最適なものを選ぶようにしてください。
越前内刃物の最たる特徴でもあるのが切れ味です。切れ味に優れたものが多い越前打刃物は切れ味の良さを追い求めている人におすすめ。また、切れ味のいい刃物は最初は切れ味がよくても徐々に刃こぼれして劣化することがあります。頑丈なものや研ぎやすいものなどメンテナンスのしやすさは包丁選びでも重視して選ぶといいでしょう。
その点、越前打刃物は廻し鋼着けによって研ぎやすく扱いやすいのも特徴。また、購入店によってはもし手入れがうまく行かなくなった場合などに研ぎ直しに応じてもらえるところもあります。
越前打刃物は、その独特な製法が光る打刃物として有名です。とくに、以下の2つの技法によって、質の高い刃物を作り上げています。
二枚広げとは、刃を2枚重ねたままで裏と表からベルトハンマーで打つことで、2枚が同様に薄く延びるよう手早く作業する工程です。昔は、大づち2人、小づち1人で打って製造していたことでも知られています。
2枚の刃を重ねることで厚みが倍になり、ベルトハンマーの圧縮力がよく働き刃を薄く伸ばすことが可能に。また、温度も下がりにくくなることから製品の板むらが少なくなる効果が期待できます。
高い技術力がないとなしえない製法で、越前打刃物の特徴のひとつになっています。
廻し鋼着けは、鎌や苅込みばさみにおける特徴的な技法。越前打刃物の始祖、千代鶴国安が考案したと伝えられている鋼着けの方法です。
越前打刃物の鋼着けの鋼の置き方は「柾置法」と呼ばれ、地鉄と鋼を鍛接した後に鋼の片隅から全体を菱形につぶす方法を採用しています。これにより鋼をより薄くすることが可能となり、研ぎやすく良い刃を付けることができます。
全国の産地で一般的に行われている「平置法」の製品と比較して鍛造技術の上で相当の熟練が必要ですが、完成した刃物ははるかに優秀なことで知られています。
ここからは、日本全国の包丁を取り扱うBECOSが、越前打刃物のブランドからおすすめの商品をご紹介します!
1961年創業、親子3代で研鑽した技術を惜しみなく注ぎ、刃物やその技術を応用したカトラリーなどの開発を行う「鍛冶工房いわい」。伝統工芸士が匠の技を用いながら、一本一本手間暇かけて手打ちで包丁を仕上げています。
使い手のことを想像しながら細部までこだわって作られた包丁は、使い心地も上級!愛着がわく一本がほしい方におすすめです。
独特の味わいを生む鎚目模様は、食材の切離れの良さにも貢献。料理がグッと快適になりますよ。
鍛冶工房いわい
本鍛造 黒打 三徳包丁 (青紙スーパー鋼) 170mm
鍛冶工房いわい
本鍛造 ダマスカス 三徳包丁 浮雲 170mm
鍛冶工房いわいの出刃包丁のなかでも小さめの150mmサイズ。家庭用としてちょうどよく、女性の方でも扱いやすいでしょう。魚のあらおろしやぶつ切り、三枚おろしなど魚の調理のほか、肉の塊を切るのにも便利に使うことができますよ。
鍛冶工房いわい
本鍛造 風紋 出刃包丁 150mm
鍛冶工房いわい
本鍛造 風紋 刺身包丁 200mm
越前地方で伝統的に作られている包丁のことで、鋼と鉄を積層し、打ち出す技法を用いて作られた包丁のことを指します。切れ味が鋭く、独特な文様が美しく、使い込むほどに味がでることが特徴です。詳しくはこちらで解説しています。
越前打刃物は、室町時代から福井県越前市(旧・越前国)で鍛えられていたとされています。鍛冶職人の技術向上により、江戸時代には一般家庭でも越前打刃物が普及しました。詳しくはこちらで解説しています。
越前打刃物の特徴は、鋼と鉄を積層して鍛えられることにより、切れ味が良く、丈夫で長持ちすること、また、独特の文様が美しく、使い込むほどに味わいが出ることです。詳しくはこちらで解説しています。
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