文化や風習が異なる外国人へプレゼントを贈る際には、日本人に対するより何倍も慎重にならなければなりません。
国によってはプレゼントに不向きなものもあります。また、日本と外国ではプレゼントに関するマナーが異なっており、同じ調子で贈ってしまうと失礼になることもあるため注意が必要です。
お互いに気持ち良くやり取りをするためにも、外国人に対して失礼にならないプレゼントの選び方と贈り方について知っておきましょう。
外国人へのプレゼントで贈ってはいけないもの
日本人には良くても外国人へのプレゼントとしては絶対にNGというものがいくつかあります。それぞれの国によって具体的な品物は異なりますが、別れや死など不吉なことを連想させるプレゼントは避けなければなりません。
例えば、ロシアの場合はイエローカラーの花を相手に贈るという行為は別れを告げるという意味があります。また、台湾などのアジアの国々の多くではハンカチといった涙を拭くものは葬式を思わせるとして日常のプレゼントには用いられません。その他、黒い食べ物が珍しい欧米の国々では、海苔や羊羹など黒系統の食品は喜ばれない傾向にあります。
また、日本ではあまり重要視されませんが、海外では宗教ごとにタブーとされるものがあることをご存知でしょうか?キリスト教を良しとしない宗教を信仰している外国人に対して、十字架がモチーフになったアクセサリーやクリスマスプレゼントを渡すことは相手を侮辱することに繋がるため注意しましょう。
その他にも、キリスト教の一部の宗派では戒律でコーヒーや酒類などが禁止されているためプレゼントとして選ばないことが大事です。
贈る際のマナー
外国人へプレゼントを贈る際に日本のマナーをそのまま適用してしまうと、国によっては逆に失礼になることがあります。特に、日本では当たり前のように用いられる「つまらないものですが」といった口上は、外国人にはそのままの意味で捉えられてしまうため注意が必要です。
このフレーズは贈る側が謙遜することでプレゼントを受け取る側の負担を軽くするために使われますが、そういった考え方がない国では額面通りに受け取られてしまうのです。
なぜ相手はつまらないものを自分にくれるのかという疑問や馬鹿にされているという不信感を招く原因となるため、とても素晴らしいものだということをアピールしながら贈るようにします。
体裁を大事にするのではなく、ストレートな気持ちを表現することが海外においては重要とされます。また、日本ではプレゼントを受け取ってすぐに相手に喜びの気持ちを伝えるためにその場で開封することが多々あります。
そのため、逆の立場になった時に外国人にもそれを強要しがちですが、同じことを求めるのはタブーです。個人の自由を尊重し、相手は自分のタイミングで開封するのだということを知りましょう。
贈って喜ばれる日本の工芸品
外国人にプレゼントを贈るのであれば、日本でしか手に入らないような独自のものを選ぶと喜ばれます。その代表的なものとして挙げられるのが、職人の技巧が冴え渡る日本の工芸品です。
工芸品というと高価なものと思われがちですが、プレゼントにぴったりな手頃な価格の商品も作られているため問題ありません。飾るだけでなく日用雑貨として日常使いができる工芸品も多く、実用性にも優れているというメリットがあります。
また、最近では日本的なデザインが施された工芸品だけでなく外国人にも受け入れやすいようなユニバーサルデザインのものも作られるようになりました。もちろん、日本ならではの美意識に興味を持ってもらうためにあえて昔ながらの伝統的なデザインのものを贈るという方法もあります。
また、一口に工芸品と言ってもそのジャンルは様々で、陶磁器や着物や人形など色々なものがあります。具体的にどのような工芸品を贈るかについては、相手の生活スタイルを踏まえた上で趣味嗜好と照らし合わせながら考えるようにしましょう。
外国人へのプレゼントとしておすすめの商品
外国人へのプレゼントとしておすすめの商品をいくつかご紹介します。
外国人むけのプレゼントおすすめその1
各国のデザイナーが生み出す新しい「有田焼」
世界に誇る日本の伝統工芸、有田焼。その有田焼の、記念すべき400年の歴史を迎えた年に生まれたブランドが「2016/」です。世界で活躍する16人の職人が生み出す、これまでにない有田焼の作品の数々は、日本の美意識とグローバルなデザイナーの感性が融合した新しい形。
現代のライフスタイルに合わせて生み出されるモダンでスタイリッシュな有田焼は、外国人にもよろこばれるアイテム。さまざまなデザイナーの個性あふれる作品から、プレゼント贈る方のイメージにあわせて選んでみてください。
2016/
有田焼
外国人むけのプレゼントおすすめその2
日本の文化を象徴する畳のマット
カラフルに染められたい草を、職人の技で丁寧に織り上げたラグやヨガマットのシリーズ。選ぶのに悩んでしまうほど、素敵なデザインがそろっています。畳はまさに、日本の文化を象徴するアイテム。おしゃれなうえに、消臭効果、吸放湿性などを持ち合わせたい草マットは、外国人の方へのプレゼントにぴったりです。
和風の家でなくても、どんな部屋にもなじむデザインの豊富さが魅力ですね。ラグ・ヨガマットともに、軽くて扱いやすい点も大きな特徴です。
イケヒコ
い草ラグ デニムFジョイ 赤
外国人むけのプレゼントおすすめその3
インパクト大!戦国武将のボトルアーマー
一升瓶やワインなどの酒瓶に着せて鑑賞する甲冑で、伝統工芸技術が詰まったアイテム。徳川家康や伊達正宗など、日本の歴史上の名だたる人物がモデルとなったインパクトの大きいボトルアーマーです。
甲冑作りに欠かせない染織皮革や漆工や金工の技など、非常に高度な技術が用いられているため価格もかなり高価。しかし、唯一無二のプレゼントになるでしょう。迫力のあるその佇まいは、美術品としても愛される逸品です。
忠保/ただやす
ボトルアーマー
外国人むけのプレゼントおすすめその4
輝きを身にまとう!江戸切子のアクセサリー
東京の地で代々伝わる江戸切子。その技術から生まれたのが小林硝子工芸所の「tokoba」シリーズ。切子という伝統工芸の技を活かし、時代に合わせたアクセサリーシリーズを生み出しています。
「菊繋ぎ」「蜘蛛の巣」「市松」など日本人の生活に馴染みがある模様を作り上げる全行程を、一人の職人が丁寧に行っています。ガラスの美しい質感を残しつつも、軽やかな使い心地になるようにこだわって制作されており、外国人の方も身につけやすい逸品です。
小林硝子工芸所
tokoba
外国人むけのプレゼントおすすめその5
デザインのバリエーションが豊か!老舗扇子店の京扇子
京都で百余年の歴史を持つ老舗の扇子も、外国人の方へのプレゼントにおすすめ。京扇子の製造は、上絵や扇面、扇骨など工程ごとに分業体制が敷かれ、それぞれ専門的な職人がいるために、総合的に高品質な逸品に仕上がっています。
シックなものから鮮やかで目をひくものまで、さまざまなデザインの扇子を展開しているため、相手の方をイメージしながら選ぶ楽しさもありますね。男性・女性向けのサイズがそれぞれあるため、購入する場合には注意しましょう。
大西常商店
扇
外国人むけのプレゼントおすすめその6
日本らしい生地を用いた人形やインテリアアイテム
主に節句人形の制作に用いられる、「木目込み」という技術を駆使して、招き猫やだるまなどの縁起物やインテリアアイテムを生み出しているブランド、柿沼人形。西陣織や友禅、ちりめんなど、日本ならではの生地を取り入れたオリジナリティ溢れる作品が魅力です。
今までに見たことのないような、美しい色彩の招き猫やだるまは、外国人の方にプレゼントすればきっと喜んでもらえるでしょう。アクセサリートレイやフォトフレームなど、外国人の方に馴染みのあるアイテムも扱っているのでぜひチェックしてください。
柿沼人形
江戸木目込み
相手へ親愛の情を伝えるために
プレゼントを贈るという行為は、相手へ親愛の情を示すための一つの手段です。文化や言語の異なる外国人とのコミュニケーションにも影響するため、プレゼントを贈る際には誤解を与えないように細心の注意を払うようにしましょう。プレゼントの選び方と贈る際のマナーをしっかり押さえたら、相手のことを思いながらじっくりと商品を選ぶことが大切です。